日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【前編】
本日は、「日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【前編】」をお送りいたします。
(広報本部)
日本、米国、英国 保守とリベラルの違いとは?【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=jQMHeuD7jWg
幸福実現党 外務局長 及川幸久
※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。
◆日本には保守政党がない
今の日本は安倍自民党が出している政策と野党が出している政策にあまり差がなく、対立軸がありません。
政治の対立軸とは、「保守」対「リベラル」で、一番わかりやすいのがアメリカの政党です。
アメリカは、共和党が保守で、民主党がリベラルになります。
日本では、自民党が保守、野党がリベラルかというとそうではありません。
「最低賃金を上げる」とか、「社会保障」とか、「教育の無償化」とか、野党がやるべきリベラルの政策を自民党がやっています。
結局、日本の政党には対立軸がなく、日本にはアメリカの共和党のような保守政党がないのです。
◆保守とリベラルの違い
保守とリベラルの違いは、「国家」と「個人の自由」のどちらに重きを置くかにあります。
この保守とリベラルの違いが出てきたのは19世紀のイギリスの政治からです。
19世紀のイギリスには保守党と自由党という二大政党がありました。
保守党が「保守」、自由党が「リベラル」です。
保守党は、「国家が個人の自由より大事」。国の歴史とか伝統を守ることが大事で、他国から自分の国が攻め込まれたら個人の自由もなくなるので、まず「国家が大事」という考えです。
対する自由党は、「個人の自由が国家よりも大事」。国家によって個人の自由が奪われることは絶対に許さないという考え方です。
◆産業革命で変わったリベラルの概念
しかしリベラルの概念は、時代が進み変わってきました。
イギリスで産業革命が起き自由主義が進んでいく中で、貧富の格差が大きくなりました。その貧しい人たちを救う動きが社会に出てきたのです。ここから「社会主義」が生まれます。
社会主義を簡単に言うと、「個人の自由ではなく平等を重んじる」ということです。そのため貧しい人たちの面倒を政府が見るためには、どうしても「大きな政府」になっていきます。
そして経済は「統制経済」になり、「増税」を行うようになります。これが、社会主義が「大きな政府」になる理由です。
こうしてリベラルの概念は、「個人の自由」ではなく「平等」を重んじる方向に変化したのです。
◆ルーズベルト大統領が変えたリベラルの概念
世界大恐慌のアメリカでは30%を超える人たちが失業者になりました。この時の大統領がフランクリン・ルーズベルトです。
ルーズベルト大統領は民主党ですので、立場としてはリベラルですが、ニューディール政策は、「国家が経済を統制」する典型的な「大きな政府」に向かう社会主義政策です。
この時に、「個人の自由」よりも「国家」が上に行きました。
本来、リベラルは「個人の自由」が大切だったはずですが、ルーズベルト政権の時に、特に貧しい個人を救うために「政府」の方が大事だというふうに変わりました。
これがアメリカのリベラルの概念は変わりました。
(つづく)
執筆者:及川幸久