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新日英同盟で、中国包囲網強化へ。尖閣防衛、海警法施行、日米豪印クアッド+英独仏。【後編】

https://youtu.be/0b0qzYu3knY

幸福実現党党首 釈量子

◆中国への懸念が高まりつつあるフランス、ドイツ

前編では、対中面からアジア太平洋地域で深化する日英関係について述べましたが、英国以外のドイツやフランスも中国の牽制に動き出しています。

ドイツでは、昨秋に「インド太平洋ガイドライン」を閣議決定し、中国への懸念からドイツ海軍のアジア派遣を決めています。

フランスは、英国離脱後の欧州連合(EU)で、外交・安全保障のリーダー役を狙っており、「我々もインド太平洋国家」とフランス外務省報道官は強調していますが、いま中国の覇権主義を見逃せば、点在するフランス領が寸断される危機感があります。

これらが実現すれば、日本と米国、オーストラリア、インドによる連携の枠組み「QUAD(クワッド)」の4カ国と、イギリスとフランス、ドイツの海軍が、沖縄から台湾、フィリピンを経由してマレーシアに至る第1列島線が「海の長城」と化し、中国包囲網を構築することが出来ます。

日本にとっても、世界屈指の海軍と日本の自衛隊が東シナ海に集結し、尖閣諸島の防衛力強化の役割が期待されます。

◆バイデン政権下で「米中経済逆転」が早まる?

では「肝心かなめの米国はどうか?」ということです。

2月4日、国務省でバイデン大統領が行った初めての外交政策演説の中で、中国を「最も手ごわい競争相手」と位置づけ、「米国の繁栄と安全、民主的価値観は中国の直接的な挑戦を受けている」と非難する一方、「米国の国益に沿うのであれば、一緒に取り組む用意がある」と、含みを持たせました。

翌日、中国の「環球時報」では、「トランプ政権の全面対決姿勢よりも、中国にとって対応の余地がある」「バイデン大統領は中国との協力関係から利益を得ることを考えている」と報じています。

更に、バイデン大統領が中国との協力関係について話した直後、気候変動を取り上げたことから「バイデン政権の最優先事項は環境問題であり、中国と米国の協力関係は環境問題から再スタートする可能性が高い」という見通しを示している。

中国は今後、環境問題を足掛かりに、中国包囲網の切り崩しにかかってきます。

英シンクタンク「経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)」は2020年12月26日、パンデミックが各国の経済に悪影響を与えたため、中国が当初予測よりも5年早く、2028年に米国を抜くことになると予測しています。

バイデン政権下で、「米中経済逆転」の流れが進んでいくと、アメリカによる中国牽制の力が弱まっていきます。

日本は米国の欠けた力を単に補完するだけでなく、日本自体が主体となって、自由や民主主義、法の支配の価値観を共有する国々と協力しながら、アジアの自由を守らなくてはなりません。

◆新しい「日英同盟」で中国包囲網を構築せよ

最後に、日本はどうすべきかを考えてみます。

まず、米国に働きかけ、日米豪印の四か国の「クアッド」にイギリスを加え、「クインテット(5人組)」に拡大することを目指すべきですし、同時に「ファイブ・アイズ」への参加も、検討すべきです。

バイデン政権の対中政策が、親中路線に傾く懸念があるなか、国連安全保障理事会の常任理事国でもある英国としっかり手を結ぶことで、対中抑止の足並みを揃えることができます。

現在の準同盟関係から「日英同盟」に格上げすることも目指すべきではないでしょうか。

英国内の保守派からは、「台湾との関係を強化すべきだ」という声も根強く、日本と英国で、台湾のTPP参加や国際機関復帰を後押しすることも可能になります。

◆武士道の国として「自分の国は自分で守る」覚悟を固める時

1月24日、岸防衛大臣とオースティン米国防長官の電話会談で、「尖閣諸島が日米安保第5条の適用対象になる」ことを確認しています。

しかし、日本は主権国家として「自分の国は自分で守る」という覚悟を固めることを忘れてはなりません。

尖閣諸島を守るためにも、日本としてやるべきことがあります。

海警局の大型船に対応できるような海上保安庁の警備体制強化や、中国の「グレーゾーン」戦略に対応する法整備、また尖閣諸島の実効支配強化を図るための公務員常駐、灯台や気象観測所の設置を考えるべきです。

そして何よりも、憲法9条改正を真正面から議論していく必要があります。

2021年は日本が立つべき年です。

20世紀初頭に結ばれた「日英同盟」が、当時の帝政ロシアと立ち向かう日本にとって、国難打破の大きな力となったのは紛れもない事実です。

日本が武士道の国として、英国と共にアジアの自由と平和を守る国として、しっかりと立ち上がっていきたいと思います。
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釈 量子

執筆者:釈 量子

幸福実現党党首

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