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エネルギーは日本の安全保障と経済の基盤(5) 原子力発電はなぜ必要か

http://hrp-newsfile.jp/2019/3558/

幸福実現党 政務調査会エネルギー部会

◆原子力発電の推進を一貫して訴えてきた幸福実現党

2011年の東日本大震災・福島第一原発事故後、民主党(当時)の菅直人元首相による法的根拠のない要請で浜岡原発が停止して以来、被災していない全国の原発が相次いで止まり、再稼働ができなくなりました。

当時の世論やマスコミの多くが「脱原発」に傾く中で、幸福実現党は震災直後から、全国の原発の再稼働を強く訴えてきました。

我が党は、エネルギー資源に乏しい日本が液化天然ガス(LNG)や石油等の化石燃料に過度に依存することは、安定供給と経済性の両面で問題があるため、一貫して原発の再稼働や新増設を主張しています。

◆世界の流れは原発推進

日本ではしばしば、「世界の流れは脱原発」と言われます。韓国、台湾、ドイツ、ベルギー、スイス等での脱原発の動きや、日立製作所による英国原発事業の中断(※1)、再生可能エネルギーの急速な拡大などがある一方で、日本のマスコミは脱原発を強調し、世界の原発推進の動きをあまり報道しないため(※2)、そのような印象があるのかもしれません。

しかし、米国、フランス、中国、ロシア、インド、英国、カナダ等は今後も原発を推進する方針であり、UAEやサウジアラビア等は新たに原発の利用を計画しています。

また、脱原発を表明した前述の国でも、代替エネルギーの目途が立たないため、実際には脱原発が難航しています(※3)。

世界の流れは、明らかに原発推進に向かっています。その最大の理由は、世界の国々が豊かになり、エネルギー需要が大幅に増大することにあります。

国際エネルギー機関(IEA)が2018年に発行した報告書(※4)によれば、エネルギー効率を野心的に高めた「新政策シナリオ」でも、2017年から2040年にかけて、世界のエネルギー需要は25%以上増加すると予測しています。

また、エネルギーの電力化が大きく進み、世界の発電電力量は約57%増加し、再エネの大幅な増加(約2.6倍)を織り込んでも、さらに原発は約41%増加すると予測しています。

◆日本だけは経済成長しないのか

一方、「人口減少・少子高齢化・低成長の日本ではエネルギー需要の大幅増加は見込めないため、原発がなくても再エネで十分」という、“下山の思想”のような主張があります。

しかし、米国トランプ政権下で景気が好転したように、米国のような成熟国であっても、政策次第で3%程度の経済成長率になることは珍しくありません(※5)。

日本の「失われた30年」の低成長は、バブル期以降の相次ぐ財政・金融政策の失敗、消費税の増税、高い法人税、低い生産性を温存する諸制度、企業活動を制約する不合理な規制等によるものであり、国民がこれらを前提とした低成長を当然視して自縄自縛に陥っている、世界でも特殊な状況にあるといえます。

したがって、これらの政策を変えれば、3%程度の経済成長が実現しても何ら不思議はありません。

◆経済成長で電力需要が大幅に増える

我が党は、減税、規制緩和、大規模なインフラ投資などの成長戦略により、実質経済成長率3%程度を実現することを目指しています。

経済成長とエネルギー消費には強い正の相関があることが知られており、経済成長に伴いエネルギー消費は増加します。また、経済成長と電力需要には、特に密接な関係があります。

このため、経済成長率を平均3%程度とすれば、2050年の最終エネルギー消費は約1.7倍、電力需要は約3倍(いずれも2016年比)と推定されます(※6)。

電力需要の伸びが特に大きいのは、電力化率(※7)が高まるためです。

これは、国民がより便利な生活を求めて電化製品、IoT(モノのインターネット)機器、ロボット等が増えること、電気自動車(EV)、ドローン、「空飛ぶクルマ」などの交通の電動化、リニア新幹線など高速鉄道の充実、再エネの急拡大、省エネルギーの要請でエネルギー効率の高い電気に転換が進むことなどが理由です。

◆原子力利用は国家の独立と安全保障の基盤

経済成長には電力の安定供給が不可欠ですが、他国の支配を受けずに安定供給を確保するには、化石燃料への依存を減らし、原発と再エネの利用を進めなければなりません。

そして、今後の電力需要の増大を考えれば、今世紀中に原発が世界の主力電源の座から降りることは絶対にありません。当面は、原発が大量の電気を安定して発電できる最も効率的なシステムだからです。

さらに、原子力関連の技術は原発に役立つだけでなく、医療、新素材の製造、放射性物質の無害化など、多分野の有用な技術につながるほか、次世代原子炉の開発や核融合炉の実用化に向けた技術開発にも役立つものです。

また、日本に向けて核ミサイルを配備する全体主義国家が存在する現状にあっては、潜在的核抑止力としても重要な意味を持っています。再エネがいかに普及したところで、原子力技術およびその利用の重要性は変わりません。

我が党は、今後も国家の独立と安全保障の基盤である原子力エネルギーを堅持し、原子力の利用を着実に推進します。

◎エネルギー部会では、ご意見・ご質問をお待ちしています。ご質問のある方は、energypolicy2019.hrpprc@gmail.comまでご連絡ください。ご質問にはできるだけ本欄でお答えします。

参考

※1 「日立、英原発事業を中断 2000億円規模の損失計上へ」 日本経済新聞 2019年1月11日
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39897670R10C19A1MM0000/
※2 「『脱原発』は世界の流れに逆行する メディアが報じない欧米・アジアの大半が『原発推進』という現実」 石川和男 JBpress 2019年4月30日
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56257
※3 「原子力をめぐる“世界の潮流”」 竹内純子 国際環境経済研究所 2019年4月22日 
http://ieei.or.jp/2019/04/takeuchi190422/
※4 World Energy Outlook 2018, International Energy Agency
https://www.iea.org/weo/weo2018/secure/
※5 Gross Domestic Product, US Bureau of Economic Analysis
https://www.bea.gov/data/gdp/gross-domestic-product
※6 幸福実現党による試算。
※7 電力化率: ここでは、最終エネルギー消費に占める電力需要の割合。

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執筆者:webstaff

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