「シルバー民主主義」が奪う若者の未来 HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆低投票率が見込まれる「亥(い)年選挙」 7月18日に、時事通信社は「『亥年選挙』で低投票率か」と題した記事を公表。 2019年は統一地方選と参院選が重なる12年に1度の「亥年選挙」なので「投票率が落ち込む」ことを見込んでいます。 「『選挙疲れ』が指摘される亥年は下落が顕著」で、1995年に最低の44.5%を刻むなど、投票率が「軒並み落ち込んだ」歴史があるからです。 (※07年の58.6%は例外的に前後の年よりも高かった) 同社は、政府関係者が「今回は50%くらい」と予測しているとも報じていました。 ◆過去の参院選投票率の推移 総務省のデータをみると、近年の投票率は落ち込んでいます。 【参院選投票率】(地方区・選挙区) ・16年:54.7% ・13年:52.6% ・10年:57.9% ・07年:58.6% ・04年:56.6% ・01年:56.4% ・98年:58.8% ・95年:44.5% ・92年:50.7% ・89年:65% それ以前は投票率が7割台となる年もあったので、最近は、「つまらない選挙」が続いているのでしょう。 ・86年:71.4% ・83年:57% ・80年:74.5% ※07年と95年、83年が「亥年選挙」 ◆世代別投票率はどうなっている? もう一つ、重要なのは世代別に見た投票率です。 2016年のデータをみると、高齢者の投票率の高さが目立ちます。 ・10歳代:40.5% ・20歳代:33.9% ・30歳代:44.8% ・40歳代:53.5% ・50歳代:63.3% ・60歳代:72% ・70歳代以上:60.9% 20代から60代にかけて、年代が一つ上がるごとに投票率が約1割ほど上がる構図が見て取れます。 ◆「シルバー民主主義」の3つの特徴 日本の選挙には「低投票率で、高齢者の投票率が高い」という傾向が強まっています。 これは「シルバー民主主義」とも呼ばれますが、そこには、3つの特徴があります。 (※以下、八代尚宏著『シルバー民主主義』中公新書) (1)世代間格差の広がり 「社会保障制度や企業の雇用慣行において、若年者よりも高齢者を優先する」 (2)放漫財政 「政府を通じた画一的な所得移転を重視し、借金に依存した日本の社会保障の現状を放置する近視眼的な政策」 (3)改革に消極的で「先送り志向」が強まる 「過去の日本経済の成功体験に縛られ、経済社会の変化に対応した新たな制度・慣行へ改革することに対する消極的な姿勢と先送り志向の強まり」 ◆19年参院選も、典型的な「シルバー民主主義」 この傾向は、今回の選挙でも目立っています。 (1)の典型は、今の高齢者への「払いすぎ」を減らし、将来の世代に積立金を残す「マクロ財政スライド」をなくそうとした共産党です。 積立金からの支出を増やし「減らない年金」にしようという共産党の訴えは、将来世代を犠牲にして今の高齢者への給付を増やすものです。 そこまで言わなかった他党も、現役世代への負担増を考えず、高齢者への手厚い社会保障を訴えるケースが目立ちました。 (2)は、子供のない世帯や結婚できない低所得層から取り立てた消費税増額分を子供のいる家庭に配る「教育無償化」が典型的です。 また、既成政党は、どこも「税金で公的年金を支える」ことの問題点は言えません。 保険の原則は、保険料の範囲で老齢や病気、障害などに備えることですが、税を投入すれば「給付を減らさないために増税」が行われます。 … Continue reading 「シルバー民主主義」が奪う若者の未来
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