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中国が3兆円の半導体ファンド新設。米中ハイテク覇権争いは新局面へ

本日は、「中国が3兆円の半導体ファンド新設。米中ハイテク覇権争いは新局面へ」をお送りいたします。

(広報本部)

中国が3兆円の半導体ファンド新設。米中ハイテク覇権争いは新局面へ

https://www.youtube.com/watch?v=mtHwAFRBPAM

幸福実現党 党首 釈量子

※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。

◆「米中ハイテク覇権戦争」は終わらない

昨年3月から始まったのが米中貿易摩擦ですが、米中それぞれが関税をかけ続ける、応酬が続いてきました。

6月の大阪サミット後、閣僚級の話し合いが進み、「第一段階」の合意に至りそうだという報道が出ています。

その内容は、中国が4兆~5兆円(400~500億ドル)の農産物を輸入する代わりに、アメリカは10月に引き上げる予定だった関税を先送りする、というものです。

一見すると、米中の対立は緩和の方向に動いているように見えます。

しかし、あくまで「第一段階」の合意の段階で、「本丸」が控えているわけです。

◆ハイテク分野で世界の覇権を目指す中国

その「本丸」が、AIやロボティクスなどの分野です。

10月25日、中国は約3兆円(290億ドル)規模の「国家半導体ファンド」を新たに設立しました。

5GやIOT、自動運転などの新しい産業、もしくは、高度な軍事作戦を行うためには、最先端の半導体が不可欠です。

ところが中国の技術は、インテルやサムスンに比べて数年遅れていて、中国は、半導体の輸入国だったわけです。

2018年、中国は半導体分野だけで33兆円以上(3120億ドル)を海外から輸入しています。

輸入してきた半導体を、これから設計から製造までを自前でやろうと腹を決めたわけです。

この「国家半導体ファンド」は、国内の半導体を育成し、ハイテク分野で覇権を握るという野望を持っていることがよくわかります。

◆中国への技術流出を防ぐアメリカ

トランプ政権はすでに対抗措置を取っています。

ファーウェイや、AI企業などを次々とブラックリストに入れて、禁輸措置を取り、これには、中国もかなり焦っています。

一例ですが、清華大学が経営する半導体企業「紫光集団」が2015年に、アメリカの半導体大手「マイクロン」を買収しようとしましたが、「CFIUS」が買収を阻止しました。

「CFIUS」(対米外国投資委員会)とは、外国からのアメリカ企業に対する投資が、国の安全保障に影響がないか調べて、規制する政府の組織です。

◆日本の最先端技術

実は、日本にも、中国が欲しくてたまらない最先端技術を持っている企業がたくさんあります。

日本の半導体産業は、1980年代後半に世界シェアの50%以上を占めるほどの勢いでしたが、その後のバブル崩壊もあって、かなりの技術者が、韓国のサムスンにヘッドハンティングされました。

その結果、日本の半導体産業は国際的な競争力を失っていったわけです。

しかし日本は、もう一度巻き返し、半導体の製造装置を作る「半導体製造装置」の分野で世界をリードしています。

ちなみに、2018年は世界トップ15位のなかに、日本企業が7社入っています。日本人の強みである緻密で高度な技術で、国際的な競争力を持っています。

他にも日本には、アメリカの戦闘機に使われている、軽くて丈夫な炭素繊維や電子部品など、数多くの先端技術があります。

◆日本の先端技術を守るためポイント

こうした日本の先端技術を守るために、2つ提言致します。

一つ目は、経済と安全保障を分けて考えてはいけない、ということです。

ノーベル賞の生みの親であるアルフレッド・ノーベルは、「すべての新技術は軍事転用される」と言いました。

蒸気機関から戦艦が生まれ、エンジンから戦闘機が生まれ、インターネットはミサイルに応用されました。今後は、AI技術がAI兵器に転用されるでしょう。

貿易や経済活動は重要ですが、安全保障にも目配りが必要です。

二つ目は、日本への投資について、安全保障の観点から審査する必要があると思います。

アメリカのCFIUS「対米外国投資委員会」を参考に、日本も「外為法改正」で対応を進めていますが、後手に回っているのは間違いありません。

CFIUSは、企業への投資だけではなく、土地などへの投資も審査しています。

沖縄や北海道では中国人による土地の爆買いが問題になっていますが、安全保障の観点から、アメリカと同じように審査する仕組みを構築すべきです。

日本も国際競争の中で勝ち残っていくためには、現在の最先端技術を守りつつ、研究開発にもっと力を入れ、新しい技術を開発しなくてはなりません。

webstaff

執筆者:webstaff

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