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自民党政権に足りない攻めの「経済安全保障」

HRPニュースファイルの読者の皆様

おはようございます。

9月29日に自民党総裁選が行われましたが、その前日28日に政党のホームページにアップしたもので、現在の自民党政権の政策について幸福実現党政調会の見解を示したものです。

※長文のため途中からリンクを貼らせていただいております。

■自民党政権に足りない攻めの「経済安全保障」

幸福実現党政務調査会ニューズレター No.27

米中新冷戦が進展するにつれ、経済安全保障が脚光を浴びるようになりました。2021年の自民党総裁選では、候補者4人のうち、2人が経済安全保障に関する政策を公約に掲げました。

幸福実現党は、立党以来、安全保障の重要性を訴えており、こうした動き自体は歓迎すべきものです。

しかし、自民党が訴える経済安全保障は、主に自国の先端技術や軍事機密の防衛や、重要な産業の振興にとどまっています。

すなわち、日本経済全体の中国依存は、それほど問題視されていません。

自国の経済を特定の国に依存させることは、国家の生殺与奪の権を与えることに等しく、経済安全保障の問題そのものです。

自民党政権が、そうした根本的な経済安全保障を語ることができない理由は、その背景にある思想的限界に見るべきです。中国の間違いを明らかにする「正義」を示してはじめて、攻めの「経済安全保障」としての中国包囲網を、積極的に取り組むことができるようになるのです。

1. 自民党の唱える「経済安全保障」とは

◆「軍事力を使わない戦争」が始まっている

「中国が、アメリカが創り上げた世界秩序に挑戦している」というのが、現在の国際情勢です。そうした覇権争いは、最終的に、軍事的な戦争に発展するケースが非常に多いですが、その前段階として、両者は、あらゆる手段を使って、自国に有利な状況をつくり出そうとします。

特に中国は、積極的に他国から軍事機密や先端技術を盗み出そうとしてきました。それも、政府機関ではない民間企業が、通常の経済活動を装って、スパイ活動をしています。

例えば、2018年に中国スマートフォン大手のファーウェイが米トランプ政権によって制裁対象となりましたが、背景には中国のスパイ活動への懸念があります。

◆経済を通じて、安全保障上重要な「情報」や「技術」を流出させない

日本も、こうした状況は、決して他人事ではありません。技術大国日本にとっても、自国の重要な情報や技術を流出させないことが喫緊の課題となったわけです。今や、民間レベルの技術や情報が他国に流れ、軍事利用されるのが世界の現実です。

そのため、近年、「経済安全保障」がにわかに脚光を浴びるようになりました。例えば、2021年の自民党総裁選では、高市早苗氏が先端技術の海外流出を防ぐため、「経済安全保障包括法」を公約に掲げました。

◆「重要な産業」の他国への依存をやめる

経済安全保障のもう一つの論点は、サプライチェーンです。サプライチェーンとは、製品の供給網のことです。

昔は、国内で素材を加工し、製品化まで完結するのが一般的でしたが、現在は、複数国をまたがって製品を完成させることが当たり前の時代になりました。

それは、競争力を高めるために、最も安上がりの方法を企業が追及した結果です。

しかし、国をまたいだサプライチェーンの在り方は、有事のときに非常に弱いものとなります。

これは、今回のコロナ・パンデミックで浮き彫りとなりました。特に昨年、マスクや防護服などの医療品は海外依存度が高いため、しばらく入手困難な状況が続いたことは記憶に新しいでしょう。

医療品の他には、半導体が重要な戦略物資として挙げられることが多いです。

半導体は、電気を使うあらゆる製品に用いられ、「産業のコメ」と言われています。数年前までは、半導体の設計だけをして、実際の製造は、海外に委託する「ファブレス経営」が最先端でした。

工場を持っているとコストが高くなり、儲けが減ってしまうからです。

しかし、米中対立やコロナ・パンデミックによるサプライチェーンの混乱から、各国がこぞって国内誘致を進めているのが、現在の状況です。

経済安全保障では、こうした重要産業のサプライチェーン見直しも範疇に入ります。

重要な戦略物資を、有事の際に入手できなくなれば、安全保障が立ち行かなくなるからです。21年の自民党総裁選で岸田文雄氏が掲げた「経済安全保障推進法」では、まさにそうした観点が含まれています。

◆自民党の経済安全保障への取り組みは、日本において極めて画期的なこと

自民党が正面から、こうした動きを見せるようになったことは、極めて異例です。数年前までは、安全保障で票を取るというのは、考えられない時代でした。

それが、自民党総裁選で、複数の候補者が積極的に掲げるようになったのは、隔世の感があります。

幸福実現党は、立党以来、安全保障の重要性を訴えてまいりました。「政権与党が、一部の安全保障政策を重視するようになったこと」は歓迎すべきです。

しかし、自民党の掲げる、こうした経済安全保障の取り組みには問題もあります。ここでは、その問題を指摘することで、あるべき経済安全保障の考え方を示します。

もちろんこのことは、自民党の掲げる経済安全保障を否定するものではありません。それは、極めて重要で、疎かにしてはならない政策が含まれており、明日にでも実行すべきものです。

しかし、経済安全保障として、それでは不十分であるため、その点をここでは論じます。

※続きは、こちらからご覧ください。
https://info.hr-party.jp/2021/12076/
自民党政権に足りない攻めの「経済安全保障」
幸福実現党政務調査会ニューズレター No.27

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執筆者:webstaff

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