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なぜ増税しても財源が足りないのか?【前編】

本日は、「なぜ増税しても財源が足りないのか?【前編】」をお送りいたします。

(広報本部)

なぜ増税しても財源が足りないのか?【前編】

https://www.youtube.com/watch?v=7am60ZTUV8s

幸福実現党 外務局長 及川幸久

※下記は要約したものです。詳しくは上記の映像をご覧下さい。

◆「税収の推移」からわかること

下記は、財務省のホームページに出ている税収の推移です。

一般会計税収の推移(財務省)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/010.pdf

30年前、日本の税収は60兆円ありました。しかしバブルがはじけた後、民主党政権の時代には38兆円ぐらいまで減りました。

その後、自民党に政権が戻ってから、昨年、約30年ぶりに税収が60兆円を超え、過去最高になったのです。

この税収の内訳を見ると非常に面白い特徴があります。

「30年前の税収60兆円」と「昨年の税収60兆円」は、金額としては一緒です。ただし内訳が全く違います。

30年前の税収60兆円は所得税と法人税で稼いでいました。消費税の税収はせいぜい3兆円、4兆円でした。

所得税の税収は、30年前は26兆円でしたが、今は20兆円を切っています。端的に言えば「日本人全体が貧乏になった」ということです。

法人税の税収は、30年前は19兆円でしたが、今は12兆円です。

バブルが崩壊して30年も経っているのに企業の納税額が下がっているということは、日本の「産業界全体も貧乏になった」ということです。

しかし唯一上がったのが消費税の税収です。

消費税の税収は、30年前はわずか3兆円、4兆円でしたが、今や20兆円です。今の日本の税収の稼ぎ頭と言ってもいいのが消費税です。

結局、「30年前の税収60兆円」と「昨年の税収60兆円」は、税収としては全く一緒ですが、個人と企業は貧しくなり、強制的に取られている消費税の税収で帳尻が合っているだけです。

税収は戻ったけれども日本経済は全然戻ってない、これをまず認識しなければいけないと思います。

もちろん法人税は減税されていますが、「減税されたから法人税の税収が減った」と、必ずしも原因結果の法則では言えません。法人税の税収が下がったのは確かです。

◆与党も野党も「増税」

消費増税に反対している人たちは大企業と金持ち優遇ではないかと批判しています。

この消費増税に反対している人たちの主張は次のようなものです。

「消費税を少なくとも5%に減税せよ」

「そして、法人税を増税すべきである」

しかし法人税を増税しても効果がありません。実際には労働者の賃金が下がるだけです。

なぜなら、税率が上がった分を企業の経営者は、社員の人件費カットで対応しようとするからです。

野党の「消費税の減税」は個人的には賛成ですが、しかし「法人税の増税」には賛成しかねます。

結局は、実際にはどちらも増税だということです。

◆政府による国民の奴隷化

前回も説明しましたが、政府にお金を与えたら、それを補助金に使って、結局自分たちの天下りのために利用するだけです。

政府が使えるお金は逆に限定して、税金を無駄遣いさせないということが「小さな政府」の発想です。

この「小さな政府」を提唱していた方が、ノーベル経済学賞を受賞したフリードリヒ・ハイエクで、代表的な著作が『隷従への道』です。

『隷従への道』とは「奴隷になる道」のことで、ハイエクは次のように言っています。

「政府による計画の行き過ぎは政府の権力を増大させる。その権力が経済を支配すると自由が失われ、人は奴隷と化してしまう」

そして、「経済を強くするには、国家はできるだけ規制や干渉をすべきではない」と提唱しています。

国家の権力が強くなってしまうと、経済に口出しをし始め、例えば民間の企業の経営者に対して「社員の働く時間は週何時間にしろ」とか、「何曜日は何時にみんな帰せ」だとか、経営者が決めるべきことを政府が決め始めるわけです。

その結果、その国の経済は確実に弱くなります。経済を強くするためには政府はできるだけ規制や干渉をすべきではありません。

(つづく)

及川幸久

執筆者:及川幸久

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