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ワクチンパスポートは国家による国民管理を助長し、自由を奪う

http://hrp-newsfile.jp/2021/4079/

幸福実現党政務調査会長代理  小川佳世子

◆ワクチンパスポート導入に向けた議論

新型コロナウィルスのワクチン接種が世界で進むなか、ワクチン接種を済ませたことを公的に証明する「ワクチンパスポート」の議論が進んでいます。

国民の約半数が2回の接種を終えたというイスラエルは、ワクチンパスポートを持っている人に、レストランの店内利用、スポーツジム、イベントなどへの参加を認めています。

EUではパスポートを持っている人は加盟国内を自由に移動できるようにする方針を固め、夏までの導入を進めています。

アメリカ政府は連邦レベルでは導入しないと発表しましたが、州によっては発行を進めています。

こうした流れを受け、日本でも導入するべきではないかという意見が出てきています。

今のところ政府は否定的ですが、3月15日の参院予算委員会では、河野太郎ワクチン接種担当大臣が「国際的にワクチンパスポートの議論が進んでいくということになれば、日本も検討せざるを得ない」と述べました。

海外渡航の際、相手国から求められる場合にはやむを得ないケースもあるでしょう。しかし、このワクチンパスポートを国内で導入することには反対します。

◆安全性の検証が不十分

反対の理由の一つ目は、ワクチンの安全性の検証が十分になされていないという点です。

優れたワクチンの開発は感染症抑制の有効な手段であり、研究者たちの努力によって、感染症で亡くなる人を減らしてきたことは確かです。

通常、ワクチン開発には感染症が発見されてから、5年以上かかるとされます。麻疹のワクチンも10年かかっています。しかし、今回のワクチンは1年あまりのスピードで接種が開始されました。

しかも今回、各国で承認されているコロナワクチンの多くは「遺伝子ワクチン」と呼ばれ、今まで実用化されたことのないタイプのものです。

基礎研究は重ねてきたものですが、長期的に人体にどのような影響が出るかの検証はまだ不十分です。

また4月末時点で、日本でワクチンを接種した228万人のうち、接種後に19人の方が亡くなりました。

厚生労働省は、いずれのケースもワクチンとの因果関係は「評価できない」としていますが、うち15人は接種後一週間以内に亡くなっていますので、何らかの関係を疑ってしまいます。

もちろん100%安全なワクチンはありませんので、ワクチンを推進すべきか否かは、感染抑止効果とワクチンによる副反応リスクを冷静に比較して判断する必要はあります。

ただ、現在の日本の感染状況を考えれば、ワクチン接種はリスクが高いと感じる人も少なからずいるでしょう。

こうした観点から見ても、ワクチン接種はあくまでも自由意志に任せるべきです。

ワクチンパスポートを導入し、これによって利用できる施設や行動範囲が限られるとすれば、事実上、ワクチンの強制になります。

ワクチンを打たないと決めた人の自由を制限することはあってはなりません。

◆ワクチンは万能ではない

二つ目の理由は、ワクチンは万能ではなく、接種すれば感染が防げる保証はないということです。

実際、ワクチン接種後に感染が確認された方が出ています。

韓国では、1回目のワクチン接種を受けた約230万人のうち、278人がコロナに感染したとのことです。

また、一定以上の効果が認められるワクチンができても、変異したウィルスには効果が薄いということは以前から指摘されていました。

ゆえに、ワクチンを打った人だけが自由に行動してもよいというのは、合理的な施策とは言えません。

ワクチン接種をしたからといって基本的な感染対策を怠れば、かえって他の人に感染を広げてしまう可能性も高まるといえます。

◆国家による国民管理につながる

ワクチンパスポートに反対する三つ目の理由は、国家による国民の健康管理につながりかねないということです。

ワクチンパスポートの発行により、国家が、国民の誰がワクチンを接種していて、誰がしていないかという健康にかかわる情報を把握することになります。

かつて、ナチス・ドイツは国民の健康診断を実施して、一人ひとりの健康状態を把握し、健康な国民だけを残そうとしました。

自由主義国である日本で、政府が健康情報を悪用することは考えたくありませんが、「感染症予防のためなら、私権の制限は仕方がない」という空気が高まる今、ワクチン接種をしていない人への風当たりが強くなり、差別を助長することは十分に考えられます。

その意味でも、個人の情報を国家が把握・管理する道を開くべきではありません。

◆自由の確保と感染抑止の両立のために

ワクチンパスポートの導入が経済活動再開につながると期待する向きもありますが、ワクチンに期待していたほどの効果がないことが分かったら、また活動にブレーキがかかることになりかねません。

「ワクチンを打ったら自由に行動してよい」といった条件付きの自由は、条件が変われば、簡単に奪われてしまうからです。

では、各自の自由を守りながら感染抑止をしていくために何が大事かといえば、一人ひとりの免疫力を高めることしかありません。

恐怖心から自由になり、明るく積極的な心を忘れず、健康生活を送ることが、免疫力アップの一番の近道といえます。

各自が免疫力を高め、感染対策をすることは、自由を守る道でもあるのです。
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小川 佳世子

執筆者:小川 佳世子

幸福実現党政務調査会長代理

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