このエントリーをはてなブックマークに追加

なぜ今、金正恩は対話を求めたのか?――北朝鮮は国家破産へ

http://hrp-newsfile.jp/2018/3334/

幸福実現党・外務局長 及川幸久

突然、金正恩がトランプ大統領と対話するというニュース。なぜ今なのか?

その答えのヒントになりそうなのは、北朝鮮は実は国家破産に向かっているということです。

ロイターの報道では、北朝鮮の外貨準備高が急速に減っていて、ドルの保有高は10月には底をつくということです。つまり、国家財政が破綻することを意味します。

◆対話を受諾したトランプの余裕のスタンス

3月10日ペンシルバニア州でのトランプ大統領の講演が行われました。

金正恩の対話申し出を受け入れたのは、その2日前でした。この講演で北朝鮮についてどんな言葉が出るか注目の中、トランプ大統領はこのように話しました。

「何が起こるか誰もわからない。何らかの進展があるかもしれないし、何もないかもしれない。何も起きそうもなければ、私は早く席を立つかもしれない。もしくは、世界のために最も重要な合意ができるかもしれない」

私はこの話をネットの映像で見たのですが、トランプ大統領は、ある種の余裕を持った口調で話していました。

英語で、We’ll see. まあ、見てみよう、という言い方がありますが、まさに、まずは、北朝鮮側のお手並み拝見というスタンスです。

実際に、トランプ大統領の報道官であるサラ・サンダースは、マスコミの記者会見でこう答えています。

「対話を受けると言ったが、当然条件がある。核兵器を廃棄する具体的で検証可能な方策が出てくるのが条件。それがなければ対話はない」

◆北朝鮮の外貨準備高は最貧国並み

北朝鮮の外貨準備高が急減した理由は、昨年からトランプ政権が厳しい経済制裁を行ったからです。

経済制裁で北朝鮮の輸出が止まり、外貨を稼げなくなり、輸入品を買う資金が枯渇したのです。

韓国の調査機関によると、北朝鮮の外貨準備高はわずか40億ドル。これはアフリカの最貧国並みです。

ちなみに、韓国の外貨準備高は3950億ドルです。

そして、ドル保有高が10月までになくなるとしたら、もう一つのリスクは、物価の急騰、インフレです。

これは共産主義国家が崩壊する典型的なパターンに入っていると思われます。

◆過去の経済制裁は効果がなかった

過去国連による北朝鮮に対する経済制裁は何度も行われています。

それが効いて、北朝鮮がアメリカに対話を求めて来たことも何度かありました。

しかし、過去の制裁には「抜け穴」がありました。北朝鮮が取引している国から物資が入っていたのです。

北朝鮮の取引国の代表は中国ですが、それ以外に、中東、アジア、アフリカのたくさんの国があります。

北朝鮮の船とそれらの国の船が洋上で物資を引き渡す「瀬取り」という方法があります。

今回の経済制裁が始まってから、上海沖の公海で、2月に日本の海上自衛隊の哨戒機が北朝鮮籍の船とモルディブの船が物資をやりとりしていたのを発見し、国連に通報しています。

今回はこの抜け穴を塞いだのです。国連にそうさせたのは、トランプ政権です。

さらにアメリカ独自の経済制裁として、国家ではなく、北朝鮮との貿易に関わる企業と個人を個別に取り締まると発表しました。

この直後に、北朝鮮は韓国との首脳会談を申し出たのです。

◆経済制裁を緩めてはいけない

金正恩が対話を言い出した目的は、核・ミサイル完成の時間稼ぎのためだという見方が多かったのですが、実は、トランプの経済制裁が効いて国家破綻に追い込まれて、対話を求めざるを得なかったのではないでしょうか。

そうだとすると、金正恩の目的は経済制裁を緩めさせる、もしくは人道支援を引き出すことで、核兵器の放棄ではないはずです。

タイムリーに大川隆法・幸福実現党総裁は、『文在寅守護霊vs金正恩守護霊』――南北対話の本心を読む――を発刊しました。

『文在寅守護霊vs金正恩守護霊』――南北対話の本心を読む
大川隆法著 幸福の科学出版
http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2012

この本では、文在寅と金正恩の本心を探るヒントが書かれています。

そして、大川総裁はこの本の最後に「私の感じとしては、やはり、最終的には北朝鮮は滅びると思います」という言葉で締めています。

金正恩がトランプとの会談を言い出したのは、経済制裁を緩めさせるためであるならば、この手に乗ってはいけません。

Deal 取引のプロであるトランプ大統領が、この取引において、世界にとって最高の結果を出すことに期待します。

【参考】
なぜ今、金正恩は対話を求めたのか?〈及川幸久のトランプ・チャンネル#61〉
https://www.youtube.com/watch?v=l973Y1yH2L8&t=2s

及川幸久

執筆者:及川幸久

page top