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世界の視線は中東へ。試される日本の覚悟。

民主党の代表再選を果たした野田首相、自民党では安倍元首相が新総裁となり、日本国内でも政治的に大きな動きが続いています。

一方、アメリカでも11月6日の大統領選挙が近づいており、民主党オバマ陣営と共和党ロムニー陣営が火花を散らしています。

アメリカ国内の選挙において何が争点になっているかというと、CBSニュース・ニューヨークタイムズの世論調査によれば(9/8~12)、上位3位は以下のようになっています。(CBS News/New York Times Poll Sept. 8-12, 2012)

1. 経済・雇用(Economy and jobs): 37%
2. 医療(Health care): 11%
3. 財政赤字の削減(Budget deficit/National debt): 4%

もちろん州ごとによって、バラツキはあるのですが、一目でお分かりの通り、アメリカ大統領選挙で今、一番国民に訴えていることは「経済・雇用」です。

日本としてはアメリカの外交政策争点になるのかどうか気になります。

この世論調査以降に、リビアやエジプトなど、中東各地で起きた反米運動によって外交政策もあらたな争点に浮上しつつありますが、その関心の先は、あくまで中東です。

それを象徴するのが、現在開催中の国連総会でのオバマ大統領の演説です。

11月の大統領選挙前に最後の主要な国際会議・国連総会で、9月25日(日本時間26日未明)のオバマ大統領の演説は「演説のほぼ全てを中東での問題に割り当て、暴力の停止や民主化への支援を改めて強調」という内容でした。(9/26 産経「オバマ大統領の国連演説、中東政策の手詰まり感鮮明に」)

その他にもオバマ大統領の演説では、YouTube映像が中東の騒動のきっかけだとしても、「言論の自由は守られなくてはならない」とも述べており、民主主義における倫理「自由を守る」立場ははっきりと述べられています。(今の日本は、果たしてこのような主張ができるでしょうか?)

この演説は、9月26日のニューヨークタイムズ、ワシントンポストでも一面を飾っています。

特にニューヨークタイムズでは、「オバマ氏の演説は、国連総会に集まった各国のリーダー同じくらい、国内の聴衆に向けてのアピールを意図しているようだった」(9/26ニューヨークタイムズA1)とも書かれており、明らかに大統領選挙を意図していると言えます。

一方、日本の野田首相は、9月26日(日本時間27日未明)の一般討論演説で「沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との対立や韓国との竹島領有権問題を念頭に、領土や海域をめぐる紛争に関し「どのような場合であっても国際法に従い平和的な解決を図る」との立場を表明」しました。(9/27 時事「領土対立、国際法で解決を=尖閣・竹島念頭に国連演説―野田首相」)

CNNでも「Japanese PM takes hardline on China(日本の首相、中国への強硬路線)」として報道されていますが、「国連総会では、中東の問題を中心に取り扱っており、尖閣問題に対しては様子見の状況」という取り上げ方です。

現在の選挙争点の状況を見る限り、尖閣諸島については、中東問題以上にアメリカ国内で取り上げられるまでいかないと思われます。

アメリカのみならず国際社会の目は、中東にシフトしているといえます。

こうした今だからこそ、幸福実現党がかねてから主張している「自分の国を自分で守る」国防政策へと日本は転換していかなくてはなりません。

大川隆法党名誉総裁は、オバマ大統領が就任した2009年から、アメリカの「ジャパナイゼーション(日本化)」が始まると指摘しています。

国民の保険加入を義務づけるオバマ・ケアもひとつの象徴ですが、さらに国防費を削り「アメリカは世界の警察をやめて自国のことに集中する」政策も、残念ながら現在の日本の外交姿勢「触れず・関わらず」に近づいているとも言えます。

今後、日本における集団的自衛権の解釈の変更と、憲法9条の改正に向けつつ、武器の共同開発を淡々と進めていくことを提案します。

昨年末に武器輸出三原則は緩和され、イギリスとの武器の共同開発を進める段階に入っていますが、日本と価値観を共有できる国と淡々と共同開発を進めるのです。

日本の防衛力の向上は、アメリカに対しては財政再建(軍事費削減)に協力することになるので、説得できる環境にあるのは間違いありません。

9月20日のワシントンポストで「With China’s rise, Japan shifts to the right(中国の台頭、日本の右傾化)」という見出しで、日本のスタンスが紹介されていますが、むしろ今までの日本が左傾化し過ぎていたので、国家として当たり前の状態に日本が戻ろうとしていることだと思います。

今後、日本が「自分の国を自分で守る」体制に移行する際に、日本の右傾化を国際社会が非難することがあっても、日本はその正当性をしっかりと訴えるだけの大義を立てる必要があります。

保守回帰へと日本を移行させる力となったのは、国際情勢の変化だけでは説明できません。2009年5月に立党した、幸福実現党の主張が日本を善導しているのです

東アジアにおける正義は日本が打ち立てるという強い気概と行動から、日本が各国の架け橋となる世界のリーダーとなる道が拓かれるはずです!
(文責・HS政経塾・第1期生/ 幸福実現党東京都第9選挙区支部長 吉井としみつ)

吉井 利光

執筆者:吉井 利光

HS政経塾部長(兼)党事務局部長

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