このエントリーをはてなブックマークに追加

続・日露国交回復60周年フォーラム「大転換時代の日本」 モスクワ現地レポート(2)

■「THE FACT」放映
里村英一専務理事 × 神武桜子副党首
「幸福実現党 神武桜子副党首がロシアでスピーチ」
https://info.hr-party.jp/2017/4082/

◆ロシアのテーマは『孤立からの脱却』

「ロシアにとっては『孤立からの脱却』というテーマがあります」とも語っていました。

里村: ロシアにとっては一番痛いところは孤立化ですからね。経済も天然資源以外になかなか決定打がありません。

その辺で日本から大技を掛けていって、その流れで領土問題等も解決されていくべきだと、私なんかは思っていますが。

神武: そのとおりですね。最近では、中国とロシアが接近しているという報道が出ています。ですが、パノフ氏は、「それはアメリカへのシグナルなのだ」と。

ロシア側の軍事専門家の方も、「別に中国と信頼関係があるわけではなくて、信頼関係を作っていく段階の一つとして、軍事演習があるのだ」と、「これは他のところへのメッセージなのだ」と言っていました。

里村: そのメッセージを、やはり日本は重く受け止めなきゃいけないですね。ロシアと中国の間に信頼関係ができて、軍事同盟まで結ばれてしまったら、もう日本は勝てませんから。アメリカが一緒にいたとしても危ない。

だから、何としてもロシアと中国の間の関係に、くさびを打ち込まなくてはいけないと思います。

幸福実現党としては、これから特にロシア関係は、どのようにしていこうと。

神武: 安全保障として日米同盟を重視するのは変わらないのですが、トランプ革命が起きて、世界秩序が変わろうとするなか、日本としてはロシアも新しい安全保障のパートナーとしても見ていこうと。

というのも、北朝鮮の核問題について、ロシア側の発表で「簡単に解決できる」ということを示唆していました。

里村: できる感じがしますね。このプーチン大統領であれば、できると思います。

◆新幹線を通してシベリアからモスクワへ

ただ、そこまで持っていくには、神武さんがおっしゃったように、例えば、新幹線でシベリアからモスクワ、そしてパリ、フランスに行くという大動脈を日本から作るとか、それぐらいの技を仕掛けないと。

そうすると、日本からヨーロッパまで船便と鉄道で3週間近くかかるところを、3日で行けますから。

神武: そうですね。滞在中、ロシアのお野菜にトマトとキュウリが多くて。美味しいのですが、物流がよくなれば、日本の高級な果物や野菜を新鮮な状態で届けられると思うと、夢が広がりますね。

里村: 北海道に行って、鉄道や新幹線の大動脈を作ると言うと、非常に喜ばれます。今、JR北海道で不祥事が続いていて、廃線に次ぐ廃線です。

JR東海1社でリニアモーターカーを通すために20兆円のお金を出してやっています。この規模になると、JR北海道だけではもちろん無理なので、国もやるべきです。

それはロシアに対する日本のシグナルになるわけです。「ロシアを大事な国と見ているから、ここまで日本はやりますよ」というところがないと、なかなか信頼関係は難しいですね。

神武: そうですね。

◆信仰深いロシア

神武: また、現地に行って思ったことですが、予想以上に宗教の復活が起きていて、ロシアの方と話しても、とても信仰深い方が多いようでした。

ロシア正教では1月7日がクリスマスなのですが、一緒に話したロシア人で、その時期に断食をするという人がいました。断食といっても、肉やお酒をとらず、お野菜とかを食べるのですが、ストイックに生きて自分の信仰を確かめるのだそうです。宗教的な生活を誰に強制されるわけでもなくやっているのです。

また、クレムリン宮殿近くのお土産さんで、「ホーリー・ロシア(聖なるロシア)」というDVDを売っていました。ロシア正教の歴史についてのDVDなのですが、お土産屋さんのおばさんが、これを指して片言の英語で「Very good」と言っていました。

DVDを見ましたら、「タタールのくびき」と言って、モンゴルがロシアまで支配して時代のことが描かれていました。それを打ち返すときに、モスクワ大公のドミトリー・ドンスコイが、聖人扱いされているロシアの修道士セルギイから力を授かって、モンゴルを打ち返すことができた、国を守るために信仰の力があったと表現されていました。

今後、ロシアと信頼関係を作るためには、ロシアの宗教に対する理解は大切だと思いました。

里村: 先の戦争でのソ連の行いのため、日本ではロシアの人気が今一つなのですが、そうした宗教的な話を聞くと、これからの国家戦略として、日本人がロシアの宗教も含めたいろいろな部分を理解して、そして何か日本から仕掛けていくということが必要だと思います。

神武: クレムリンのすぐそばに、高さ18メートルの大きな十字架を持ったウラジミール大公の像が昨年11月4日にできました。988年にこの方が洗礼を受けてキリスト教の信者となり、キエフ大公国をキリスト教国としたことが、ロシアの始まりとされています。

プーチン氏は、この方がロシアの精神的基盤を築いたと発言しているので、ここからも宗教を基盤に国を整えていくところが見えます。

里村: ぜひ安倍首相や自民党も、ロシアとの外交の重要性をきちんと理解していただきたいですね。幸福実現党にも、ロシア外交を担えるよう、ぜひお願いしたいと思います。

神武: はい。力をつけてまいります。ありがとうございます。

(完)

webstaff

執筆者:webstaff

page top