日本の常任理事国入りを実現するために
文/幸福実現党・千葉県本部副代表 古川裕三
◆安倍首相の演説
16日、安倍首相は国連の70周年記念行事で演説し、「日本はひとつひとつ、実績を積み上げてきた静かな誇り胸に、常任理事国の役割を引き受ける用意があります」と常任理事国入りに改めて意欲を示すとともに、国連改革の必要性について訴えました。
また、演説では、国連分担金、PKO分担金の累計は200億ドル、開発援助の実績は3249億ドルにも上る点も強調し、日本の貢献をアピールしています。
◆敵国条項をまず削除せよ
国連改革でまず必要なのは、国連憲章における敵国条項の削除です。
国際連合とは、あくまで日本語訳であり、英訳では「連合国」です。つまり、第二次世界大戦の戦勝国による連合であり、未だに国連憲章の53条および107条にある敵国条項は存在しています。
つまり敗戦国である日本もドイツも、この敵国条項がある限りは常任理事国に入ることができません。
1994年11月の国連総会第6委員会では、旧敵国条項削除を憲章改正特別委員会に求める決議が採択され、95年12月の国連総会において「53条と107条の国連憲章からの削除を求める決議」が採択されたものの正式な手続きまでには及んでいません。
53条1項後段では、「連合国の敵国」だった国が侵略を再現する行動などを起こした場合、安保理の許可なしに軍事制裁を課すことが容認されています。
また、107条では、旧敵国の行動に対して責任を負う政府が戦争後の過渡的期間の間に行った休戦・降伏・占領などの戦後措置などは憲章によって無効化されないと規定されています。
この条項の問題点は、敵国がいつ、どのような状態になれば敵国ではなくなるのかが明記されていない点であり、かつまた、旧敵国との紛争については平和的に解決する義務すらない、という点にあります。
◆敵国条項を利用する中国
一方で常任理事国である中国は、この敵国条項を上手に利用し、自らの「侵略行為」を正当化させています。
例えば、民主党政権下、沖縄県・尖閣諸島を国有化した際、中国は「日本は中国への侵略をおこなっている」だとか、「日本の行動は、戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」などと主張しました。
ただし、78年に締結された日中平和友好条約第1条第2項には「日中双方は、国連憲章の原則に基づいて、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力または武力による威嚇に訴えないことを確認する」と規定されています。
つまり、日中関係において、中国は日本を敵国条項の適用除外をしているはずなのです。
そうであるにもかかわらず、中国は軍事拡張路線の一途をたどり、日本への武力による威嚇行為を続けています。いつ友好条約のこの条文は反故にされたのでしょうか。
◆日本はもっと交渉力を上げよ
この中国の「中華思想」という名の「自己中心主義」に対して、ある明治維新の立役者は歯に衣を着せずに正論を述べています。
『「君らは汚ねえぞ。拒否権を発動する以上、それだけのペナルティをちゃんと払わんかい!金を払わんなら常任理事国を降りい!」っちゅうて、やっぱり、そのくらい怒鳴りこまんといかんな。それで言うことをきかんのなら、「うちの(国連分担金の)シェアを落とさせてもらいます」言うて、国連を、ちょっと揺さぶってもええんと違うか。』
(『坂本龍馬 天下を斬る!~日本を救う維新の気概』 大川隆法著)
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=815
さすがは、人並み外れた発想力と構想力で日本犬猿の仲だった薩摩藩と長州藩を結び付けた「交渉力」をお持ちの龍馬先生の発言は違います。
今回の安倍首相の演説は、確かに歴代の総理に比べれば「踏み込んだ内容」なのかもしれませんが、一方で「先の大戦への反省の弁」も述べていますので、やはりどこか「弱い」のです。
戦後70年にわたる戦後体制の「殻」をぶち破るには、はっきり言うべきことを言うことです。戦勝国側にとって都合のよい体制維持は、必ずしも国際正義にかなったものではないということを、日本は堂々と発言すべきです。
私たち宗教政党には「恐れるもの」がありませんので、アメリカや、中国相手に堂々と交渉することができます。
幸福実現党は、戦後失われた日本の尊厳を取り戻し、日本の常任理事国入りを実現させ、自由と宗教的寛容の精神を武器として、世界の恒久平和と繁栄に貢献してまいります。