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日本企業で進む「脱中国」3つの理由【後編】

https://youtu.be/yQ0bqUImVno

幸福実現党党首 釈量子

前編では、日本の製造業の「チャイナリスク」として(1)ゼロコロナ政策、(2)経済安全保障をあげました。

「チャイナリスク」の三つ目は、台湾有事です。

(3)台湾有事

今年秋の党大会では習近平氏が異例の3期目に入り、「偉大な領袖」と呼ばれた毛沢東に並ぶ「領袖」が公式に復活し、「人民の領袖」と呼ばれるのではないかと言われています。

習近平氏は一貫して「台湾再統一に際して、武力統一を排除しない」と明言しています。

米国下院議長のナンシー・ペロシ氏が訪台してから、人民解放軍による台湾海峡の中間線を超える挑発は常態化しています。

もし台湾有事が起きれば、日本は中国とは敵対関係になり、中国に進出している日本企業とその社員は人質に取られることも想定されます。

何年も積み上げてきた事業が台無しになるかもしれず、言いがかりをつけて、日本企業の社員が不当に逮捕されることも十分あり得ます。

中国経済の低迷が台湾有事を引き起こす可能性もあります。

中国のGDPは不動産市場が3割を占めます。しかし現在、不動産の売れ行きが減り、不動産価格も下落しています。

中国では7月以降、物件の引き渡しが遅れていることに抗議して、数千人規模で、マンション購入者が住宅ローンの返済を拒否しています。

日本と異なり、中国では購入契約を結んだ時点で頭金を支払い、物件の受け渡し前にローンの返済が始まります。

専門家の中には「中国経済はすでにマイナス成長に陥っている」と指摘する方もいます。

中国経済が著しく低迷し、成長の見込みがなくなれば、中国共産党による統治の正当性が揺らぎます。

そのような場合には、党の正当性を証明するために、台湾の武力統一に動く可能性が高まります。

いずれにせよ、台湾有事は「あるか、ないか」ではなく、「いつあるのか」と考えるべきです。日本企業が脱中国に動き、不測の事態に備えるのは賢明な判断だと思います。

◆日本企業は国内回帰を!

このように中国での事業リスクを感じて、中国から撤退しコストの安いインドやベトナム、マレーシアに生産拠点を移す企業が増えています。

例えば、アップルはすでにインドでiPhoneを生産し、今年6月にはベトナムでiPadを生産すると発表しています。

日本にとっては、日本企業の国内回帰を促したいところです。

特に、中国に生産を大きく依存している製品のうち、付加価値の高いものは日本に移転してほしいと思います。

資生堂やマツダなどの工場が日本に帰ってくれば、日本の地方経済が活性化するのは間違いありません。

ちなみに、米国では、トランプ政権の時に企業の国内回帰を促しましたが、バイデン政権も踏襲し、米国の雇用を創出しています。

つまり、共和党、民主党ともに国内回帰を推し進めています。

米国への国内回帰や直接投資によって、雇用は2019年以降右肩上がりになり、2022年には約35万人の雇用を生んでいます。

日本政府も日本経済をもっと良くするために、国内投資を増やすために努力しなくてはなりません。

今後も新型コロナの感染拡大や戦争のリスクがあることを考えると、地方経済をインバウンドのみに頼るのは危険です。

企業が地方で工場を建設し、社員を採用し、社員が生活すれば、立派な経済圏が誕生します。地方経済の基盤はもっと強いものになります。

◆企業の国内回帰の課題

しかし日本企業の国内回帰を促すにあたって、大きなボトルネックがあります。それは、アジアの諸外国に比べて、日本の電力料金が高いということです。

日本企業の国内回帰を推し進めるためには、電力料金を抑え、安定した電力供給を確保しなくてはなりません。

そのために安全基準を満たした原発を再稼働させることが必要です。国内回帰をする企業の法人税を安くするという政策もあります。

円安が進んでいることも日本企業の国内回帰を促す理由になります。他にも考え得る対策を打って、このチャンスを生かすべきではないでしょうか。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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