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「坂の上の雲」を超えた国家ビジョンを目指せ

http://hrp-newsfile.jp/2017/3219/

HS政経塾第6期生 坂本麻貴

◆国の税収が減収

日本経済がリーマンショックの影響を受けた2009年から、今年で8年がたちますが、国の2016年の税収が前年度を下回り、55兆5千億円程度となりました。

これは7年ぶりの前年割れで、所得税、消費税、法人税といった税収全体の8割を占める「基幹3税」がそろって減収となっています。

さらに消費税収は2015年度の1兆4千億円を数千億円下回り、これは2014年4月の消費税率引き上げが絡んでおり、経済成長頼みの財政運営は転機をむかえているといいます。(6月30日付日本経済新聞)

◆社会保障の充実を名目に引き上げられた消費税

2014年に消費税率は8%へ引き上げられました。その少し前の民主党政権かで、社会保障の財源のために消費税率をあげるという法案を通し、それをベースに引き上げられ、また2019年からは10%まで引き上げられます。

しかし、高齢化が進む日本において、消費税の税収を社会保障にあてても、今以上に充実していくことは極めて難しいと言わざるを得ません。

そもそも、消費税制を始めて日本に導入した際、当時の竹下登首相は、「景気が回復し、国の借金を返すまでの間導入する」と私たちに約束しています。その年の税収は60兆円ほどでした。

しかし、その後景気はいっこうに回復せず、27年間、一度もこの60兆円の税収を超えたことがないのです。

1997年には5%へ引き上げ、これによってさらに景気は悪化。その後8%に上げたことの影響が、今になって現れてきたといえます。

消費税の増税では、景気は回復しないということがいよいよ明確になってきました。

◆鍵を握る企業の国内回帰

今回の減収の要因の一つとして、企業のグローバル化についても指摘されています。

日本企業が海外に進出し現地で雇用したりすることで、日本に法人税や所得税が入らず減収したということです。

ここから、海外に進出している企業が、再び日本国内に立地していく必要があり、そのためには大幅な法人税の減税が必要です。

また、企業が魅力に思う人材を教育によってつくっていくことも重要です。

◆坂の上の雲を超えた国家ビジョン

戦後日本は坂の上の雲を目指して経済成長してきました。それがここ30年は坂を登りきり、下り始めたかのようになってきています。

日本では、経産省を筆頭に日本の技術力に注目し、「モノづくり」を推進してきました。

戦略を階層で考えるというものがありますが、技術力というのは最下層にあたります。

「技術」→「作戦」→「戦略」→「大戦略」→「政策」→「理念・世界観」(奥山真司氏講義より所収)と進むにつれ上の階層になっていきますが、下の階層でどんなに素晴らしくても、より上の階層が強い方が勝ってしまいます。

今、日本には、世界の中でどのような存在なのかという理念や、世界の中でどういうビジョンを持ち、どの方向へ舵を切るのかという世界観が必要です。

幸福実現党のもつ、「より多くの人を幸福にする」という理念や「世界をリードする日本」といったビジョンが必要なのではないでしょうか。

坂本麻貴

執筆者:坂本麻貴

HS政経塾6期生 

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