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脱炭素の嘘を斬る――最新研究からわかる海洋汚染の実態

https://youtu.be/cjtRhJHYXuY

幸福実現党党首 釈量子

◆プラスチックによる海洋汚染

前回は、4月から施行された「プラスチック新法」の問題点を指摘してきました。

■違反者は50万円以下の罰金?――天下の悪法「プラスチック新法」
http://hrp-newsfile.jp/2022/4248/

「プラスチック新法」ができた背景には、気候変動の問題に加え、プラスチックごみによる海洋汚染があります。

プラスチックによる海洋汚染は2000年代に入ってから劇的に増加し、最近では、5ミリ以下のマイクロプラスチックが魚などに蓄積されていることが問題視されています。

自然に分解されず長期にわたって残留する性質が高いプラスチックごみを廃絶するため、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」が2004年に締結し、現在152か国が加盟しています。

◆日本のサイクルの現状

日本が廃棄している国民1人当たりのプラスチックごみの量は世界第2位、年間32kgに相当します。(※国連環境計画UNEPの報告書2018年より)

しかし、日本は「分別収集」においては世界トップクラスで、国連の報告書(2018年)でも「見習うべきだ」とされています。

日本のプラスチックリサイクル率はどうなっているかというと、84%(プラスチック循環利用協会 2016年)ですが、この数字をどう見るかです。

リサイクルの方法は大きく3種類あます。その84%の内訳は、ケミカルリサイクル(4%)、マテリアルリサイクル(23%)、サーマルリサイクル(約57%)です。

「ケミカルリサイクル」は、プラスチックを科学的に分解し油化して、再び製品に戻すリサイクル技術です。

ペットボトルをペットボトルにするなど、「水平リサイクル」とも呼ばれます。

「マテリアルリサイクル」は、プラスチックのまま熱で溶かして形を変える再利用ですが、品質は落ちます。

「サーマルリサイクル」は、燃やした時に発生する熱を回収してエネルギーとして利用することです。

つまり、ゴミを処理場で燃やすときに、一緒に発電し、熱をボイラーや温水プールに使っています。

ゴミ発電は、バイオマス発電に分類されるので、再生可能エネルギーの一種です。

2019年度の実績では、バイオマス発電の38%分、再生可能エネルギーの5%分で、それだけ、石炭や天然ガスの使用量が減ります。

◆「燃やす」選択肢の妥当性

「脱炭素」に突っ走る欧州では、「サーマルリサイクル」を認めていないため、日本のリサイクル率は低い評価となります。

しかし、ケミカルリサイクルやマテリアルサイクルがサーマルリサイクルと比べ環境に優しいのかと言えば決してそうではありません。

理由は、これらのリサイクルは、リサイクルする間に大量の電気を使うからです。

特にマテリアルリサイクルは、エネルギーの削減効果はサーマルリサイクルの3分の1程度です。

ですから、資源が乏しい日本としては、EUの環境全体主義に負けることなく、主張すべきことは主張して、自国の利益を守るべきです。

サーマルリサイクルは日本の得意分野で、「焼却とエネルギー回収」は加盟国平均20%を超え71%でダントツの1位です。

日本は「燃やす」という選択肢を、断固、維持すべきです。

そもそも、海のプラゴミの大きな割合は漁のアミやブイによるものなので、陸の上でいくら分別しても効果は限定的です。

◆新たな解決策

また定説として、プラスチックは高分子構造で水が浸み込みにくく、微生物が食物にできないので、分解するのが難しいとされてきました。

しかし、2021年10月、スウェーデン・チャルマース工科大学の研究チームは、世界各地で「プラスチックを分解する細菌」が出現していることを発表し、注目されています。

地中海や南太平洋など汚染が深刻な場所に、多くのプラスチック分解酵素が存在することがわかったということです。

他にも、プラスチックの海中での分解は、地上の百倍、千倍かかると言われてきましたが、世界で初めて日本の企業「カネカ」が海中でも分解できる素材を開発しました。

◆日本の産業を守るために

経済全般に無理な目標を押しつけることで、産業そのものを破壊していくことは断固反対です。

脱炭素も、異論・反論を許さないという風潮がありますが、同様の現象が、ここにもあるように思います。

幸福実現党としては、こうした要らない法律は、今すぐ無くして、やらなくてよい仕事を「減量」していくべきだと考えます。

日本経済を「脱炭素地獄」に続き「脱プラ地獄」に突き落とさないためにも、冷静になって、プラスチックを目の敵にするような空気をつくってはなりません。

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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