海に平和を!――安心して漁ができる海を取り戻す

海に平和を!――安心して漁ができる海を取り戻す 幸福実現党・石川第2選挙区支部長 宮元智 ◆イカが消えた!? 観光客でにぎわう能登半島・輪島市の朝市。石川県の魅力の一つに、アマエビ、カニ、ブリ、イカなどの美味しい海の幸が挙げられます。 しかし、スルメイカが大変な高値となり、朝市でも殆どその姿が見られません。 朝市のある女性は「売れ筋だけに、なかなか手に入らないのは痛いですね」と嘆いています。 ◆尖閣沖だけではない、違法操業 その原因は、北朝鮮の違法操業による乱獲です。 日本海には、日本のEEZ(排他的経済水域)内に、「大和堆」(やまとたい)と呼ばれる好漁場があります。 ここに北朝鮮の木造船がやって来て違法操業するばかりか、日本の漁船を追い払っているというのです。 輪島市朝市組合長の小林政則さんは、「6月頃からスルメイカ漁の季節なのに、全然獲れない。向こうは500隻ぐらいでやって来る。こっちはせいぜい50隻や。こっちの集魚灯は明るいのでそれを目がけて押し寄せてくる。日本は一本釣りだが、向こうは網で根こそぎまだ小さいイカまで獲っていく。網がスクリューに絡むと航海できなくなる、乗組員も本当に漁師かわからない、機関銃を備えとるかもしれないから怖ろしくてそこから離れるしかない。漁師も生活できなくなる。死活問題や。国は何もできんがか!」と憤りを隠しません。 ◆3月にはミサイル ミサイル実験を繰り返している北朝鮮ですが、今年の3月6日には、この大和堆周辺の日本のEEZ内(能登半島の200キロ沖)に弾道ミサイルが落ちました。 ミサイルと違法操業の恐怖で、漁師さんたちはおちおち漁に出られません。本当に命懸けです。 ◆政府は国民と国益を守るという意志を具体化せよ 日本の排他的経済水域(EEZ)でありながら、わが国の漁船が逆に追い払われるようでは、わが国の威信も誇りも地に墜ちたと言えます。 やっと7月になって、海上保安庁が巡視船を派遣、延べ約820隻に警告しEEZの外に排除、8月中旬以降、平穏を取り戻しています(9/1産経新聞)。 しかし11月から始まるズワイガニ漁もイカ漁以上に違法操業が繰り返されると予想され、まだまだ気を緩めるわけにはいきません。 わが国は、違法な操業は断固として許さないという意志を、単に言葉だけでなく、具体的な行動で示す必要があります。 ◆北朝鮮を「憲法9条の適用除外国」に指定を 現行日本国憲法9条によれば、「武力による威嚇」もできないので、海上保安庁の巡視船も放水ぐらいしかできませんが、放水程度で違法な船がいなくなることはありません。 もはや北朝鮮が、日本国憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」できる国ではないことは、誰の眼にも明らかです。 したがって、北朝鮮に対しては、「憲法9条適用除外」に指定すると、政府として内外に宣言した上で、違法操業する船に対しても、断固、日本の海を守る姿勢を示すべきです。 ◆防衛費を倍増し、「二正面作戦」に備えよ 他方、尖閣沖では中国の公船が常態化しています。 これまで大和堆には不審船の目撃は少なかったので、東シナ海に監視が集中していたと言えます。 しかし今後、わが国は尖閣沖を中心とする東シナ海と、大和堆を中心とする日本海と、二正面作戦を強いられることになります。 その他のミサイル防衛等を考えると、現行の防衛費ではとても足りません。防衛費GDPの1%枠の縛りを解き、倍増させ、装備も人員も充実すべきです。 ◆海に平和を!――安心して漁ができる海を取り戻す わが国は長らく「戦わないこと」が正義でしたが、その勇気のなさが結局は、悪を増長させ、北朝鮮に核開発とミサイル開発まで許し、このような違法操業まで許してしまいました。 日本が今後、平和と正義の守護神としての使命を果たし、海に生きる漁師さんたちが安心して漁ができるような、平和な海を取り戻したいと心から願って止みません。