東京都知事選挙――オリンピックをきっかけに未来都市建設を目指せ!
文/HS政経塾第2期生 曽我周作
◆都知事選は「脱原発」を争点にして良いのか
1月19日に沖縄県名護市で名護市長選挙が行われ現職の稲嶺進氏が再選されました。この結果が普天間基地の辺野古への移設問題にどのような影響を及ぼすのか、または及ぼさないか非常に気になることです。
一方、1月23日から東京都知事選が始まります。今一部マスコミが「脱原発」を単独争点化しようとしています。
しかし明らかに国家としての根幹の問題である「安全保障」が名護市長選で、国家の経済を支える「エネルギー政策」が東京都知事選の地方選挙の結果に左右されかねない事自体がおかしいと思います。
小泉元首相とタッグを組み「脱原発」を掲げて都知事選出馬を表明した細川元首相は、「22日夕に記者会見を開き、具体的な政策を公表することになりました。
「脱原発については、『原発の再稼働を認めない』とする方針を固めた」
(1/18朝日http://www.asahi.com/articles/ASG1L4FDCG1LUTIL00S.html)
と報道されていますが、細川氏は14日に都知事選への出馬を表明した際「原発の問題は国の存亡にかかわる」と発言し、小泉氏も「原発の問題で共感できる点がたくさんあった」として細川氏を支援する意向を表明しています。
◆弊党が考える「国家の存亡にかかわる問題」の真の意味
確かに「原発の問題は国の存亡にかかわる」というのはその通りでしょう。我が党は大震災以降「原発は日本において必要である」との立場をとり続けたのも「今すぐに原発を全てやめて脱原発路線をとることは、我が国の存亡にかかわる」と判断したからです。
しかし、細川氏も「国の存亡にかかわる」問題に取り組むというのなら、都知事選ではなく国政選挙に出馬すべきです。
地方自治法の第1条の2に「国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動…その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として…」とあります。
つまり地方自治法では細川氏らの言う「国家の存亡にかかわる」問題は国が取り組むということが明記されており、細川氏、および支援する小泉氏は、「国家の存亡にかかわる問題」に取り組みたいのなら、ともに国政を目指すべきであることはあきらかです。
いくら「原発の再稼働を認めない」と言っても、そもそも原発立地場所ですらない東京都の知事にそのような権限は無いはずです。
◆オリンピックをきっかけに未来都市建設を目指せ」
今のところ「脱原発」しか公約がはっきりしない細川氏においては、今「東京オリンピック」についても「安倍晋三首相が『オリンピックは原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価が格段に違ったものになっていた」と発言したことが問題視されています。
もしそんなことを言えば、福島の風評被害を全世界に対して日本国政府がばら撒くことになり、とんでもないことです。
さらに「東京佐川急便からの1億円借り入れ問題の説明の仕方に苦慮しているとみられる」と言われています。
「佐川急便からの借入金問題について『昔の話であり、みそぎは済んだ』」
(1/16産経http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140116/stt14011621050004-n1.htm)
この問題で首相を退き、いまだ説明が不十分であると言われているにも関わらず、徳洲会から5000万円を受け取った問題で辞職した猪瀬前知事の後任に立候補するということ自体に、違和感を感じます。
いずれにせよ、多くの日本国民が歓喜した2020年東京オリンピック開催に向けて東京都政を推し進め、オリンピックを大成功させようという情熱と、実務能力を伴った候補者が東京都知事に選ばれることを期待したいと思います。
私もHS政経塾での研究で「いかに東京都の都市開発を進めるか」を研究しているものとして、有意義な提言をし、輝く未来都市建設を目指し精進して参ります。