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中国警察の海外派出所が東京にも存在した。世界50か所以上、国境を越えて広がる脅迫と拉致の実態【後編】

https://youtu.be/kOpet1hvziI

幸福実現党党首 釈量子

前編で述べたスペインの人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」の報告書「不本意な帰国:INVOLUNTARY RETURN」から、中国政府が外国に住む中国人を強制的に帰国させる3つの方法(3つのタイプ)を見ていきましょう。

◆タイプ1 中国在住の家族への圧力

公安警察が逃亡者の居場所を知りたい場合、その家族や友人を訪問し、家族や友人の口から中国に帰国するようにお願いしてもらいます。

人権活動家や、宗教的信条や信仰を持つ人たちが狙い撃ちされていますが、ごく普通の市民も対象になっています。

家族が公安に協力しなかった場合、「監視」「取調べ」「職を失う」「資産凍結」「子供を親から引き離す」などの圧力をかけます。

公安が何度も自宅や職場を訪問し、「自由と安全」を抑圧することもあります。

家族や友人が説得しても、説得に応じなかった場合は、脅しのレベルを上げて、何と、家族や友人を逮捕し、彼らを人質として確保します。

報告書では、王靖渝(Wang Jingyu)さんのケースが掲載されています。

2019年、王靖渝さんは欧州に渡りました。

その後の2021年2月、中国のSNS「ウェイボー(Weibo)」に中国が公式発表した「中印国境紛争死者数」に疑問を投げかける投稿をしました。

たったこれだけの行為が王靖渝さんの人生を変えてしまいます。

投稿のわずか30分後、公安警察が中国重慶市の実家を訪れ、パソコンやiPadを押収し、両親を警察署に連行しました。

その後も連日、警察署で両親を一日中拘束し「息子を中国に帰国させろ」と圧力をかけましたが、王靖渝さんの両親は何とか拒否しました。

王靖渝さんはその後、大きなトラブルを引き起こしたということで「公序良俗の罪」に問われます。

2021年4月、王靖渝さんはドバイで米国行きのフライトに乗り換えようとした際に逮捕されました。

しかし欧米メディアで王靖渝さんの逮捕がニュースとなって広がり、米国の国務省がUAEに圧力をかけた結果、ドバイで釈放されました。

しかし、話はこれで終わりません。

2021年9月、公安警察から「王靖渝さんの父親が香港デモに参加し中国共産党を批判しようとして投獄された」という連絡を受けます。

王靖渝さんのようなケースは中国では普段から起きているケースだと思いますが、「自由が奪われた国がどうなってしまうのか」がよくわかります。

◆タイプ2 海外の中国工作員

中国国内の家族を利用しても帰国させることができない場合、中国工作員が対面もしくは自宅にメモを残すなど、様々な手口で脅迫します。

逃亡者を見つけるために、その国に住む家族や友人に協力するよう圧力をかけます。

それがダメな場合は、元警察官や私立探偵などの地元の人間を雇って逃亡者を突き止めます。

例えば、ニューヨーク在住の弁護士である高光俊(Gao Guangjun)氏は、このように答えています。

「中国工作員は逃亡者を帰国させるためにはお金も渡すし、何でもする。ある逃亡者が『中国に返れば、米国のビジネスを失う』と言ったら、工作員は、穴埋めとして100万ドルを渡す。」

しかし、中国共産党にとって「嘘は戦略」なので、決して信じてはいけません。

「帰国すれば3年の刑で済むと言われたが、実際には7年の刑だった」というケースもありました。

◆タイプ3 拉致

最後の拉致は、最も強硬な手口です。

報告書では、拉致が行われる国は中国とつながりの深い国が多く、一番多いのがタイだと指摘しています。他にも、ミャンマーやベトナム、UAEなどが挙げられます。

例えば、著名な民主活動家、王炳章(Wang Bingzhang)氏は米国に亡命し、中国政府からは台湾のためにスパイ行為を行ったとして起訴されていました。

2002年、王炳章氏とガールフレンドのZhang Qiさん、友人のYue Wuさんの3人がベトナムを訪れていた時、突然全員が姿を消しました。

当時、海外の活動家はベトナムの国境付近で公安警察が拉致したと訴え、数か月後、Zhang氏とYue氏は中国で釈放されましたが、王炳章氏は終身刑になったことが判明しました。

◆中国の全体主義が世界を覆う

今回の報告書から、中国政府が海外に住む一般中国人から民主活動家まであらゆる層を人権弾圧の対象とし、異論があれば徹底的に弾圧することがよくわかります。

習近平独裁体制が強化され、中国の全体主義が世界を覆うような、不幸な未来は阻止しなくてはなりません。

まず、政府が調査することです。諸外国は、政府が動き、マスコミが報道しています。

それだけでも違うはずです。それさえできない日本と言う国は情けないというより、正義の感覚が著しくないと思います。

スパイ天国と言われますが、防止法を制定するなどは当然のこと、根本的には国防を強化するという国の意志が必要です。

北朝鮮のミサイル発射が続いていますが、これは中国と北朝鮮が連携して行われていることだと思います。日本の国防強化は待ったなしです。

憲法9条に象徴される戦後平和主義を見直し、自分の国は自分で守る国へと生まれ変わらなくてはなりません。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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