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ブレグジットでよみがえる日英同盟、英国「脱中国」で「世界国家」回帰へ【後編】

https://youtu.be/RHaT0q4F5jo
(4月3日収録)

幸福実現党外務局長 及川幸久

◆中国依存をやめ日本の方に舵を切ったイギリス

前編で述べたようにイギリスが「日本は最大のパートナー」と述べた、さらに深い意味とは何でしょうか。

イギリスの保守系新聞「The Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)」で、1年前の2020年4月1日、コラムニスト「コン・コフリン」氏が、「パンデミックを一つのきっかけとして中国を敵対的国家とみなすべきだ」と書いています。

続けて、「中国マネーに目がくらんだ親中政治家が、中国共産党に接近したため、自動車部品から医薬品に至るまで中国依存を招き国益に脅威を与えた」と親中政治家を厳しく批判しました。

例えば、キャメロン元首相は中国依存、親中派の政治家で習近平氏を国賓として呼んでいます。

この時、習近平氏をイギリスのエリザベス女王に会わせ、大きなニュースにもなりました。しかし、晩餐会でのエリザベス女王の習近平氏に対する印象は「無礼な人だ」と側近に漏らしたとされています。

この後、イギリスは180度変わるわけです。それが次のメイ首相の時です。

メイ首相は、中国依存をやめて日本の方に舵を切りました。メイ首相は訪日した際、安倍首相との首脳会談で「日本は最大のパートナーである」と言っています。

この時のメイ内閣の外務大臣が今のジョンソン首相です。

ジョンソン首相が外務大臣だった時から「グレートブリテン構想」が提唱され、まさに国家の指針を「大陸から海洋へ」と変えたのです。

◆イギリス「香港人300万人受け入れ」の意味

貿易で成功するためには軍事力がいることをイギリスはよく知っています。

これまで欧州の安全保障に寄与してきたイギリスが、これからはインド太平洋の安全保障に貢献すると決めたのです。

インド太平洋でイギリスは経済繁栄させてもらう。そのためにこの地域の安全保障にイギリスが責任持ちますと言っているわけです。

その具体的な例として香港があります。香港の民主化を弾圧した中国政府に対して厳しく批判をしたのがイギリスです。

そして香港人300万人をイギリスが受け入れると言っています。これは実は大変なことで、そもそもブレグジットは移民反対から始まったものです。

EUに入っているから中東の移民を受け入れざるを得なかった。これがきっかけでEU を離脱するというのがブレグジットでした。

移民反対だったイギリスが300万人も香港の移民を受け入れることは、イギリスにとっては太平洋に貢献する点で特別なことなのです。

◆脱中国の鍵

TPP11について、前出の「テレグラフ」のコラムの内容に戻ると記者がこう言っています。

「ベトナムなど製品の供給候補地がTPP11に加盟している。日本と協力しながらTPP11を活用し、サプライチェーンの脱中国を目指す」と。

ヨーロッパ各国にしても、アメリカにしても、日本にしても、なぜ中国経済に依存いているのか。それは製品の部品など、様々なサプライチェーンを中国に依存してきたからです。

これをやめない限り、脱中国はできません。

TPP11の国の中には中国に代わってサプライチェーンを移せる国がいくつもあり、その中で一番有望な国がベトナムです。

◆あるべき日本の国家戦略

親中を止めて、グローバルブリテンの方向に完全に舵を切ったイギリスの国家戦略から学ぶものがあるとしたら、日本の国家戦略はどうあるべきなのでしょうか。

現時点で日本の国家戦略はアメリカが唯一の同盟国であるということです。しかし、もし日米同盟が何らかのきっかけで終わってしまった場合、日本は自分で守る力をもっていないので危険にさらされます。

100年前の日英同盟で、日本はロシアという敵からイギリスという世界ナンバーワンの国に守られました。

しかし、日英同盟が終わってから先の対戦に巻き込まれて、結局、甚大なる被害と多くの生命を失いました。

その歴史の教訓から、日本の国家戦略において複数の同盟国が必要であると言えると思うのです。

アメリカ以外にもう一つ、イギリスという同盟国を持つべきだと考えます。

アメリカ自身は、同盟国戦略を国家戦略の中心に置いています。アメリカにとっての同盟国は挙げられるのがイギリス、そしてイスラエル、カナダ、そして日本です。

日本はアメリカだけですが、これをやっぱり変えていく。こいう考え方を日本は持つべきではないでしょうか。
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及川幸久

執筆者:及川幸久

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