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政務調査報告――北海道・幌延深地層研究センター視察の御報告

http://hrp-newsfile.jp/2017/3201/

幸福実現党公認 薩摩川内市議会議員 松澤 力

◆北海道の幌延深地層研究センターを視察

日頃より多大なる御支援をいただきまして、本当にありがとうございます。
6月1日、薩摩川内市議会・会派の政務調査で、北海道の幌延深地層研究センターの視察を行いました。

幌延深地層研究センターでは、原子力発電の使用済燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃棄物を安全に処分するための地層処分技術に関する研究開発のうち、国の計画に示された深地層の科学的研究や地層処分研究開発等を行っています。

この研究で得られる成果は岐阜県瑞浪市や茨城県東海村で実施している研究の成果と合わせて、国が行う安全基準等の策定やNUMO(原子力発電環境整備機構)等が進める最終処分事業の基盤情報として活用される予定です。

今回の政務調査は、川内原子力発電所の立地自治体の市議会議員として、高レベル放射性廃棄物 最終処分事業の現状の取り組みについても見識を高め、市民へ明確な説明を行っていくため実施されました。

◆地層処分への道筋

日本では、原子力発電で使い終えた燃料を再処理して、資源として利用できるウランやプルトニウムを取り出すことになっています。この過程で残る高レベル放射性廃液をガラス固化した「ガラス固化体」が高レベル放射性廃棄物となります。

現在、原子力発電所などで保管されている約18,000トンの使用済燃料を今後再処理すると、既に再処理された約2,300本も合わせて、ガラス固化体の総数は約25,000本相当(2016年3月末時点)となります。(参考:NUMO 資料)NUMOでは、40,000本以上のガラス固化体を処分できる施設を計画中です。

固化した直後のガラス固化体からは、高い熱と放射線が出ているため、地層処分する前に、30年~50年ほど高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター等に保管します。

この貯蔵期間に放射線量は1/10、発熱量は1/3~1/5程度まで減少します。(参考:NUMO 地層処分セミナー資料)

また、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業は、処分地の決定までの法定調査に20年程度かかり、さらに処分地の建設・操業・閉鎖などを含めますと、100年以上の事業となります。

このように最終処分事業は、次世代まで関わる長期事業となります。

次の世代に出来る限り負担を残さないためにも、原子力発電による電気を利用して生活・産業を営んできた私たちの世代で、地層処分事業に早期の道筋をつける必要があると考えます。

◆最終処分事業の実現へ向けた対話の必要性

2017年4月14日の総合資源エネルギー調査会(放射性廃棄物WG)で地下環境等の科学的特性に関するデータを整理し、広く国民に示すマップの呼称を「科学的特性マップ」とすることに決まり、マップ作成に必要な要件・基準案が了承されました。(参考:資源エネルギー庁 高レベル放射性廃棄物に関する最終処分について 進捗報告)

科学的特性マップは、科学的な情報を客観的に提供するものであって、いずれの自治体にも何らかの判断を求めるものではないとされています。

また、マップの提示は高レベル放射性廃棄物の最終処分事業の実現に至る長い道のりの最初の一歩で、提示をきっかけに全国各地できめ細かな対話活動を丁寧に進めていく方針となっています。

日本・世界の持続的な発展に向けて、今後の原子力政策や高レベル放射性廃棄物の処分について、国民一人ひとりが関心を持ち、現状や課題について理解を深めていくことは非常に大切だと考えます。

私も原発立地自治体の市議会議員として、さらに努力を重ねて参ります。ありがとうございました。

松澤力

執筆者:松澤力

幸福実現党公認 薩摩川内市議会議員 HS政経塾4期生

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