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中国が史上最大規模の核ミサイル増強――核恫喝に日本はどう備える?台湾侵攻への布石か?【前編】

https://youtu.be/yDsHaOXz7fw

幸福実現党党首 釈量子

◆中国が猛スピードで核ミサイル発射施設増強

欧米諸国による対中包囲網が敷かれる中、中国が核ミサイル発射施設を増設しています。

今年6月以降、アメリカの研究機関が衛星写真を活用し、中国が大陸間弾道ミサイル(ICBM)のサイロ(地下発射施設)を建設していることを次々と発見しています。

(1)今年6月、アメリカのNGOである「ジェームズ・マーティン不拡散研究センター」が、甘粛省の砂漠にある玉門市で建設中のサイロ120基を発見

(2)7月には、「米科学者連盟(FAS)」という研究機関が、新疆ウイグル自治区のクルム市の近くでも、サイロを110基建設していることを発見

(3)8月には、アメリカ空軍大学の「中国航空宇宙研究所」が、内モンゴル自治区のオルドス市の近くに、現時点で、少なくとも29基のサイロを建設していることを衛星写真で確認

これら3つのミサイル基地では、約3キロ毎にサイロが建設され、隣にサポート施設が見事に格子状に設置されています。

これら3つのミサイル基地では、大陸間弾道ミサイル(ICBM)250~300発を設置することができます。

「東風41」と呼ばれるミサイルは、1発あたり核弾頭を10発搭載できることから、中国は将来的に、核弾頭3000発以上に増やすことが可能になります。

中国の核弾頭は現在、350発(スウェーデンのストックホルム研究所の「World nuclear forces, January 2021」)とも、200発(アメリカ国防総書の中国軍に関する報告書「military and security developments involving the people’s republic of china 2020」)とも言われ、いずれにせよ、米ソ冷戦以降、中国は最大規模の核ミサイルの増強を目指しています。

◆中国はなぜ核ミサイル発射施設を増強しているのか?

では、中国はなぜ核ミサイル発射施設を増強しているのでしょうか?

アメリカ戦略軍のチャールズ・リチャード司令官は、「米国への恫喝のために、核ミサイル発射施設を増強している」と答えました。

ウイグルや香港の人権問題や台湾問題について、アメリカが介入することに対する牽制の意味合いがあるということです。

アメリカ戦略軍は、アメリカの核攻撃の指揮命令系統は空軍や海軍に分散されていましたが、それらを統合して指揮するために設立されました。リチャード司令官は、その組織のトップで、海軍大将です。

中国はこれまで「最小限抑止」の戦略を採用していました。

これは、「核ミサイルによる損害は甚大なので、核保有自体が抑止力になるからです。従って、多くの核ミサイルを保有する必要はない」というものでした。

この点について、リチャード司令官は「中国は他国に言うことをきかせるためには、『最小限抑止』では不十分だと気づいたので、核戦略を変更した」と指摘しています。

これは、非常に大事な観点なので、少し背景説明を見てみましょう。

世界の核大国は、圧倒的にアメリカとロシア。アメリカは核弾頭5550発、ロシアは核弾頭6255発を保有しています。(「World nuclear forces, January 2021」ストックホルム研究所)

中国は何としても核大国に並び、核弾頭を将来的に3000発に増やし、アメリカやロシアと肩を並べることを狙っています。

中国はこれまで日本などの周辺国を想定し、短距離・中距離のミサイルを中心に増やしてきました。しかし、今回、核ミサイルの発射施設を増強し、アメリカ本土の届く「大陸間弾道ミサイルICBM」を増やしています。

これは、アメリカとの対決姿勢を示したと言ってよいでしょう。なぜアメリカとの対決姿勢を示したのでしょうか?

国防総省で核政策を担当していたマーク・シュナイダー氏は、「中国の最大の動機は、台湾のような近隣国の一つを攻撃した場合に、米国の反撃を抑止することにある」と指摘しました。

つまり、アメリカ本土に到達できる核ミサイルを多数持つことで、台湾侵攻した場合に、米軍の反撃を抑止することが目的だということです。

7月に、「日本が台湾に軍事介入した場合、日本を核攻撃する」という動画が、中国やアメリカで拡散しました。

動画「日本が台湾有事に武力介入すれば、中国は日本を核攻撃すべき」
https://twitter.com/RFA_Chinese/status/1414541296920760320

このように、日本を核で脅して中国は従来の「核戦略」を変更し、台湾侵攻に向けて着々と手を打っています。

(後編につづく)

釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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