暴徒化する反日デモと反米デモ――その背後にある企みとは?
今、同時発生的に、中国を中心に反日デモが暴徒化すると共に、イスラム教国を中心に反米デモが暴徒化しています。
日本政府による尖閣諸島の国有化に反対する数千人のデモ隊が15日、中国・北京の日本大使館前の道路を占拠し、大使館への乱入を目指すデモ隊と警察との間でもみ合いが発生しました。(9/15 ロイター「中国各地で反日デモ、北京の日本大使館では一部が暴徒化」)
反日デモは中国各地に広がり、南部の長沙ではデモ隊が日系スーパーを襲撃し、シャッターを破壊して店内に侵入し、商品に火をつけるなどしました。また、青島では、パナソニック等の工場やトヨタの店舗が襲撃され、火が放たれました。(9/16 FNN「中国各地で大規模な反日デモ 日系スーパーや企業など襲撃される」)
また、9月11日、リビア東部の都市ベンガジで、群衆による米国領事館襲撃を受けて避難しようとしていたスティーブンス駐リビア米国大使と3人の大使館職員がロケット弾攻撃で死亡しました。(9/13 ロイター「米領事館襲撃、発端はイスラム教預言者の『冒涜』映像」)
襲撃の発端となったのはアメリカで制作された14分ほどの映画「Innocence of Muslims」で、イスラム教の預言者ムハンマドが女性好きのほか、同性愛者などとしても描かれ、さらにコーランがユダヤ教の聖典やキリスト教の聖書から作られたと解されるエピソードや、ムハンマドが子どもを犠牲にする冷酷な指導者として描いています。(同上)
この内容はソーシャルメディアを通じて拡散し、イスラム教徒が「預言者が冒涜されている」と憤り、イスラム教国各地で大規模な抗議デモが起こっています。
イエメンでは首都サヌアにある米大使館が襲撃され、デモ隊と警官隊の衝突で死者が出るなど緊張が高まっており、米政府はイエメンに50人程度の海兵隊員を派遣するなど、事態の収拾に躍起となっています。(9/14 日経「反米デモ暴徒化、アジアにも飛び火 イスラム中傷映像」)
イラクやイラン、クウェートなどで反米デモが起きている他、インドネシアやバングラデシュなど、アジア諸国にも波及し、沈静化には時間がかかる見込みです。(同上)
同時多発的に勃発した反日デモと反米デモは、尖閣国有化と米国の短編映画という全く別個の理由で起こっているように見えますが、大川隆法党名誉総裁は、両者には深い関係があることを示唆しています。
9月16日(日)、大川隆法党名誉総裁は、大阪正心館にて御法話「経済繁栄の力」を説き、その中で、現在激しさを増している中国の反日デモやイスラム圏での反米運動に対して裏から手を引き、日米を同時に排斥しようとする首謀者の正体やその目的を明らかにしています。
同御法話は9月17日(月)以降、幸福の科学の全国の支部・拠点・精舎で開示されます。ぜひ、ご覧ください。(※会場によっては、18日(火)以降開示の場合もございます。詳細はお近くの幸福の科学までお問い合わせください。⇒http://map.happy-science.jp/)
また、反米デモの背景には、アラブ諸国の「イスラム主義への回帰現象」があります。
「アラブの春」と呼ばれるアラブ諸国の革命において、独裁政権から民主主義政権へと政権が入れ替わるケースが見られましたが、イスラム教を主体とする勢力が政権を握った例も見られます。
各国で温度差は見られるものの、イスラム教が国づくりの根幹になっていることは共通しています。
「アラブの春」以後、チュニジア、エジプトなどに樹立された新政権は「反米」の傾向が色濃く出ています。
その理由には、かつての独裁政権が欧米諸国の援助を受けてきたという一面があるからです。
また、かつての「キリスト教対イスラム教」という十字軍の歴史、「ユダヤ教対イスラム教」という中東戦争の歴史がオーバーラップし、事態を複雑にしていると言えます。
この問題を解決するためには、外交によるアプローチの他に、宗教によるアプローチも必要です。
この問題が発生したことにより一番迷惑を蒙っているのは、暴動を煽った人々でも、暴動をしている人々でもありません。
世界中でキリスト教やイスラム教の信仰心を持ち、普通に暮らしている人々に他なりません。
彼らのためにも、それぞれの宗教の指導者たちは積極的に事態の打開に努めるべきですが、それぞれの宗教の教義が邪魔をしているため、必ずしもそうはなっていません。
幸福実現党は「宗教政党」として、それぞれの宗教を融和させ、政治と宗教の両面のアプローチから世界の融和と平和を実現して参ります。
(文責・黒川白雲)