政府は108兆円の緊急コロナ経済対策案――新発想で中小企業を守れ【後編】
https://youtu.be/3C7Ri9r7jZY
(4月3日収録)
前半の続きで「経済対策の提言」の3つ目と4つ目を紹介します。
幸福実現党外務局長 及川幸久
(3)中小企業の既往債務の返済延期、一時凍結
中小企業は、すでにお金を借りており、売上が立たない中でも返済は毎月あるわけです。これが中小企業の経営者の方々の一番の悩みだと思います。
この返済の延期、あるいは一時凍結。これが中小企業の経営者の方々が一番求めているところではないでしょうか。
これは基本的にはやったほうがいいと思いますが、ただ慎重に考えるべきところがあります。
過去に「中小企業金融円滑法」というモラトリアム法とかと言われる中小企業を支援する法律がありました。
リーマンショックの翌2009年に民主党政権下で成立していますが、銀行が中小企業の貸し出しの条件の変更にできるだけ応じなさい」という特別措置法でした。
つまり、すでに中小企業の借金をリスケジュールしてあげる。金利を下げるとか、返済を一時凍結してあげることです。これは2013年に終了しています。
この法案は確かに当時必要だったかもしれませんが副作用もあるのです。それは、いわゆるゾンビ企業が増加するということです。
本来だったらもう経営が成り立たず倒産せざるを得ない企業が、借金返済を延期し倒産しない。これは決して経済全体にとって良いことではありません。
当時、この金融円滑法に基づいて、リスケを申し出た中小企業の約90%が受け入れられています。
リスケを勝ち取るために企業の粉飾というのが横行するわけです。これが大きな副作用です。
そうなると困るのは銀行です。銀行の収益は悪化して銀行が倒産する可能性が出てきます。銀行不況になりかねません。
リーマンショックがあったときのその後の副作用を教訓として考えると、貸す側の銀行は与信判断を厳しくやるべきだと思います。
銀行は、一定の粉飾をきっちり見抜く「与信判断」をきっちりやらなければいけません。
もうひとつは借りる側の経営者も銀行に対して「事業計画書」を新たに出さなければいけません。
「事業計画書」をあとで出すことになっていましたが、これが前回は出してなかったところがたくさんあったわけです。
「事業計画書」をしっかり出すというのは条件として入るべきと思います。そうしないと銀行と経営者、お互いがよくないと思います。
(4)海外に出た日本企業を日本に帰す政策
なぜ海外に出た日本企業を帰す政策が必要かというと、新型コロナウイルスが収束した後に、経済は反転攻勢に出なければいけないからです。
ウイルスが収束したからと言って、すぐに V字回復とはなかなかいきません。
何が必要かというと、もともとこの日本経済にあった根本的な問題解決が必要だと思います。特に中小企業にとっての根本的な問題解決は「日本国内のビジネス量を増やす」ことです。
根本的には仕事がなかったら、いくら資金資金繰りなどの支援をしたとしても問題は解決しません。
そのため、日本でものをつくってくれる企業には特別の減税をする、特別の措置をするということによって海外から、特に中国から日本に帰ってくるように促す政策を今から検討すべきだと思います。
以上、今回は改めて中国ウイルスに対して、中小企業の雇用を守るという観点でいくつか提案をさせていただきました。
執筆者:及川幸久