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安保法制は「戦争法」ではない――3つの視点【前篇】

文/幸福実現党・政務調査会 佐々木勝浩

◆安保法制は「戦争法」ではない

安保法制が可決されてもなお、共産党を中心として、「戦争法廃止」を求める署名活動を展開しています。

しかし安保法制は、「戦争をするための法律」ではありません。その論拠として、今回は「3つの視点」を提示します。

◆ポイント1――安保法制は「戦争法」でなく「戦争抑止法」

安保法制に反対する人々が言うように「日本が二度と戦争をしない国」になっても、中国や北朝鮮は「戦争を放棄しない国」です。

日本が戦争をしたくなくても中国や北朝鮮は戦争を想定していることを忘れてはなりません。

中国は、1970年代に尖閣諸島海域に海底資源があると分かると尖閣諸島を自分達の領土と言い始め、最近は、沖縄も中国のものと言い始めています。

習近平は、2013年に甘粛省蘭州軍区を視察の際に、「部隊は、招集されれば直ちに駆け付け、駆け付ければ戦争できる状態にし、戦えば必ず勝利するよう確保しろ」と指示しています。 (2013年2月7日『解放軍報』)

また北朝鮮は、「東京、大阪、横浜、名古屋、京都の地名をあげて「朝鮮敵視は破滅をもたらす。1940年代の核の惨禍とは較べられない災難を被る」(労働新聞2013年4月10日)と日本の都市を名指しでミサイル攻撃すると言いました。
 
日本は戦争をしたくなくても、戦争を仕掛けてくる国が隣国にあるならば、「戦争にならないために何が必要か」を考えなくてはならないのです。

中国側から見てみましょう。攻めたい相手が一国で、中国より軍事的に弱ければ戦争に勝てます。

しかし、日本を攻めたらその後から軍事大国の米軍も参戦してくるということになれば、中国は簡単に日本を攻撃できなくなります。これが集団的自衛権の持つ「抑止力」の意味です。

ですから安保法制は「戦争をするための法律」ではなく、「戦争を抑止する法律」なのです。

◆ポイント2――安保法制は、「邦人救出法」

今年8月、南北の軍事境界線の韓国側で地雷が爆発し、韓国軍下士官が負傷した事件を機に、北朝鮮と韓国は戦争寸前まで緊張が高まりました。

今回は南北対話で戦争の危機は回避されましたが、現在は休戦状態であり、完全に戦争の危機が回避されたわけではありません。

もし朝鮮半島で有事となれば、韓国には、約3万人の邦人がいます。

もし戦争になれば、韓国の約3万人の邦人を救出しなければなりません。自衛隊の船だけでは救出は無理で、民間の船も出さざるを得ないでしょう。安保法制は、こうした対応にも有効です。

つまり、日本の民間船を出して米国や邦人を救出し、自衛隊と米艦隊が護衛することで3万人を安全に救出することができます。

この点について私は、先日某大学で行われた安保法制に関するシンポジウムの質疑応答で安保法制反対派である日本共産党の衆議院議員に、朝鮮半島で有事になった際、どうやって邦人を救出するのか質問をしました。

答えは驚くべきことに「民間が救出に向かい解決すると法律で決まっています」と平然と答えたのです。これには私も呆れてしましました。

安保法制反対派は、邦人の救出のため民間人を紛争地に丸腰で行かせるのだそうです。「自衛隊を死なせてはならない」が民間人は死んでもいいと言っているようなものです。

ここからも日本共産党の「戦争反対」のスローガンが、日本人の生命は守れない、いかに空しい言葉であるかがわかるでしょう。

過去の教訓として邦人救出に民間を戦争地域に向かわせることはできいことがわかっています。

「イラン・イラクの戦争」の際、1985年、イラクのフセイン大統領は、イラン領空を「戦争空域」と宣言し48時間の猶予期を設け、それ以降はイラン上空を飛ぶ航空機を無差別に攻撃すると声明を発表しました。

イランの在留外国人は一斉に出国しましたが、在留邦人を乗せてくれる飛行機はなかったのです。

日本政府は日本航空にチャーター便の派遣を依頼したのですが、日本航空の労働組合は、組合員の安全が保障されないことを理由に要請を拒絶しました。

日本共産党には支持母体である労働組合を説得して民間人を戦争の地へ派遣していただきたいものです。

結局、イランの在留邦人は、近隣国のトルコが飛行機を飛ばしてくれ、タイムリミットのギリギリのタイミングで在留邦人を救出してくれました。トルコ人は陸路避難を余儀なくされましたが、だれも日本人に文句をいうものはいなかったのです。

ここで詳しいことは述べませんが、トルコがなぜ日本人を救出してくれたかは下記をご覧ください。

参考:映画「海難1890」――12月5日公開!
「日本人が知らない奇跡の実話、なぜあのときトルコは日本を助けてくれたのか」
http://www.kainan1890.jp/

朝鮮半島有事の際に、3万の邦人をどうやって救出するのかを考えれば、安保法制が「戦争をするための法律」ではないことが分かるはずです。

次回、ポイント3――安保法制は、「シーレーン防衛法」であること、「安保法制反対派」は「脱原発派」でもあり、日本を滅ぼす理由でもあることを明らかにします。

(つづく)

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党政務調査会 課長代理

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