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新型コロナで、一帯一路崩壊へ。タンザニア大統領「中国の融資条件は、酔っ払いにしか受け入れられない」

https://www.youtube.com/watch?v=vf7o9BZd8b0

幸福実現党広報本部長補佐 畠山元太朗
◆タンザニア大統領が一帯一路離脱宣言

アフリカでは今、中国に対する反発が強まっています。

アフリカ東海岸にタンザニアという国があります。タンザニアは、ダイヤモンドや金、ウランやニッケルなどのレアメタル、レアアースを産出する資源国であり、中国の一帯一路構想にとって重要拠点と位置付けられてきました。

しかし、タンザニアのジョン・マグフリ大統領は「コロナ感染対策のために、バガモヨ市にある港湾建設に関わる中国への借金100億ドルを中止する」と発表しました。

昨年6月、前大統領が締結した港湾プロジェクトの内容に関して、中国側の要求に無理があることに怒りを露わにし、計画を停止していました。

しかし、今回はさらに一歩踏み込んで、新型コロナ感染拡大の責任がある中国への借金を、感染症対策予算に充当するというものです。

アフリカでは、他の国々の間でも中国への反発が強くなっています。一番大きな影響を与えたのは、中国広東省広州のナイジェリア人居住区でコロナのクラスターが発生し、黒人差別が行われたという出来事です。

例えば、大家から家を追い出されたり、ホテルから退去を命じられる。抵抗すれば、警察を呼ばれ、拘束され、屈辱的な尋問を受ける。黒人女性がデパートに入店することを拒否されるケースもあったようです。

ナイジェリア外相は「われわれは身の回りの物を持って、路上で寝起きしているナイジェリア人の映像を見た。もちろん、本国にいる私たちにとって痛ましくてならないものだ」と発言。同政府も「容認できない」と中国を非難しました。

また、アフリカの約20か国が共同書簡を作成し、草案段階では「明らかな人権侵害」と明記しています。

他にも、エジプトやナイジェリアの弁護士が、新型コロナの賠償金を求める訴訟を起こしています。アフリカで、ここまで中国に対する反発が強まったのは初めてです。

◆米共和党上院議員が中国の一帯一路阻止に動く

また、4月26日、アメリカの共和党上院議員16名が「一帯一路構想のもと、中国に多額の借金を抱える新興国を守れ」という趣旨の共同声明を発表しました。

声明では「我々は、国務省や財務省に対して、IMF(国際通貨基金)やWB(世界銀行)が新興国に追加支援を行うにあたり、中国の一帯一路構想の下で行われた融資内容を検討するよう求めた。中国の融資は、国際基準に合致していない」と書かれています。

4月13日、IMF国際通貨基金は、最貧国の内、25か国に対して債務返済猶予を発表しました。猶予措置には、自然災害やパンデミック(感染症の世界的流行)の際に対応する「大災害抑制・救済基金(CCRT)」を活用します。

アメリカは資金拠出の一部を担っていますが、アメリカ国民の税金が原資になっている以上、IMFの新興国援助の形で中国の一帯一路を助けるようなことがあってはいけないと、共和党上院議員は考えているわけです。

さらに、トランプ政権に対して、中国金融機関による融資内容の透明性を高めさせるとともに、国際基準に合わない契約条件を見直すよう圧力をかけることを求めています。

中国が火事場泥棒的に、借金を返せない新興国から港湾等の資産や鉱物資源の権益を収奪しないように強く牽制したものです。

今回、日本は新興国支援として1億ドル(約110億円)の資金をIMFに提供しています。

今後、日本は資金提供のみに甘んじず、米国との連携を強化しながら、アジア、アフリカへの中長期的な融資を通して積極的に関与し、自由や民主主義、信仰の価値観を共有する国々を増やしていく必要があります。

畠山元太朗

執筆者:畠山元太朗

幸福実現党広報本部長補佐

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