このエントリーをはてなブックマークに追加

北朝鮮の先軍政治と日本の国防戦略

◆北朝鮮、兵員30万人削減の意味

北朝鮮は、今年2月の核実験直前の党中央軍事委員会の拡大会議で「核実験に成功すれば、兵員30万人前後の削減に着手する」との方針を発表しました。(10/23東京新聞「北朝鮮軍、―改革試行?国防費抑制」)

記事では、下記のような内容が報道されています。

(1)  兵力を現在の110万人から80万人まで30万人を削減
(2)  除隊した兵員を農漁業に専従させる―国防費抑制・軍の食料自給がねらい
(3)  核・ミサイル開発を強化し、兵員や旧式兵器を減らす(8月の党軍事委員会拡大会議で決定)
(4)  時速100キロのホバークラフト型、揚陸艦艇を実戦配備

◆北朝鮮がお手本にする中国の核開発

実は北朝鮮の核・ミサイル開発は、中国をお手本にしています。つまり中国の「核・ミサイル開発」をみれば、北朝鮮の核・ミサイル開発が、今後どのような経過をたどるか予想できます。

では、中国の核・ミサイル開発の経過を下記にまとめてみましょう。

(1)1950年代、餓死者が出ても限られた資源を核開発につぎ込む。
(2)1960年代、世界の反発も聞かず核実験を繰り返す。
(3)1970年代、長中距離ミサイル開発、核兵器の小型化・軽量化。
(4)1980年代、西太平洋上にミサイル発射などミサイル発射実験。
(5)1990年代、100万人兵員削減・軍の現代化、兵器輸出や経済の発展を通して外貨を稼ぎ兵器の近代化。
(6)2000年代以降、経済力を背景に他国の追随を許さない軍備拡大へ。

現在の北朝鮮は、(2)~(4)の段階に入っています。北朝鮮は実質的に核保有し、今後も何回かの核実験を繰り返しながら核の小型化・軽量化、核を搭載する中長距離・弾道ミサイル開発・発射実験を繰り返していくでしょう。

◆北の「核・経済建設並進路線」

北朝鮮の軍事戦略のキーワードは、「先軍(軍事優先)政治路線」「核・経済建設並進路線」です。

金正恩は今年2月、3回目の核実験直後の「労働党全員会議」で「核武力建設と経済建設を同時に発展させる政策」を採択、その核心は「小型化された核兵器とその運搬手段」の開発です。(10/24中央日報「【時論】金正恩2年間の統治の3大キーワード」 )

それを裏付けるニュースが下記です。

8/27中央日報「金正恩、労働党中央軍事委員会拡大会議で『先軍革命を促す』」

9/18読売「北朝鮮・寧辺の黒鉛減速炉が再稼働(1年間に核爆弾1個分に相当する6キロのプルトニウム生産が可能)」

10/8日経「北朝鮮はウラン生産など核能力を強化するために原子炉を再稼働」

10/25産経「北の核施設「建設進む」坑道入り口2カ所判明」

10/30朝日「北朝鮮、ミサイル発射台 新たに建設確認」

更に実質的に北朝鮮は、今年から(5)の「核兵器を背景に兵員削減・経済成長を通して更なる兵器開発に資源を投入する」段階に入りました。

11/6朝日「軍事境界近くに経済特区 北朝鮮、外資誘致に懸命」

◆6カ国協議再開か?

そのような中で、中国は、米国に6カ国協議の再開に向けた説得を強めています。これに対して北朝鮮は、「核を先に放棄することはありえない」との声明を出しています(10/30朝日)。また、6日には、ワシントンで北との6カ国協議の再開に向けた日米韓協議を開催すると発表しました。(11/2読売)

しかし、過去2回の6カ国協議が、北朝鮮へのエネルギー支援、食糧支援をしただけで、結局は約束である「核廃絶」を反故にしてきたことをみても、北朝鮮に対話は通じません。

「先軍政治」を政治の中枢に据えた北朝鮮は、「金王朝」が続く限りどんな経済支援をしても「核・ミサイル開発」を止めることは100%ないと断言します。

北の核開発を封じ込めるためには、経済特区に支援せず外貨を稼ぐ道を閉ざし、軍事拡大に注ぎ込む資金を絶つことです。つまり過去に日本がODAで経済支援すれば、中国はまともな国になると見誤った教訓を生かすべきです。

◆日本の対北朝鮮戦略

対北対策として防衛省は、弾道ミサイル迎撃能力を持つイージス艦を10年以内に2隻増やして8隻態勢にする方針を固めました。10年後では遅すぎます。

また本当の安全保障は、撃ってきたミサイルを「どうやって撃ち落すか」ではなく、「どうやったら撃てないようにするか」を考えなければなりません。そのためには、「敵基地先制攻撃能力」を持つことが必要なのです。

つまり北朝鮮からみれば、「ミサイルを撃つぞ」と脅したら、日本から先に平壌を攻撃されるとわかれば、北朝鮮はミサイルを撃てなくなります。それが、「敵基地先制攻撃能力」の威力です。

今すぐにできる具体策としては、日本海の海底に、平壌を攻撃できる巡航ミサイルを搭載した潜水艦を航行させ、外交ルートを通じて「日本はいつでも平壌を攻撃できる準備がある」ことを伝えておくことです。これは、政治家の決断一つで明日からでも出来ます。(文責・政務調査会 佐々木勝浩)

佐々木 勝浩

執筆者:佐々木 勝浩

幸福実現党広報スタッフ 課長代理

page top