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国難、未だ去らず――侵略されつつある日本

この度の衆議院選挙におきましては残念ながら、私ども幸福実現党は当選者を出すに至りませんでした。

支援者の皆様におかれましては衆議院選挙を共に戦って頂き、ただならぬご尽力を頂きながら、結果を出せなかったことを深くお詫び申し上げます。

幸福実現党は「国防強化」「脱原発批判」で世論をリードし、民主党、日本未来の党の大敗に繋がりましたが、弊党への票に繋がらなかったことを深く反省すると共に、候補者一同、今回の教訓を糧に、広く有権者に投票して頂けるだけの信頼と実績を積んでいく覚悟でございます。今後ともご指導ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

幸福実現党は今回の選挙を「救国選挙」と位置づけましたが、まさしく、私達が訴えて来た通り、選挙期間中に「国難」が次々と日本に襲いかかって来ました。

12日には、北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルを発射しました。失敗に終わった4月に続いて今年2回目のミサイル発射となります。

日米韓政府は「国連安全保障理事会決議違反に当たる」として強く中止を要求していましたが、北朝鮮側は発射を強行しました。

アメリカ本土の防空を担当する北米航空宇宙防衛司令部は、北朝鮮のミサイルは何らかの物体を投入したと発表しています。

北朝鮮の人工衛星とみられる物体は「極軌道」に投入され、軌道を周回していることが判明しています。(12/13 中国新聞「『人工衛星』軌道を周回 北朝鮮ミサイル、米軍当局が確認」)

「極軌道」とは、人工衛星等が地球などの天体の極の上空やその付近を通る軌道のことで、地球観測衛星がこの軌道に投入されます。

極軌道への物体投入の成功は、地球観測衛星を軍事的に利用した偵察衛星の配備など、北朝鮮が「宇宙空間の軍事利用」を進めていく可能性が強くなったことを意味します。

また、北朝鮮が極軌道への物体投入の成功したことは、アメリカ本土への攻撃が可能になると同時に、日本にとっても北朝鮮の脅威が増大することを意味します。

従来、北朝鮮のミサイルは「命中精度」に問題があるとされていますが、北朝鮮が極軌道に物体投入を行う能力を保有したということは、日本を狙う中距離弾道ミサイルの「命中精度」が向上したことを意味します。

また、今回の北朝鮮のミサイル発射では、前日に「解体している」という情報が韓国経由で流れ、周辺国の気が緩んだ隙を北朝鮮側が突く形で実験が行われました。

日本政府は独自の情報活動(インテリジェンス)の不備により、情報を収集できず、韓国とアメリカに情報収集を依存している実態が露呈しました。

幸福実現党は、日本独自の情報収集衛星(偵察衛星)や弾道ミサイル発射を探知する早期警戒衛星等の増勢をはじめとする情報収集と評価の体制を早急に強化し、他国に依存している情報活動を早急に改めて参ります。

更に13日、日本が北朝鮮のミサイル発射で大揺れになっている時期に、中国国家海洋局の航空機が領空を侵犯するという事態が発生しました。

防衛省は航空自衛隊のF-15戦闘機を緊急発進させ、領空侵犯に対処しましたが、ここでも航空自衛隊が南西諸島で運用しているレーダーサイトが侵犯機を探知できなかったという恥ずかしい失態がありました。

尖閣諸島などの島嶼防衛については、「海の守り」と「空の守り」を固めることが最大の防衛戦略であることは、1982年のフォークランド紛争等の数多くの戦史研究からも証明されています。

今回の問題は、日本の空の守りに不備があることを証明した形となりました。この事実を重く受け止め、政府は南西諸島における警戒監視体制を早急に見直すべきです。

今後、中国は沖縄本島などに電子戦機などを接近させ、レーダーサイトの電波情報を収集し、日本の防空体制の不備を明らかにすることを目論む可能性があります。こうなれば、更に南西諸島の空の守りが有名無実になります。

今回、日本は中国機の領空侵犯を許しました。今回は国家海洋局の所有機でしたが、次は中国空軍機が侵犯機となることは火を見るよりも明らかです。

領空侵犯について、米シンクタンクは「中国側による尖閣統治の誇示を狙った本格的な挑戦の開始であり、日本が反撃の行動を取らないと尖閣放棄にもつながる」という見解を表明しています。(12/15 産経「中国機の領空侵犯『本格的な挑戦を開始』米専門家が警鐘」)

また、中国の国際情報紙「環球時報」は14日付の社説で、領空侵犯について「海空両面からの巡航の常態化に向けたスタートだ」と主張しています。(12/15 「中国外相『対日闘争続ける』  領空侵犯常態化を宣言」⇒http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20121215/frn1212151459001-n1.htm

14日には、中国の楊外相が「断固として日本と闘争を行う」と表明するなど、海空両面からの侵入常態化と島への上陸を視野に動き始めました。(同上)

国難はもう目前まで迫っています。南西諸島の防衛体制は言うに及ばず、今こそ日本を守る決断をなすべきです。

「国難、未だ去らず」――幸福実現党は今後とも国難から日本を守り抜くべく、全力を尽くして戦って参ります。今後ともご指導ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
(文責・黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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