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メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】

本日は、「メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!【前編】」をお送りいたします。

(広報本部)

メガバンク・地銀の大淘汰時代が始まった!

https://www.youtube.com/watch?v=HiAu89u1Urw

幸福実現党党首 釈量子

※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。

◆マイナス金利と消費増税の影響

今回は「メガバンク地銀の大淘汰時代が始まる!」というテーマでお話したいと思います。

アベノミクスが始まってから、異次元と呼ばれる大規模な「量的緩和」を行い、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を目指してやってきました。

ジャブジャブにお金を流せばインフレになって物価が上がる、という考えです。

ところがそれでも効果はなく、2016年、政府日銀は、次の手に出ました。それが「マイナス金利政策」です。

民間の銀行は、いざという時のために、お客様からあずかった預金残高のうち一定額(所要準備額)を、日銀の当座預金に預けないといけない決まりになっています。

これまで、その一定額を超える金額を預けると(超過準備額)、0.1%の金利が得られました。だから銀行は、日銀に資金を預けたままにしておきました。金利がついて、銀行の利益になるからです。

しかし4年前、黒田総裁が預けると逆に金利を取りますよ、という「マイナス金利」を導入しました。

民間銀行に「寝かせておいたら駄目ですよ、損になるよ!」ということで、日銀としては「銀行は資金を市中に回して景気もよくなるだろう」という目論見だったわけです。

ところが、それでも資金需要は上がらず、物価も2%になりません。

それは消費税を増税してしまったからです。

強制的に懐から奪われるのでみんなお財布を絞める。金融緩和のまさに真逆です。その結果、企業の売上もあがらないし、給料も上がりません。

◆「マイナス金融」のあおりは銀行に

「マイナス金融」のあおりを食っているのが銀行です。

銀行の本業のもうけを示す「コア業務純益」(一般企業の営業利益に近いもの)は、メガバンクを含む大手と地銀のどちらも右肩下がりです。

「マイナス金利」という超低金利のまま何年も経ち、いま、銀行は収益が圧迫されて瀕死の状態に陥っています。

21日の「政策決定会合」の記者会見で、黒田総裁はスウェーデンのマイナス金利を打ち切ったことについて記者から質問され、「日本は政策効果が副作用を上回っている」と答えていました。

黒田総裁としては、デフレ脱却の指標である「物価目標2%」を実現するまで、マイナス金利を解除するつもりはないということです。

◆地銀は大淘汰時代へ

では、銀行はどうなるのでしょうか。

メガバンクはマイナス金利の影響を受け、今後、三菱UFJが9,500人、三井住友4,000人、みずほ19,000人。合計3万人以上の「事実上のリストラ」を既に発表しています。

地銀はというと、メガバンクよりも儲ける手段が限られているのでもっと厳しいです。

政府の方針はというと、「地銀の再編」を後押ししているようです。

昨年6月、政府は成長戦略を話し合う「未来投資会議」で、地銀の経営統合を促すため、独占禁止法の特例を認める方針を盛り込みました。

仕組みを簡単に言うと、経営が危ない地銀Aと、健全経営の地銀Bを合併させようとした場合、これまでは「公正取引委員会」に申請して認可を受けていたのですが、特例法では監督官庁である金融庁の判断で、認可が出るようにしたわけです。

銀行の二大コストは人件費と物件費です。こうした地銀再編の環境が整うと、生き残りをかけて、コスト削減を目指した統合合併が加速すると思います。

地銀の統合合併により人員整理、店舗の統廃合などで収益力の改善が期待できます。

そして金融庁も、「アメ」と「ムチ」で再編圧力を強めようとしています。

「アメ」とはなにかというと、銀行は、経営破綻に備えて、顧客の預金を保護するため「預金保険法」という法律に基づいて「預金保険」というのに強制加入することになっています。

預金保険機構という政府日銀出資の機構に収めるのですが、預金の量に応じて決まる料率を、業績が改善した地銀には料率を下げますと言っています。

一方「ムチ」として、収益悪化が著しい地銀には「要注意リスト」に入れると、再編を含む経営改革を迫ります。

今後、地銀大再編が起こるのは避けられません。

(つづく)

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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