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ウクライナ侵攻で迫る第3次世界大戦、日本も戦場に【第2回】

https://youtu.be/OoVkNQZ7kpo

幸福実現党党首 釈量子

◆ロシアのウクライナ侵攻を巡る東アジアの地殻変動

ロシアのウクライナ侵攻は、東アジアにも地殻変動を及ぼしつつあります。

(1)中国

3月2日の「ニューヨークタイムズ」が、中国が2月上旬、ロシアに対して、「ウクライナ侵攻を北京オリンピックが終わるまで遅らせてほしい」と頼んでいたと報道しました。

実際に、北京オリンピックが2月20日に終わり、2月24日にロシアのウクライナ侵攻が始まっています。

ロシアと中国の関係は、2014年のロシアのクリミア侵攻をきっかけに、欧米のロシアへの経済制裁が強まる中で、どんどん密接になりました。

特に、中国はロシアから原油や天然ガスを大量に輸入し、ロシアを支援しました。

今回、中国は一貫してロシアの立場を擁護する発言をしており、間違いなく中露接近は決定的になったわけです。

(2)北朝鮮

また、中国同様、ロシアの立場を一貫して擁護しているのが北朝鮮です。

北朝鮮はロシアのウクライナ侵攻中のタイミングで、弾道ミサイルを発射しました。

「北朝鮮の核兵器開発を正当化し、ウクライナの二の舞にはならない」と宣言しているかのようで、トランプ政権の非核化の交渉の真逆になっています。

ちなみに、ウクライナは1994年、核を持つ「米・英・ロシア」との間で、核兵器を持たない代わりに、ウクライナの安全を約束するという「ブタペスト覚書」を交わしました。

ウクライナ側は「この時に、もし核兵器を手放していなかったら、ロシアのウクライナ侵攻は起きなかったかもしれない」という見方をしています。

こうしたこともあって、北朝鮮は核保有の意義を確信し、北朝鮮の非核化は一段と遠のきました。これで日本の国防上の危機は高まったと見るべきです。

(3)台湾

次に台湾ですが、欧米とロシアの対立が激化、しアメリカがヨーロッパに戦力を配備することになれば、当然東アジアの戦力は手薄になります。

結果、中国の台湾侵攻にチャンスを与えることになってしまいます。

台湾では現在、「今日のウクライナ、明日の台湾」という言葉が、新聞やインターネットで踊っています。

昨年8月に米軍がアフガニスタン撤退で世界に失態を晒した時も、「今日のアフガン、明日の台湾」という言葉が広がりました。

市民の間では、ウクライナ民兵が戦う姿なども見て、応急処置や訓練に関する関心が高まり、自己防衛を意識する人が多くなっています。

米国と台湾の間には「台湾関係法」がありますが、台湾防衛義務は明記されていません。

歴代政権も台湾有事に軍事介入するかどうかを明確にしない方針、いわゆる「あいまい戦略」を採用しています。

今回のウクライナ侵攻についても、欧米諸国はウクライナを支持すると口にしながら、いざ戦いが始まったら全く兵を出しませんでした。

蔡英文政権は、台湾有事の際に米国の支援を期待していますが、アフガニスタンとウクライナの教訓を踏まえ、「自分の国は自分で守る決意と能力を持つことが先決だ」と繰り返し強調しています。

(4)日本

日本も他人事ではありません。

一番象徴的なのが、3月2日にロシア軍のヘリコプターが北方領土方面から来て、根室上空で領空侵犯した動きです。

これは明らかにロシアによる日本へのメッセージです。

日本は欧米に足並みを揃えて経済制裁に参加していますが、それに対する反発です。

昨年10月には中露の艦隊が津軽海峡を通って、日本を一周しましたが、これは、「台湾有事の際に日本が参戦すれば、北海道を占領するぞ」という警告でしょう。

北朝鮮のミサイルも連動しているとみるべきで、日本は、中国と北朝鮮、ロシアと対峙する三正面作戦をを行うつもりなのか、今後、岸田政権は、ロシアとの関係を中国や北朝鮮と同じく「脅威」と位置付ける方向で進んでいます。

これは、日本の存亡に関わる危険な判断だと思います。

ロシアは北海道に米軍基地やミサイルが設置されることを防衛上の危機と見ているので、日本が敵対国になれば、ウクライナと同じく北海道を緩衝地帯として確保したくなるでしょう。

となると、北海道も、尖閣並みの脅威に対応しないといけなくなります。そのための防衛予算、戦力、自衛隊の配備をどのように考えているのでしょうか。まさに国家存亡の危機です。

日本の独立を守るための「核シェアリング」の議論も出ていますが、岸田首相は「作らず、持たず、持ち込ませず」の非核三原則を堅持する姿勢を貫いています。

「核シェアリング」とは、米国の核兵器を日本に持ち込んで、共同で管理することです。

我々は「核装備なくして、日本の独立を守れるのか」について議論を封じるべきではないし、憲法9条改正と合わせて、参院選の争点にすべきではないかと考えています。

(第3回につづく)

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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