世界に広がる中国発・AI監視社会の魔の手【後編】
幸福実現党党首 釈量子
◆世界に拡散される中国発・AI全体主義
そして、こうした中国発の「AI全体主義体制」は、水面下で世界各国に広がりつつあります。
昨年行われた米国のカーネギー国際平和財団の調査によれば、ウイグル人自治区等で実際に活用されているAIによる顔認証などの監視技術等が、「一帯一路」構想への参加国を中心に、既に60か国以上に輸出されており、欧州の先進国、そして日本の名前も挙げられています。
中国は自国14億人のみならず、日本を含めた世界各国の億単位の国民の個人情報まで、一手にすることが出来る危険性があります。
◆中国人に必要な「魯迅」の精神
こうしたAI技術をベースにした監視体制について、「マナーが大変に悪かった中国人の行儀がよくなりつつある」と肯定的に評価する意見もあります。
しかし、中国共産党支配、習近平体制の下で命がけの言論活動を行っている言論人たちからは、次のような悲痛の声があがっています。
いまの中国社会は、「毛沢東時代に戻ったかのように言論が統制され、監視と密告制度が高度にデジタル化したものに変容した。」
興味深いのは、中国国内にとどまって全体主義体制と戦う知識人が、約100年前の中国の小説家「魯迅」の名前を引き合いに出していることです。「魯迅の精神が今こそ必要だ」と言います。
「阿Q正伝」というタイトルは聞いたことがあるかもしれませんが、魯迅は100年前に中国人の国民性の改造に取り組んだ人で、中国人の精神の弱点には「奴隷根性」があると喝破した人です。
魯迅は、中国が「立国」、つまり近代国家に生まれ変わるためには「立人」、すなわち個人の精神的自由、人格の独立が必要だと言いました。
いくら科学が発達して豊かになっても、中国人が独立した個人の自由を獲得しなければ近代文明国家になれない、それが魯迅の現代的意義だと、魯迅研究者の銭理群氏は語っています。
◆中国のAI侵略の対応に遅れる日本
大川隆法総裁のもとに、先日、魯迅の霊が現れ、毛沢東革命の果実と、習近平の覇権主義に憤りを持っており、「中国に自由を」という強いメッセージを送ってきました。
霊界思想を信じる中国人は多いので、衝撃を与えると思います。
■『公開霊言 魯迅の願い 中国に自由を』著者・大川隆法/幸福の科学出版
いま、中国に必要なのは、「自由」と「民主」、そして「信仰」という価値観。
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2426
中国のようにAIを神のように位置付け、人間が奴隷化していくような社会を創るなら、それは本当に恐ろしいことです。
AIの暴走で行きつく先は、「AIディープラーニング機能」を組み込んだ兵器の登場です。
「自律型致死性兵器システム(LAWS)」など、人間の手を離れて自ら敵を殺傷するような兵器で、まだ登場していませんが、恐ろしい殺傷能力を有することになります。
中国共産党のような唯物論・無神論の独裁国家が、これを手にして優位に立てば「AI全体主義」 が世界に広がる危機があるわけです。
アメリカはじめとする世界各国が「自由・民主・信仰」の価値観のもと、世界正義を守り抜くための大きな戦いが繰り広げられていると言っても過言ではないと思います。
いま日本も、迷うことなくアメリカのトランプ政権と歩調を合わせながら、人間がAIの奴隷になるのではなく、人間としての精神性の高さを目指すことの大切さを知ることです。
また、「人の温もり」を大切にする社会こそ、これから人類が目指すべき社会であり、神の願われる未来なのだということを考えていきたいと思います。