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中国の秘められたる脅威の軍事力――「サイバー攻撃」に備えよ!

平行線をたどった米中首脳会談

6月7~8日に行われた米中首脳会談では、米国側は最大のテーマが「サイバー攻撃」となると事前に発表していました。

米国は最近の米国等に対する大規模な「サイバー攻撃」の発信源が中国であり、中国人民解放軍がそれに深く関わっていることを突き止めていたからです。(2/20 日経「サイバー攻撃で米中緊張 中国当局の関与疑う」)

しかし、米中首脳会談では、「サイバー攻撃」に対する問題解決が進展しなかったと分析されています。

米大手シンクタンクAEIのオースリン研究員は「習氏は中国によるサイバー攻撃について何ら言及せず、南、東シナ海問題など海洋安保についても、東南アジア諸国など関係国が求める多国間での枠組みでの解決に言及しなかった」と指摘しています。(6/13 産経「冷めた見方目立った米メディア」)

また、「リグネット」(元CIAの専門家達が結成した安全保障の調査、分析の組織)は6月10日、米中首脳会談を踏まえて、「米中首脳会談はサイバー攻撃に関する前進を得ることに失敗した」というタイトルの報告を作成しています。(6/12 JBPRESS「『サイバー攻撃』問題提起も成果なし、米国内で『米中首脳会談は大失敗』との声」)

「サイバー戦」とは何か?

米国が強く懸念を表明している「サイバー攻撃」または「サイバー戦」とは一体何でしょうか?

「サイバー戦」とは、「サイバー・スペース(コンピュータやインターネット上の仮想空間)」を舞台とする戦争のことで、IT革命が起こって間もない2000年代から使われ出した言葉です。

「サイバー攻撃」とは、サイバー・スペースにおける攻撃を指し、現実世界にも致命的な影響をもたらします。

当初、「サイバー戦」はそれほど重大視されていませんでしたが、現在は「国家の安全保障の根本を揺るがす脅威」として認識されています。

日本の官公庁や企業も日夜サイバー攻撃を受けており、日本のサイバー防衛は脆弱です。

本格的な「サイバー戦」を仕掛けられれば、通信、電力、石油、ガス、水道、鉄道等の重要インフラの停止・混乱・重大事故等が起きたり、政府や自衛隊等が機能不全に陥ることは避けられません。

脅威の「サイバー攻撃」シミュレーション

米空軍は10年以上前から、サイバー戦と宇宙戦が戦争を含めた国際関係にどのような影響を与えるのかを演習によって探ってきました。

米空軍宇宙軍団が隔年で行なっている、サイバー戦・宇宙戦演習「シュリーバー」は、2010年、中国を仮想敵としたシナリオを訓練しました。

シナリオは、中国がサイバー攻撃と軍事衛星に対する攻撃によって先制する形で戦争が勃発した場合、中国が戦争の主導権を握り、アメリカは結局、戦争に敗北するという結果が出ました。

更に、サイバー攻撃によって、インフラが回復不可能なまでに破壊され、終戦後も、戦争の惨禍が民間にまで及ぶことまで判明しています。

サイバー戦にこのような効果があることは、中国首脳や軍事当局も熟知しています。

サイバー戦で決着を着けることを狙う中国

中国が米軍に対するサイバー攻撃を仕掛けている決定的証拠は、2012年12月、幸福実現党の大川隆法総裁が中国の周恩来元首相の霊を招霊した際に、周恩来霊がふと口をついた次の言葉に顕著に表れています。(大川隆法著『周恩来の予言』幸福の科学出版)

「サイバー攻撃も、そうとう部隊を大きくして、本格的にやっています。『アメリカ中の先端機器が使えない』という状態にすることを、今、研究しているんです。」

「向こうは、そういう技術を民間がかなり持っていますが、中国の場合は、もう全部国家が絡んでいて、国家命令で動きますからね。だから、まあ、日本もやられますけども、アメリカも、コンピュータ系を全部潰していけば、基本的に戦えなくなりますね。」

ここで語られている内容は、まさしく米軍が「シュリーバー2010」の演習で確認したことと一致しています。

更に、周恩来霊は「核戦争まで行く前に、サイバー戦争で終わってしまう可能性がある」とまで語っており、中国のサイバー戦略が垣間見えます。

本格的「サイバー攻撃」に備えよ!

こうした事態を受け、オバマ政権はサイバー攻撃への報復規定の検討に入っており、米メディアは「国外からの大規模なサイバー攻撃が迫っている場合、大統領が先制攻撃を命令できる権限を交戦規定に盛り込む方針だ」と伝えています。(2/20 日経)

米軍も、周恩来霊の指摘と同じく、サイバー戦によって戦争の端緒が切られた場合、核戦争になる前に戦争が終わると軍事演習で確認しているからです。

このような状態に立ち至っても、日本は未だにサイバー・スペースの防衛策を策定してはいません。

サイバー攻撃対策など日本政府のセキュリティー予算は年間241億円(平成25年度)と、米国の4%にも満たない微々たるものです。(6/10 IT mediaニュース「お粗末な日本のサイバー攻撃対策 予算は米国の4%未満」)

実際、自衛隊には小規模なサイバー戦部隊しか存在せず、警察のサイバー専門の捜査機関の方が戦力としては優秀であると言われています。

幸福実現党は、サイバー・スペースの防衛も視野に入れた国防戦略を固め、皆様の生命、安全、財産を守り抜いて参ります。

(文責・政務調査会長 黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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