なぜ大企業は消費増税に賛成するのか?日本版「トランプ減税」を考える【後編】
本日は、「なぜ大企業は消費増税に賛成するのか?日本版「トランプ減税」を考える【後編】」をお送りいたします。
なぜ大企業は消費増税に賛成するのか?日本版「トランプ減税」を考える【後編】
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆大企業が知り尽くしている「税の抜け穴」
消費税について、れいわ新選組の山本太郎氏は「消費税は廃止すべき」といっており、それについては正しいですが、「その分を金持ちと大企業から取れ」と言っています。
法人税を所得税と同じような累進課税にして、大企業からはたくさん取ると主張されていますが、基本的に大企業は税率通りに払いません。
なぜかというと「税の抜け穴」があるからです。
どの国でも大企業はそれをよく知っており、「税の抜け穴」を使って、合法的に税金を払わないようにしています。
例えば、アメリカで利益を上げている日本の輸出企業が、北米市場で上げた利益を日本で払っているかと言うとそうではありません。
アメリカの現地法人がその収入を得て、配当金として日本の本社に利益を返しますが、配当金は非課税です。
こうしたルールを大企業のために作っているのが今の日本政府です。
法人税率は関係なく、日本で税金を払わなくて済むような構図をいっぱい作っています。
◆れいわ新選組の主張は中国共産党と同じ
私自身、ウォール街の金融業界で勤めていましたが、大企業が真面目に法人税率を払うのを見たことはありません。
ですから、お金持ちや大企業から取ればいいというのは、現実的ではないのですが、実際にこれをやっている国が中国です。
中国で成功した起業家やお金持ちが増え、彼らからどんどん税金を取ろうとしているのが、今の中国政府であり、
それを嫌がって、彼らは国外にどんどん逃げています。
つまりれいわ新選組が主張する「消費税は廃止すべきで、その分をお金持ちと大企業から取るべき」という発想は、中国共産党と全く一緒というわけです。
皆さんに知って頂きたいのは、日本は本物の社会主義国家だということです。
社会主義とは、一生懸命働こうが、全然働かなかろうが、「政府が国民みんなの面倒を一生みるよ」「そのためにはその税金ですべてのお金を賄うよ」というものです。
ここに日本の経済が発展しなくなった根本的な問題があります。
◆「日本版トランプ減税」の中身
社会主義的な経済政策をやめて、「日本版トランプ減税」を行うことです。
オバマ政権がやった社会主義的な政策によって、アメリカ経済が疲弊する中、トランプ大統領は徹底した「大減税」によって、アメリカ国民のポケットに現金(キャッシュ)を増やしました。
まずは「所得税の大減税」によって、個人の使えるお金を大幅に増やしました。
その結果、アメリカの消費景気が盛り上がり、株価は史上最高値を更新し、経済成長率は驚異の3%を超えました。
ただ日本とアメリカの事情は若干異なり、日本人が払っている広義の税金としては、消費税や所得税よりも社会保険料がはるかに多い点です。
この社会保険の構造自体を変革する必要があり、これが日本版トランプ減税の中身にあたります。
◆根本的に改めるべき税金と保険料に関する考え方
もちろん、所得税や法人税の税率も下げるべきで、その際に、大事なのは前述した「税の抜け穴」を防ぐことです。
そして、「税の抜け穴」をなくす代わりに、税率は下げるのです。
払うべき税金は払い、海外で稼いできたら、その分は日本で払うのが、日本の企業としての貢献であり、使命であると思います。
ただ税率を下げる減税をするだけではなく、企業も日本人も根本的な考え方を変えるべきで、社会保障に消費税を使うことはやめるべきなのです。
年金を「積立式」で運用して増やすものにすれば、税金をつぎ込む必要もなく、今取られている社会保障を半分くらいにだって減らせるはずです。
執筆者:及川幸久