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経済対策108兆円解説――実は10.6兆円?【後編】

https://youtu.be/NMD0_MVlH-s
(4月8日収録)

幸福実現党外務局長 及川幸久
◆今回の緊急経済対策の良い点

今回の緊急経済対策の良い点も見ていきたいと思います。

一つ目は、経済対策として「雇用調整助成金」の助成率を引き上げたことです。

「雇用調整助成金」とは、経済的な困難が訪れた時に従業員を解雇しないで雇用を保ってもらうように事業主に給付する助成金のことです。

賛否両論もありますが、ただこれがないと雇用維持するのは非常に難しく現実的には必要だと思います。

今回は、中小企業に対しては3分の2を助成していたものを5分の4にあげ、大企業は2分の1だったものを3分の2にあげます。

1人も解雇しないという企業であれば、さらにもっと助成率があがります。

また今までは正社員だけが対象でしたが、アルバイトや雇用保険に入っていない非正規も対象に含まれます。

支給限度日数はコロナ問題が起きている4月から6月の3ヶ月分が追加されることになりました。かなり緊急な経済対策になっていると思います。

さらに、二つ目は「規制緩和」です。その一つが「オンライン診療の初診解禁」です。

今まで日本医師会からの反対があり、初診でお医者さんがオンラインで診療することが許されなかったのです。

やっとこれが解禁になりました。こういう規制緩和は良いと思います。

◆緊急経済政策のあるべき姿

最後に緊急経済政策のあるべき姿について述べたいと思います。

安倍総理は経済政策108兆円と言いますが、これは私の厳密な見方でいうと10分の1です。

本来、緊急経済対策ですから、本当に雇用を守るためのお金で構成されるべきです。

雇用を守るために使われるお金をGDPの少なくとも5%。できたら10%にすべきだということです。そうすると25兆円から50兆円ぐらいになると思います。

今回の経済対策は、補正予算が16.8兆円でした。その補正予算の中には緊急ではないものが結構入っているのです。

そのうち雇用維持と事業継続に関係するもので10.6兆円です。これが厳密な意味で緊急経済対策に使われるお金です。

つまり、雇用維持と事業継続に関係するものは、108兆円のうち10.6兆円ですから10分の1です。

この16.8兆円の補正予算の中に含まれているものとして、例えばワクチンなどの医療対策費が入っています。

医療対策は重要ですが、アメリカもヨーロッパも緊急経済対策と医療対策は分けています。

それを日本はなぜか経済対策の中に入れ、それが1.8兆円あります。

それからコロナショックが収束した後に、 V 字回復するための経済対策費が1.8兆円も入っています。これは緊急ではありません。

「その分をなぜ今出さないのだ」と苦しんでいる経営者は怒ると思います。

それらを全部入れて補正予算が16.8兆円なのです。本当は10.6兆円です。

10.6兆円で換算すると日本「真水」は GDPのわずか2%です。アメリカは220兆円分が100%「真水」でGDP の10%です。

つまり安倍総理は日本のGDP の20%って言っていますが、厳密に見ると20%じゃなくて2%です。

そんな中で、マスクを二枚だとか、給付金は限られた人だけで、国民の中には絶望感が広がっています。 twitter などSNSの中では「絶望感」がトレンドワードになったくらいです。

日本の国民はコロナウイルスに絶望しているのではなく、政府に絶望しているのです。

緊急経済対策108兆円は、世界のなかで最高級と言いたいのはわかりますが、それで問題は解決しません。問題は中身です。

今にも倒産しそうなところに対して「給付金」を出す。条件を緩めて「緊急融資」をする。そしてやっぱり減税を加えるべきだと思います。

緊急で1年間消費税を0%にするとしたら、20兆円分の消費税の部分を今回の補正予算の中に加えれば結構なものになります。

それぐらいないとこの危機を乗り越えるだけの経済対策にならないと思うのです。

さらに、オンライン診療がありましたが規制緩和をこういう時こそ思い切ってやるべきです。

中国発のコロナウイルスによる経済危機が起きている今だからこそ、「減税」や「規制緩和」を加えた上で理想的な緊急経済対策を望みます。

及川幸久

執筆者:及川幸久

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