世界は減税 日本は増税→没落? 理不尽な未来は拒否したい HS政経塾スタッフ 遠藤明成 ◆「福祉のために増税」は当然ではない 米中貿易戦争だけでなく、10月の英国のEU離脱などを見込み、世界では厳しい見通しのもとに減税を進める国が増えています。 安倍政権は増税を進め、日本は「社会保障のために増税」という論調が根強いのですが、違う路線を取る国も多いのです。 例えば、福祉国家のスウェーデンでも減税は行われています。 同国は今でも高税率ですが、近年は、金の卵を産むガチョウを殺さないように、企業や富裕層への課税を緩める措置が取られました。 ◆スウェーデンが減税 揺らぐ福祉国家 スウェーデンでは、社会民主労働党政権が19年4月に「高所得者層向けの減税」を打ち出しました。 約780万円相当(70万スウェーデンクローナ)以上の所得層にかかる「富裕税」が廃止されます。 通常の所得税に上乗せする5%の追加課税が廃止され、高齢者介護や海外援助の削減などが行われるのです。 スウェーデンは、2004年に富裕層の海外への資産移転を止めるために相続税廃止も行っています。 (※訂正:以前のHRPニュースで07年と書いたのは間違い。正しくは04年) ◆福祉を重視する欧州でも減税 米国よりも福祉を重視する欧州は税率が高めですが、近年、減税を進める国が増えています。 (本記事の為替計算は、19年は直近為替、17年と18年は年平均で換算。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの数値を用いています。GDPは世界銀行の2017年の数値を活用) 【フランス】 18年9月にフランスは3.2兆円相当(248億ユーロ)の減税案を発表しました。 具体的には法人税や住民税などを減税し、公務員を12万人減らします。 法人税33.3%を段階的に25%まで下げ、企業向けには2.4兆円(188億ユーロ)を減税。 個人向けには住民税などを0.8兆円(60億ユーロ)減税します(18年為替で計算)。 同時に、国防費を1.5倍に増やすプランを立てています(18年の342億ユーロから500億ユーロへと段階的に増やす)。 フランスのGDPは日本の半分よりもやや多い程度なので、もし、マクロン政権のプランをわが国で実践したら、6兆円が減税され、7兆円台に防衛費が増えます。 安倍首相は保守だと思われていますが、実際は、マクロン大統領よりも「左」の財政政策です。 日本の保守層は、マクロンよりも左派寄りの政治家に未来を託しているのかもしれないのです。 【オーストリア】 オーストリアは、本年5月に、2023年までに年間8000億円相当(65億ユーロ)を減税する方針を決めました。 法人税を25%から21%へと段階的に下げ、年間所得11000~31000ユーロの所得にかかる税率を5%下げるなどの措置を取ります。 ・11000~18000ユーロ:25%→20% ・18000~31000ユーロ:35%→30% ・31000~60000ユーロ:42%→40% オーストリアのGDPは日本の9分の1ぐらいなので、わが国のGDPに合わせると、65億ユーロ減税は7兆円減税と同じぐらいのインパクトです。 【イタリア】 19年6月にイタリアのディマイオ副首相(「五つ星運動」党首)は「減税の確約を尊重する」と表明。 サルビーニ副首相(「同盟」党首)は「100億ユーロ以下の減税は本格的な減税ではない」とし、「それをさせてもらえないのなら、グッバイと言って去る」と述べています。 100億ユーロは1.2兆円。 イタリアのGDPは日本の4割程度なので、我が国で言えば「財務大臣が3兆円以下の減税など、減税ではない」と言ったようなものです。 麻生大臣が、サルビーニ氏のようなことを言う姿はまったく想像できません。 日本とは真逆の路線です。 なお、コンテ伊首相は、減税については、サルビーニ氏以上に「野心的」だとも報じられています。 ◆英国、豪州も減税 【英国】 英国では、メイ政権下で19%の法人税が20年4月以降は17%になることが決まっています。 今後の英国では、保守党党首選でEU離脱派のジョンソン前外相が勝っても、対抗馬であるハント外相が勝っても、減税が行われる見込みです。 ジョンソン氏は税率40%がかかる所得区分を5万ポンドから8万ポンドに上げ、年約96億ポンド(約1.3兆円)を減税すると述べています。 同氏は、16年の国民投票でEU離脱が決まった日に、消費税に相当する付加価値税について「英国経済の必要に応じて法律を通し、税率を決められるようになる」とも述べていました。 EU加盟国は、付加価値税の税率を自由に決めることができないからです。 また、ハント外相のほうは、法人税率を17%から12.5%に下げると述べています。 【豪州】 オーストラリアでは19年7月、保守連合が10年間で1580億豪ドル(約12兆円)の減税法案を成立させました。 約1000万人の低・中所得者層が「法案成立後1週間以内に最大1080豪ドル相当(※約8万円)の払い戻しを受ける」とも報じられています。 豪州のGDPは日本の27%程度なので、これは、わが国の経済規模にあわせると、1年あたり4.4兆円の減税を10年間続けるようなものです。 豪州は、他国と比べると大がかりなプランになっています。 ◆インドも減税 インドでは、モディ首相が19年2月に所得税控除枠の倍増を打ち出しました。 … Continue reading 世界は減税 日本は増税→没落? 理不尽な未来は拒否したい
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