日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【後編】
本日は、「日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【後編】」をお送りいたします。
(広報本部)
日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【後編】
https://www.youtube.com/watch?v=jQMHeuD7jWg
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆「保守」の概念を変えたレーガン大統領
前編では、リベラルの概念が変わったことを述べましたが、その対立軸にある保守の概念も変わってきました。
それは1980年代、共和党のロナルド・レーガン大統領の時です。
この時に、「保守は、小さな政府」という理念を打ち出します。当時の保守勢力としては、まったく新しい理念でした。
民主党が「大きな政府」であるなら、共和党は「小さな政府」。ここからアメリカの保守、共和党は「小さな政府」を掲げる政党になっていったのです。
ここで共和党が保守で「小さな政府」、民主党がリベラルで「大きな政府」という対立構図が生まれました。
◆「小さな政府」を掲げたサッチャー首相
19世紀のイギリスは保守党と自由党の対立構図でしたが、自由党は、その後小さくなり今は労働党です。今は、保守党と労働党が二大政党です。
保守党が保守で「小さな政府」、労働党がリベラルで「大きな政府」です。
イギリスにおいてアメリカと同じ概念をつくったのがマーガレット・サッチャーです。
サッチャー首相は、レーガン大統領と同じように「小さな政府」を前面に出して、これを具体的な政策にしました。
◆日本の政党の対立軸
日本の政治には、先に説明した通り対立軸はなく、自民党も野党もリベラルです。そして「大きな政府」です。
日本には保守で「小さな政府」にあたる政党がありません。
結局、「大きな政府」は税金を無駄遣いし、お金をばらまくことによって票につなげようとする。そうなると政府にぶら下がる民間の勢力が増えていくわけです。そうして民間の力がそがれていくのです。
経済学者ハイエクは「資本主義の精神」ということを説きました。
「資本主義の精神」とは、「政府にぶら下がるのではなく、自助努力で創意工夫して利益を上げる。この精神があって初めて経済というのは繁栄に向かうのだ」と。
政府がやるべきことは、資本主義の精神を盛り上げることであって、これを削ぐことではない。だから「大きな政府」はいけないと説いたわけです。
その意味で言うと、アメリカのトランプ大統領によって行われている政策は減税によって民間の力を引き出すことにあります。
◆日本的共和党の姿
もしアメリカの共和党を日本に当てはめるとどうなるでしょうか。
アメリカの共和党は共和制を推進しているわけではありません。
日本は御皇室の存在があります。御皇室をヨーロッパの国王と見るべきかどうかは、また別の議論ですが、日本は共和制ではありません。
つまり、御皇室を廃止して日本を共和制にするということではありません。
そうではなく、あくまでも目的は「小さな政府」です。
日本は、保守とリベラルの対立軸で見ると、自民党も野党もリベラルの位置にあり、保守のポジションがありません。
であるならば幸福実現党こそ、保守のポジションに立つべきなのです。
今の日本の国会には、アメリカの共和党にあたる保守政党が空席です。ここがないと本当の意味で日本の政治の中に対立軸ができないのです。
幸福実現党こそ、日本の共和党にあたる。このことを皆様に共有させていただきたいと思います。
執筆者:及川幸久