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中国で広がりつつある「墨汁革命」とは何か?

http://hrp-newsfile.jp/2018/3419/

幸福実現党 小鮒将人

■日本人には中々分からない「自由」のありがたみ

中国は、公然と政治体制の批判をする自由が無い国です。

日本では、毎週、国会議事堂の前で安倍内閣批判の集会が行われ、終了後は普通に帰宅することができます。

しかし、中国では天安門広場の前で、習近平批判の活動を行うと、直ちに公安警察がやってきて拘束され、やがて中国の法律に基づき、厳しい罰則が与えられる事になります。

戦後、毛沢東が共産主義的国家を建設して以来、中国には、こうした言論の自由がなく、政治的な体制批判は常に隠れた所か、海外で行われてきました。

劉暁波氏は「零八憲章」を通じて、共産党一党独裁の終結、人権状況の改善などを訴えた事が評価され、ノーベル平和賞を受賞しました。しかし、中国政府に軟禁された劉暁波氏は、残念なことに昨年61歳の若さで病没しました。

私たち日本人にとって、当たり前にように感じている「自由」という事が、隣国では禁じられているのです。

逆に言うと、日本人には、空気のように与えられている「自由」のありがたみが良く理解されていないのではないか、と思います。

■習近平の軍事独裁体制への批判が起き始めている

現国家主席である習近平氏は、今年3月、中国の国家主席の任期を撤廃し、終身制も可能とする事を目的として、憲法を改正しました。

習近平体制になってから、中国は、南シナ海に人工島をつくり軍事拠点化を進めるなど、元々持っていた覇権主義の考えを一層表面化させています。

我が国にとっても、この体制が長期間継続するということになると、国防上の観点からも重要な事でありますが、中国の国内でもいわゆる長老たちから批判の声が上がっているようです。

ちょうど、毎年夏の時期に合わせて、避暑地として知られている「北戴河(ほくたいが)」で開催されている「北戴河会議」が近づいています。

この会議は、習近平をはじめとする現執行部と、長老たちによる意見交換会の性質も持っており、ここで長老たちが、国家主席の任期撤廃について、批判が行われるのではないか、と言われています。

元々、国家主席の任期は10年と定められ、鄧小平以来の江沢民氏、胡錦濤氏は、それぞれ10年の任期後に、政権を渡してきましたが、習近平体制で半ば終身制の形になる事に、違和感を持ったのかもしれません。

通常は、こうした話が公然と出ることは少ないのですが、これも、習近平の行き過ぎた軍事独裁政治への批判が強まっている証拠だと思われます。

■一人の女性の勇気が世界を変えるか?

 
こうした習近平独裁体制に対する批判が、通常あり得ない、一般市民、それも一人の女性からTwitterの映像を通じて全世界に配信されました。
 
そのネット上の映像では、一人の女性が、習近平への批判を述べた後、その背後の壁に掲示されていた習近平のポスターに向けて、手に持っていた墨汁をかけ、習近平の顔が醜く、真っ黒に染まり、明確な体制批判と分かるパフォーマンスを行いました。

日本で安倍総理のポスターに墨汁をかける事は、中国同様に犯罪にはなりますが、身柄を拘束されることはありません。

中国のこの女性は、そのパフォーマンスを行った後、直ちにその現場にいた公安警察に拘束され、現在はどこにいるのか、全く分からない情況になってしまいました。また、彼女のTwitterのアカウントは削除されてしまいました。
 
しかし、その女性の勇気ある活動が、中国国内ははじめ、全世界に広がっています。今まで、押さえつけられてきた中国の国民が、立ち上がろうとしています。

これは、現時点ではネット上での活動にとどまっていますが、すでに「墨汁革命」として、全世界に広がっています。

皆さまも、ネットで「墨汁革命」で検索して頂ければ、その詳細をご覧いただける事と思います。

■中国にも真の自由と民主主義を!

「墨汁革命」をきっかけに立ち上がった中国の方々に対し、見殺しにする事なく、支援の声を上げることが大切ではないでしょうか。

中国国内には、多くの自由を求めている人達がいます。香港での雨傘革命もその一つですが、今回は、一人の女性の勇気ある行動から、同様の動きが始まろうとしている事を伝えさせていただきました。

残念ながら、この女性は現在も拘束されたまま、生死も明らかになっていない状態が続いています。これが、我が国の隣国の実情であることをしっかりと認識し、人権の大切さを訴えていくことも大切であります。
 
幸福実現党は、こうした自由の大切さを訴え続けて参りましたし、今後も中国・北朝鮮といった、東アジアの自由と民主、そして信仰を推進すべく、言論活動を展開して参ります。

皆さまご支援を心よりお願い申し上げます。

こぶな 将人

執筆者:こぶな 将人

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