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アメリカの撤退を補完し、日本はアジアの平和に責任を持て

文/幸福実現党・山形県本部副代表 城取良太

◆その瞬間は突然やってくる

5月29日、鹿児島県屋久島町の口永良部島で大規模な噴火が発生しました。

現在、噴火活動は停止していますが、噴煙は新岳の火口の上空約1200メートルに達し、噴火による火砕流は火口の西側を中心に全方位に流れ、島全体の約2割の範囲に及んでおり、規模の大きさを伺わせます。

また翌30日には、小笠原冲を震源としたM8.1の地震が起き、震源が682Kmと非常に深かったため、大きな被害は出ませんでしたが、47都道府県全てで震度1以上を観測することは史上初だと言われています。

東日本大震災以降、全国で火山・地震活動が活発化しておりますが、共に正確な予知は難しく、今回も前兆は観測されなかったそうです。

◆ながらく「割れ窓理論」を実践してきたアメリカ

世界的に見ても、このような「天災の頻発」と「軍事的な対立や紛争」が比例的に増加傾向にあるというのは注目すべきことではありますが、両者の最大の違いを挙げるとすると、後者の場合、ある程度の前兆が現れ、事前のきめ細かい対応と配慮によって、未然に防ぐことが出来る点でしょう。

戦後70年間を振り返ってみて、極東はもちろん、世界中でこの役割を担ってきたのは、紛れもないアメリカでありました。

国際社会においては、ソ連との冷戦構造の中で、世界規模で多くの衝突を未然に防ぎ、また賛否両論はつきものでしょうが、冷戦終了後も世界各地での紛争や内乱などの広がりを最少化しようと積極的に介入するアメリカの姿があったことは確かです。

アメリカ国内の治安においても、地道なパトロールや、無賃乗車、窃盗、物乞いといった軽犯罪の取締りなどの警察機能の強化、また割れた窓の修復や落書きの除去など外観保全の強化を徹底して行うことで、90年初頭には世界でも有数の凶悪犯罪都市のひとつであったニューヨークを全米で最も安全な大都市へと激変させた経緯もあります。

まさに、そうした「割れ窓理論」の効用を国内外で実証してきたと言えるでしょう。

◆アメリカの無力さを露呈したアジア安保会議

しかし、先月末シンガポールで行われたアジア安全保障会議の場においては、近年のアメリカの無力さを露呈する結果となりました。

近年、当会議における課題は、南シナ海の南沙諸島での人工基地建設を象徴とした、アジア広域での中国の自分勝手な拡張主義についてですが、軍事力で劣り、対話では中国の海洋進出を止められないASEAN諸国としては、アメリカ頼みは否めませんでした。

その期待に応えて、カーター国防長官は5月31日の演説で「地域における緊張の原因だ」と中国を強く非難し、日本、オーストラリアなどと足並みを揃え、中国への圧力を強める意向を明らかにしました。 

しかし一方、中国の孫副総参謀長は同日、「中国の主権の範囲内の問題だ」と述べ、アメリカに対しては「自らの主観に基づく無責任な発言をするのは控えるべきだ」と一蹴し、更に「軍事防衛の必要を満たすためだ」と軍事利用を前提としている事を堂々と認めました。

この発言から見ても、国際的枠組みを尊重し、対話重視を心がけるオバマ政権は決して強硬な手段を採ることが出来ないと足元を見ている中国の思惑が覗えます。

◆アジア諸国の期待に応える安保法制実現を!

先月行われたNPT再検討会議の決裂は記憶に新しいところですが、イラン核開発の6か国協議も然り、こうした国連型の国際協調主義における対話路線は機能不全を起こしていることは明らかです。

むしろ「無秩序」を生もうとする勢力の時間稼ぎにしかなりえない事をもっと認識するべきです。

そんな中、ASEAN諸国でも、最も中国の軍事的拡張に危機感を募らせているフィリピン・アキノ大統領は今週訪日し、安倍首相との会談、国会での演説を行い、経済、安全保障での相互協力の重要性を訴えることとなっており、日本への期待感の強さを感じさせます。

また、これはフィリピン一国ではなく、ベトナムやマレーシアなど、他のASEAN諸国民広くの共通の考えであり、我々はその期待に応える責任を負うべき時が眼前に迫っていると自覚すべきです。

今国会においても、安保法制の前進が「戦争を招く」といった議論が横行しておりますが、そうした中国の肩を持つような左翼政治家の亡国的言説に負けず、大改革を成し遂げることで、退潮傾向にあるアメリカとの同盟関係を最適化し、中国による新帝国主義の脅威からアジア諸国を解放させる、戦後70周年に相応しい日本の安保法制が実現できるのです。

しろとり 良太

執筆者:しろとり 良太

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