【ウイグル人権決議】当初案骨抜きの裏側
幸福実現党党首 釈量子
◆2度も見送られた非難決議
今回は、2月1日、衆院本会議で採択された「人権問題に関する決議」についてです。
中国が、ウイグル、チベット、南モンゴル、そして香港などで行っている人権弾圧について、世界中から非難が高まっています。
日本でも昨年6月、国会において中国に対する非難決議を採択する動きがありましたが見送られました。自民党内に連立を組む公明党への配慮があったとされています。
また、昨年12月にも、自民党の茂木幹事長が「日本政府の北京冬季五輪対応が表明されていない現時点では望ましくない」として、党内の足並みがそろわないという理由で見送られました。
◆骨抜きにされた決議案
このように2度も見送られ、今回ようやく採択に至ったわけですが、その中身は当初予定されていたような「非難決議」とは程遠いものでした。
まず、人権弾圧への当事者国である「中国」への名指しがありません。昨年6月段階の決議案にも「中国」という文言はありませんでした。
主語を明確にせず、責任の所在を問わず、「人権侵害」が「人権状況」という表現となり、「非難」の言葉も削られ、国会が示すべき意思が完全に骨抜きにされました。
しかも本文中には、「弾圧を受けていると訴える人々」という「弾圧は事実かどうか分からないが、そのように訴える人がいる」という、まったくの他人事です。
さらには「深刻な人権状況について、国際社会が納得するような形で説明責任を果たすよう、強く求める」とありますが、誰に求めているのかは不明確なままです。
◆価値観なき日本政治に未来はない
今回、日本は中国の行為に価値判断を示すことなく、お茶を濁すような決議を採択しました。
一方、アメリカ、カナダ、イギリスをはじめとする国々は、中国の行為を「ジェノサイド」と認定しています。
つまり、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺に匹敵する、あるいはそれを超える悪事であると、ハッキリと価値判断を示し、国の代表が中国に対して「非難」の意思を示しているのです。
なぜ日本はこれができないのか。一つの理由は経済的な問題です。中国には工場もあるし、従業員もいるために政治判断を逃げてきたからです。
さらには、極超音速ミサイルが登場し、中国そして、北朝鮮が世界を脅し、台湾や日本の沖縄も脅威にさらされています。
どこの国も安全保障戦略というものは、「何から、何を、何で、どうやって守るのか」という文脈で決定されます。
ナチス同然の脅威を非難もできないのであるならば、このミサイルを日本に向けていることに対して、どうやって日本を守るか論じることができるのでしょうか。
◆人間の尊厳を踏みにじる暴挙を止める
ここで幸福実現党は、ひとつ提案をさせていただいております。日本も普遍的な価値の体系に基づいて判断してはどうかということです。
幸福実現党は、「自由、民主、信仰」を政治の基本原則とし、国内外において独裁と専制を排除すべく努力すべきだと考えています。
そして、人間の尊厳の根拠は、神の子、仏の子としてつくられた存在であり、その尊厳が踏みにじることは、許されてはなりません。
この人間の尊厳を踏みにじるものを断じて許さないという強さは、信仰に基づく価値がなければ出てこないのではないとか思います。
中国で繰り広げられている悪魔の所業は、人権のレベルの問題ではなく人間の尊厳を踏みにじる暴挙です。
世界においては、中国と北朝鮮以外は何らかの信仰を持っているものです。そうした国々で、悪事をくい止めていかなければいけないと思います。
幸福実現党からは、この人権問題決議について、党声明「腰抜けの人権問題決議採択は日本の未来を誤らせる」を出しました。
また、引き続き、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」を全国で展開してまいります。
こうした活動を通じて、日本と世界の平和と繁栄を守って参ります。
■党声明「腰抜けの人権問題決議採択は日本の未来を誤らせる」
https://info.hr-party.jp/press-release/2022/12404/
■「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」のお願い
https://info.hr-party.jp/2021/12200/