このエントリーをはてなブックマークに追加

展望2020:米中覇権争いと日本の対中戦略【後編】

本日は、対談「展望2020:米中覇権争いと日本の対中戦略【後編】」(昨年12月25日に収録)をお送りいたします。

(広報本部)

展望2020:米中覇権争いと日本の対中戦略

https://www.youtube.com/watch?v=_gYuT4IowOA
(2019年12月25日収録)

対談:外交評論家 加瀬英明氏 × 幸福実現党 釈量子
◆アメリカ大統領選挙の行方


2020年、世界で一番大きなイベントになりますが、アメリカの大統領選挙がございます。

加瀬
トランプ大統領の再選は、まず97%、98%ぐらい間違いないと思います。

でもアメリカは直接選挙ではなく、州ごとに選挙人がいて、その選挙人の数が一番多いのがニューヨーク州、カリフォルニア州です。両方ともリベラル民主党の牙城なのです。

また困ったことに、民主党は誰が大統領候補になるのかわからないですね。


バイデンさんがウクライナの件でいろいろあって厳しくなってきました。

加瀬
それから健康も良くないとか新聞に出ています。だけども民主党ではバイデンさんが一番「中道」です。


女性のウォーレンさんは?

加瀬
ウォーレンさんは左すぎるんです。

「富裕税を設けましょう。国民健康保険は日本やヨーロッパ諸国のように全国民に適用しましょう。大学の学費はタダにしましょう」と、要するにアメリカを北ヨーロッパ型の「福祉国家」にするということです。

困った事は「国防費を削る」ことです。そのなると「日本を守ることをやめましょう」ということになるかもしれません。


何があるか分からないという意味では、日本は「自分の国は自分で守れる」ようにしていかないといけないところですね。

今のトランプ政権になって、第2四半期、2019年3%を超え、経済成長が平均だと2.5%。株価も非常に順調ですね。

加瀬
下院でトランプさんの弾劾が通りましたが、上院は共和党が多数を持っているため弾劾はダメになりました。結局はトランプさんへの嫌がらせで終わるということです。


国民も弾劾に対してはあまりよく思ってなかったですね。

加瀬
弾劾前のトランプさんの支持率よりも弾劾決議後の支持率の方が上がっているんです。

◆「中国放れ」で経済が良くなった台湾


日本では中国とつながっていた方が経済的にもいいであろうというような空気が流れています。

逆に中国と離れないといけないという時代が今来ていると思います。

台湾は「中国放れ」したことで経済的によくなっています。米中の貿易戦争の関係もあって中国に進出していた台湾の企業が戻ってきています。

企業が戻るために台湾は2019年1月から優遇政策を発動して、「台商回流投資7000億元」という標語を使った政策を蔡英文総統は打ち出しています。

一方で、中国は「一帯一路」で全世界にお金をばらまいているところもございます。

加瀬
あれはお金を貸しているんです。サラ金の業者が、まったく返す能力のないところにどんどん高利でお金を貸しているようなもので、もうすでに焦げついています。


そうなると2020年の中国経済はかなり危ないことになるのではないかと懸念するところです。

中国のバブルがはじけた場合、場合によっては日本経済にも大きな影響があると思いますが。

加瀬
世界に影響があります。だいたい世界は中国のような「化け物」をつくってしまったのですよね。

「トウ小平」が経済開放を行った時に、アメリカやヨーロッパ、日本が殺到して金儲けのために、どんどん投資したわけです。

◆経済と倫理について


まさにお金の流れですけれども。「国富論」のアダム・スミスは倫理の先生でした。

加瀬
アダム・スミスは、グラスゴー大学の倫理の先生なんですね。


現代は、この「経済と倫理」というものが、ものすごく離れてしまっています。

加瀬
日本でいえば江戸時代の石田梅石は大変な経済学者(倫理学者)です。

それから二宮尊徳も経済の専門家で、それから倫理を大事にしました。昔は「経済学というのは倫理学だった」のです。ところがいつの間にか「欲望の学問」になったのです。

新聞を読んでも、失われた30年、日本の経済は大きくなっていないですね。全部、欲望の話ばかりなんです。

豊かになった結果、かえって不満が増大するんですね。


「自助努力からの繁栄」という原点に立ち返る時代が来るのかもしれません。

◆石油危機で起こること

加瀬
日本はまだサウジアラビアをはじめとするアラビア半島にエネルギーの80%以上を依存しています。

サウジアラビアの安定が来年持つかどうか、これは大きな「クレッションマーク」だと思います。

仮に輸入が絶えた場合には日本は100日以上の石油備蓄を持っていますが、ただ石油の値段が上がるから皆さんはスーパーでトイレットペーパーを買わないといけなくなるでしょう。

まず電気は消えるでしょうね。そうすると「素晴らしいこと」が起こるんです。

「蛍の光、窓の雪」、それで勉強しなきゃいけない。


なるほど(笑)。

加瀬
あの頃の日本人はみんな貧しかったけども健全だったんです。


ハングリー精神を取り戻すには、そうしたショック療法もありと先生に説得されるところがあります。

加瀬
欲望、欲望になったことは反省しないといけないと思います。


やはり「心の法則」と言いますか、「富の法則」というのは、「健全でなければ持続しない」ものがあります。「ポケットに穴」が開いたのではうまくいかないものです。

「倫理観」に裏打ちされた「経済の王道」を基盤にした政党として私たちもしっかり打ち出していこうと思っております。

ぜひ、また引き続き来年(2020年)、いろんな情勢が変わってまいりますので、そこで先生の見識でご指導いただきたいと思います。

今日は本当にありがとうございました。

加瀬
ありがとうございました。

webstaff

執筆者:webstaff

page top