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香港活動家、強制送還の愚――国家は主権侵害にどう対処すべきか

「まもなく、沖縄県民が度肝を抜かれるようなことが起きるだろうと思います」――。

5月13日、大川隆法・幸福実現党創立者兼党名誉総裁は、ユートピア活動推進館における法話「宗教立国の実現」の中で、そう警鐘を鳴らしていました。

今回の竹島・尖閣への不法上陸は、まさに、その「予言」が的中した形です。(参照:The Liberty Web「竹島・尖閣不法上陸 大川隆法総裁の『予言』的中」⇒http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4715

幸福の科学グループは、6月2日から全国上映された映画『ファイナル・ジャッジメント』、また、10月6日から上映される映画『神秘の法』(⇒http://shinpi2012.com/)においても、「近未来予言」として、アジアの軍事大国による日本侵略に強い警鐘を鳴らしています。

また、幸福実現党も2009年の立党以来、中国、北朝鮮による日本侵攻の危機に警鐘を鳴らして来ましたが、政府やマスコミは耳を傾けようとせず、結果として、韓国大統領による竹島上陸、香港の活動家らによる尖閣諸島上陸等を呼び込んだと言って良いでしょう。

更に許しがたいことに、政府は17日、沖縄県・尖閣諸島への不法上陸で入管難民法違反容疑で逮捕された香港の活動家ら14人の刑事処分を見送り、強制送還を行いました。事実上の「無罪赦免」です。

「強制送還」とは、入管難民法に基づく処分です。不法に上陸したものの、「他に罪を犯した嫌疑がないとき」は、入管に身柄を引き渡され、強制送還されることになります。

すなわち、出入国管理法第65条に基づき、不法上陸があっても、公務執行妨害や器物破損などの容疑がない場合は、裁判を受けずに強制送還される規定が適用された形です。

しかし、本来は、不法上陸自体が国家に対する主権侵害行為であり、厳罰に値する重大な犯罪であります。他の容疑の有無に関わらず、裁判で厳正に裁かれるべきです。

そもそも、今回のような領土や領海侵犯という意図的な主権侵害や侵略を企図する者に対して、一般的な不法入国や不法滞在を想定している出入国管理法で対処するには限界があります。

今後、不法上陸の再発を防ぐには、幸福実現党が訴えているように、領海侵犯取締法等の整備による厳罰化が急務であることが証明された形です。

また、強制送還の根拠となった「公務執行妨害や器物破損などの刑事犯罪が無かった」ということの真偽についても、今後、厳密に検証すべきです。

海上保安庁によると、巡視船は抗議船の活動家から、れんがやボルトを投げられ、船体の一部が破損しましたが、巡視船の乗員に直接危害を加えようとしたとは認定できず、海保幹部は「公務執行妨害や器物損壊といった容疑は適用しない」と話しているとのことです。(8/17 産経)

しかし、パトカーにれんがやボルトを投げ、パトカーを破損させたら、たとえ警官にけがをさせなくても、間違いなく、公務執行妨害や器物破損で逮捕されるはずです。

なぜ、香港の活動家らが巡視船にれんがやボルトを投げ、海上保安庁の巡視船を破損させたのに、公務執行妨害や器物損壊を問わないのでしょうか?

国民に対して厳罰をくだし、主権侵害を図る不法入国者には甘い顔を見せるようでは「法の下の平等」が疑われます。

東京都知事の石原慎太郎氏も「弱腰外交というか、シナにへつらう情けない姿だ。保安庁の船に大きな石を投げている。ぶつかったあとがあちこちにあって、器物破損、公務執行妨害じゃないんですか。歴然とした刑事犯罪だ」と憤っています。(8/17 産経)

活動家らの逮捕に至る経緯を海上保安庁が撮影したビデオに、公務執行妨害の証拠になる映像が写っている可能性が高いと見られていますが、藤村官房長官は「領海警備に支障が生じる可能性が高い」として公開を拒否しました。(8/17 朝日)

こうした民主党政権の情報隠蔽体質は、前回の尖閣諸島漁船衝突事件の対応と酷似しています。

政府は映像が公開されれば、今回の措置に対し、国民から大きな反発を買うことを恐れているのでしょう。政府がビデオ映像を公開しないならば、第二の「sengoku38」の出現が待たれます。

私達国民は、今回の強制送還の是非について、ビデオ公開も含めて徹底的に検証し、政府の弱腰外交を糾していくべきです。

8月17日、幸福実現党ついき秀学党首より、声明「香港活動家による尖閣諸島上陸事案への政府対応を受けて」 (http://www.hr-party.jp/new/2012/27869.html)が発表されましたが、不法上陸や領海侵犯を取り締まるための法的整備に加え、海保巡視船の増強や重武装化、尖閣を守る自衛隊の先島諸島への配備など、防衛体制の構築も急ぐべきです。
(文責・黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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