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「リニア常磐新幹線」の整備で福島の本格的な復興を

幸福実現党・広報スタッフ 佐々木勝浩

◆福島の復興は始まったばかり

東日本大震災・福島第一原発事故から6年が経ち、福島県の被災地の復興が少しずつ進んでいます。

2017年3月31日には飯館村・川俣町・浪江町で、4月1日には富岡町で避難指示が解除され、帰還困難区域を除くほとんどの地域で住民が帰還できるようになります。

幸福実現党は以前から、福島の放射線量は安全なレベルであり、安全性が確認された地域の避難指示をできるだけ早く解除すべきであると訴えてきました。

しかし、生活の基盤や公共サービスが整わない段階で避難指示を解除しても、住民の帰還が進まないため、避難指示解除が遅れた事情も理解できます。

福島県では、現在でも8万人近い方が県内外で避難生活を続けており(※1)、本格的な復興には程遠い状況です。

◆国が進める「福島イノベーション・コースト構想」

被災地の本格的な復興を目指す支援策の一つとして、政府は「福島イノベーション・コースト構想」を推進しています(※2)。

同構想は、福島浜通り地域にロボット、廃炉、新エネルギー、先進医療、スマート農業などの研究開発型の新産業を誘致し、国際的な未来産業エリアとして整備するもので、福島復興再生特別措置法で法定計画に位置付けられることが決まっています(※3)。

もともと日本の強みでもあるロボット技術は、危険な廃炉作業を進めるために不可欠であることから、県はロボット産業の育成・強化に注力し、同構想に基づくロボットテストフィールドを南相馬市に建設しています。

また、日本原子力研究開発機構(JAEA)は、楢葉町に遠隔技術開発センターを建設し、福島第一原発を模擬した巨大な建物の中で、ロボットによる廃炉作業の研究開発と実証を行っています。

廃炉で生まれた高度な要素技術は他分野のさまざまな場面に展開され、日本の産業競争力を飛躍的に高めるとともに、国民の生活を大きく変えることが期待されています。

◆福島浜通り地域を劇的に変える「リニア常磐新幹線」

しかし、このような新産業の立地を進めるうえで最大の障害となるのが、交通の便の悪さです。浜通り地域には新幹線が通っておらず、建設中の研究開発拠点にアクセスするには、東京から3、4時間を要します。

これでは、残念ながら大都市近郊や新幹線が通る他の地方に見劣りし、浜通り地域への進出をためらう企業もあることでしょう。

幸福実現党は、リニア新幹線の全国整備による「第二国土軸」の形成、すなわち、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・四国・大分・福岡をリニア新幹線で結び、ヒトとモノの移動時間を縮める「交通革命」を起こすとともに、現在の新幹線のルートを多重化して災害に強い国土をつくることを提案しています(※4)。

これにより、東京都心と札幌・福岡の各都心を2時間~2時間半程度で移動できるようになり、日本の各都市が強力に結び付いて、高い経済成長を遂げることが期待されます。

 

幸福実現党 新幹線網改定案

 

このうち、東京・つくば・水戸・いわき・仙台を結ぶ「リニア常磐新幹線」を整備すれば、東京駅からいわき市への所要時間は、各駅停車型で約43分、速達型で約27分と、大幅に短縮されます(※5)。

いわき市から在来線や高速バスに乗れば、浜通り地域は東京駅から1~2時間程度でアクセスできる交通至便の地となります。

また、仮にいわきと仙台の中間である南相馬市にも駅を設置すれば、1時間半程度で浜通りの各地に到達できます。

浜通り地域には美しい海を望む緑豊かな丘陵地が多く、本来はとても住みやすい場所です。

したがって、「福島イノベーション・コースト構想」によって未来産業を誘致し、「リニア常磐新幹線」によってアクセスを抜本的に強化すれば、浜通り地域は、理想的な居住環境を備えた未来産業エリアとして生まれ変わることは間違いありません。

 

幸福実現党 福島イノベーション・コースト構想とリニア常磐新幹線

 

なお、「リニア常磐新幹線」(東京・仙台間)の建設費は約4兆円と試算され(※6)、中央新幹線(品川・名古屋間)の建設費約4兆円(※7)と同程度になると見込まれます。

◆地域内の道路交通も大幅な拡充を

ただ、国土の骨格となるリニア新幹線の整備だけでは解決しない問題もあります。浜通り地域では道路網が十分に整備されておらず、日常的に渋滞が発生しています。

2015年に全線開通した常磐自動車道は、いわき中央IC~亘理IC間が暫定2車線区間(一部の4車線化は認可済み)であり、渋滞が発生しやすく、高速道路として十分に機能していないのが実情です。渋滞緩和と事故防止のため、全線を速やかに4車線化する必要があります。

また、住民の生活道路となっている国道6号についても、供用済みのバイパスの暫定2車線区間を早期に4車線化するとともに、2車線の現道を拡幅またはバイパス化することによって、全線で4車線を確保すべきです。

◆福島は新しいフロンティア

福島は無限の発展の可能性を秘めた「フロンティア」であり、その底力を引き出すのが幸福実現党の政策です。

幸福実現党は、浜通り地域における未来産業の立地促進や、なりわいの再構築とともに、「リニア常磐新幹線」の整備による抜本的なアクセスの強化、地域内の道路網の大幅な拡充等による、本格的な福島の復興を訴えてまいります。

※1 福島県 避難区域の状況・被災者支援(http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list271.html)によると、2017年3月現在の避難者は77,283人。
※2 経済産業省 イノベーション・コースト構想推進会議(第8回)配布資料(http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu/committee/innovation/coast/2017/0211_01.html
※3 復興庁 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案について(平成29年2月10日閣議決定)(http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20170208104011.html
※4 幸福実現党 『日本ファースト123の政策』(新幹線網改定案23頁)
http://publications.hr-party.jp/files/policy/2017/003/origin/all.pdf
※5 中央新幹線の計画に基づき幸福実現党が試算。
※6 想定ルート・延長と中央新幹線の設計断面より幸福実現党が試算。車両費を除く。
※7 国土交通省 中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)の認可について(http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo09_hh_000049.html

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党 広報本部スタッフ

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