緊急提言:経済対策は新発想で中小企業を守れ【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=0xv6VgviiSM&t=16s
(3月28日収録)
幸福実現党外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
【前編】からの続きをお送りいたします。
◆米国と比べ、規模の小ささは否めない援助予算
3点目に言えるのが、こうした資金繰り対策は非常にいい対策で、政府も頑張ってくれているとは思いますが、何とっても総額1兆6,000億円と規模が小さいところは否めません。
例えば、前述した米国の220兆円の緊急援助のうち、なんと半分の110兆円が企業の資金援助のために用いられます。
これは米国が企業規模にかかわらず、何としても米国人の雇用を守るという強い意志の表れでしょう。
一概に単純な比較は禁物かもしれませんが、日本の1.6兆円に対して米国は110兆円で、日本はせめてもう一桁増やせないものだろうかという感じはあります。
米国の220兆円の内容ですが、例えば中小企業への貸付だけでも約37兆円に上ります。
その中でも特に、この貸付を受けることが出来た場合、従業員の給与、家賃、光熱費等の固定費については貸付ではなく、給付にするという位まで米国は踏み込んでいます。
納税の延期については約24兆円、また新たに約49兆円もの規模の企業貸付基金が用意されています。
◆中小企業の雇用と給与を保障する英国の判断
更に米国は、先ほどの何とか雇用を維持してくれる企業に対して、従業員の給与の50%分をタックスクレジット、すなわち給与の50%分は無税にするという対応をしています。
ここまでして米国政府は企業の雇用を守るために対応していますが、英国政府についても、企業の従業員の約32万円/月に当たる賃金の肩代わりを政府が行うということになっています。
これは英国政治史上初めてのことであり、米国のみならず、英国も中小企業の雇用を守ることを特に重点に置いているのが現状です。
そういう意味では、繰り返しとなりますが日本の1.6兆円という支援額の規模は非常に小さく、これを何とかもう一桁上げられないのかというのが、本日の緊急提言の中心となります。
では財源をどうするのかという議論にもなるでしょう。
結局、国債をあの新たに発行していくしかないとは思いますが、当面は財源の議論は置いておいても、中小企業に対しての支援は何を置いてでもやるべきだと思います。
◆期間限定でもやるべき消費減税
最後のポイントとして、「給付金より消費減税すべきではないか」ということです。
いま自民党の若手議員のグループやマスコミからも「今こそ消費税をゼロにすべきだ」といった消費減税の議論が出ております。
一方で、財界からは社会保障に大きなダメージがあるから「消費減税は筋が悪い」という声もあります。
しかし、放っておいたら黒字倒産、連鎖倒産によって、沢山の中小企業が倒産し、大量の失業者が溢れるような危機的な経済状況において、そんな悠長なことを言っていられないのではないでしょうか。
1年間など期間限定であっても、消費減税をやるべきだと思います。
例えば、1年間は軽減税率を全項目に適用するということによって、消費税を5%に下げる、もしくは10%の消費税を1年間だけゼロにするということもありだと思います。
◆商品券に見え隠れする大企業とのつながり
まとめると、救済の最優先は中小企業であり、今すでに政府がやっている資金繰りの対策についてはすぐに活用すべきです。
しかし、この資金繰り対策の規模が残念ながら小さく、もっと大きな支援を行うために発想を大きく変える必要があると思います。
また、和牛などの商品券に象徴される給付金といった発想にこそ、背後には大企業がいて、儲かるように出来ていて、大企業と政界とのつながりが象徴的に表れているわけです。
そんなことよりも中小企業や一般の国民のために、一刻も早く消費減税をすべきであるというのが、今回の提言です。
執筆者:及川幸久