メガバンク・地銀、大倒産時代到来か?【前編】
本日は、「メガバンク・地銀、大倒産時代到来か?【前編】」をお送りいたします。
メガバンク・地銀、大倒産時代到来か?
メガ4行→2行へ、地銀100行→20行へ、打つべき一手とは
https://www.youtube.com/watch?v=hqv4cIOQrNc
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆日本の銀行業界に対する厳しい予測
本日は日本経済における銀行業界の現状と先行きについてお伝えします。
アメリカの代表的な銀行、JPモルガン・チェースでは、「トランポノミクス」によるアメリカ経済の好調と株式市場の活況と連動して、株価がここ5年間、右肩上がりとなっており、史上最高利益を出しています。
一方、日本では株式市場全体は上がっているにもかかわらず、日本のメガバンク、地方銀行の株価がずっと低迷を続けています。
そんな中、「今のままでは100行ある地銀は20行に激減するだろう」「4行あるメガバンクが2行になってしまう」という日本の銀行業界に対する厳しい見立てがありますが、その一人が幸福実現党の大川隆法総裁です。
その論拠となるのが、本業のもうけを示す「利ざや」収入が減少し、銀行経営が苦しくなっているということです。
◆銀行の本業における利益は「利ざや」
では銀行の本業における利益にあたる「利ざや」とはどのようなものでしょうか。
簡単に言えば、銀行が「貸し出す金利」と「預かる金利」の差のことであり、銀行の儲けに当たる部分です。
言い換えれば、国民から預貯金を集めて、企業などに貸し出して、その差である利ざや収入を得ることが銀行の本来の本業なのです。
この利ざやの平均値は、年々下がり続けており、2010年には0.27%あった利ざやが、2019年には0.14%にまで減少しています。
またこの利ざやがマイナスになることを「逆ざや」といいますが、18年9月時点で逆ざやとなっているのが14行に上り、本業で逆ざや状態が長く続くと倒産となってしまいます。
◆アメリカと比べて異常に低い日本銀行の利益
ここで日本のメガバンクの一つ三菱UFJ銀行と、前述したJPモルガン・チェースの利益を比較してみると、三菱UFJ銀行が8,700億円を1年間に稼ぐのに対し、JPモルガン・チェースは9,900億円をたった3ヵ月と、4倍以上のペースで稼いでいます。
一言で言えば、この差は「利ざや」の差ですが、なぜここまで日本の銀行の利ざやは低くなってしまったのか。
第一の原因は、日銀の黒田総裁による異次元の量的緩和です。
この異次元緩和によって、市場に出回る資金量が圧倒的に増やすと同時に、金利を下げました。
これによって超低金利となり、それに連動して民間銀行の預金金利、また貸出金利も下がっていき、どんどん「利ざや」が圧縮されていきました。
◆失敗に終わったマイナス金利政策の導入
更に、日銀は超低金利を超えて、マイナス金利政策を採用しました。
民間銀行が企業に貸し出しに使わない余剰資金は、決められた割当額を大きく超えて、日銀の当座預金に預けられていたのですが、この割当を超えた準備金に対して、0.1%の手数料を取るというのが、マイナス金利政策です。
マイナス金利政策の導入の背景には、「企業への貸し出しに余剰資金を回すように」というメッセージだったのです。
しかし、マイナス金利政策はマーケット全体に「お金を儲けたら、保管料を取られて損する」というネガティブなメッセージを伝えることになり、実質的に失敗に終わりました。
(つづく)
執筆者:及川幸久