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竹島問題を解決し、日韓関係の危機を乗り越えよ―中国の脅威を忘れるな!

韓国は、竹島の領有権を巡って野田首相が李明博大統領宛てに送った親書を受け取らず、送り返す方針を決めました。

内容は、李明博大統領の島根県・竹島への上陸、天皇陛下への謝罪要求などの発言に対する「遺憾の意」を示し、竹島問題に関しては国際司法裁判所への共同提訴を提案したものです。

親書の返送は前代未聞であり、日本政府は「友好国の間では今まで聞いたことがない」(外務省幹部)と反発を強めています。(8/23 産経)

これまで民主党政権は、竹島について、韓国の「法的根拠のない支配」としていたのに対し、今回、玄葉外相や森本防相ら閣僚が、韓国による「不法占拠」という表現を使い始めました。

国際司法裁判所への共同提訴は、1954年、62年に続いて拒否されたため、単独提訴に踏み切る方針を示しています。提訴された韓国は裁判に同意しない場合、その理由の詳細な説明義務が生じます。

その説明が論理的でないことより、日本は自国の主張の正当性を国際社会に訴えることができます。

ただし、これらの対応はあまりに遅すぎると言わざるを得ません。

自民党「領土に関する特別委員会」委員長の石破茂氏によると、韓国が一方的に設定した「李承晩ラインを超えた」という理由により、1952年から1965年の日韓基本条約締結までに、日本漁船328隻が拿捕、日本人44人が死傷(うち5人が死亡)、3,929人が抑留されていました。

現在も日本の領土であるにも関わらず、近づくことさえできなくなっています。

李明博大統領による島根県・竹島への不法上陸により、話し合いではもはや解決不可能な問題であることが日本国民も政府も認識するに至りました。

1952年に韓国に不法占拠されて以来、60年間解決することなく曖昧にしてきた竹島問題、そして謝罪によってしか均衡を保てなかった日韓関係を政府は今こそ清算すべきです。

そのために、政府は竹島の領有権の帰属について、一日も早く、国際司法裁判所に提訴すべきです。

一方で、日韓関係が悪化することにより、どの国が得をするのかということも、冷静に考えなければなりません。それは、北朝鮮であり、中国であります。

16日のコリア・タイムズは専門家の分析として「北朝鮮が、東京、ワシントン、ソウルの間に亀裂をつくろうとしている可能性は排除できない」と報道。(8/17 リバティweb「日韓関係悪化の陰に北朝鮮の動きが?」⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4719

また、ベトナムの元駐広州(中国)総領事のズオン・ザイン・ジ氏は「韓国は日本との争いを過熱させていることで、中国の罠にはまっている」といいます。(8/17 産経)

現在、韓国は中国と、黄海の入り口にある離於島(中国名・蘇岩礁)をめぐり係争しています。

中国は、昨年よりこの海域で引き揚げ作業をしていた韓国船舶に作業中断を要求したり、3000トン級の大型巡察艦「海監50号」を東シナ海に投じ、離於島海域まで巡回すると明らかにしました。(3/12 中央日報)

韓国が海上で輸入する貨物量の90%が離於島南側海上を通過するため、国益を守るためには、韓国はこの場所を手放すことはできません。

前述のズオン氏は「中国は日本との問題が小康状態になれば、矛先を韓国へ向ける。そのことに韓国も早晩、気づき、日本との関係維持に動く」と述べています。

アメリカも、日韓関係の強化を訴えています。

20日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の「環球時報」は、米シンクタンクが「(竹島問題で争う)日韓は歴史問題を乗り越え、現実的な角度から両国関係を考える必要がある。両国が重視すべき課題は中国の台頭だ」とし、慰安婦記念碑の設置などでも日本側を刺激する韓国側の姿勢を「争いを招くだけ」と非難したと報じています。(8/21 RecordChina⇒http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=63938

日本は今、尖閣問題で中国に翻弄されています。この秋、開催予定の共産党大会以降、中国の動きは更に激しいものとなるでしょう。

日韓の政府関係者は中国の海洋進出の動きを注視し、自国の領土と国益を死守しなければなりません。

日本はまず、日韓の間にある竹島問題の解決に動き出すこと、また韓国・中国が主張する間違った歴史認識を正すこと、謝罪外交は今後一切行わないことです。

その上で、ベトナムやフィリピンなど、今まさに中国に脅かされている国を始めとする東アジアの平和と安定のために、アメリカを加えた三国間で行うべきことを真剣に考えるべきです。

寸土を軽んずるものは全土を失います。

竹島問題に真剣に取り組む姿勢が、尖閣諸島防衛、そして中国の海洋進出を阻止する国民世論の喚起につながると確信しています。
(文責・HS政経塾1期生、兵庫11区選挙区支部長 湊侑子)

みなと 侑子

執筆者:みなと 侑子

HS政経塾1期卒塾生

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