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増税延期は、自公「延命」のためか。それとも日本経済「再生」のためか。

文/HS政経塾スタッフ遠藤明成

◆自公政権の延命のために、同じ増税延期論を繰り返す?

安倍首相は、3月27日に10%への消費税増税を延期する方針を固めたことが分かりました。

「5月18日に発表予定の28年1~3月期のGDP速報値を見極め、伊勢志摩サミットの前後に正式発表する」と見られます。(3/28産経)

今のままだと、有権者は、次の選挙で「景気が低迷したから消費税増税を延期する」という理屈を聞かされることになりそうです。

しかし、元をたどれば、景気低迷の原因は8%への消費税増税でした。

14年の増税後、年率計算で見た時に4-6月期に約7%(前期比)ものGDPが減り、今でも景気は低迷しているわけですから、因果関係は明らかです。

この二の舞を避けたければ、増税延期法案を国会で可決すればよいだけなので、必ずしも選挙は要りません。

ただ、その場合は「17年4月に増税する」とした見込みの甘さが露見し、政策判断の責任が問われかねないので、安倍政権は「民意」を問い、そこから逃げようとしています。

増税延期を「大義」として、もう一度、延命を図ろうとしているわけです。

◆「増税凍結」や「減税」を望む声は強まっている

そもそも、不景気の時でも増税できる消費税の仕組みには問題があります。

3月7日のロイター記事では、本田悦朗内閣官房参与による消費税7%への減税提言が報じられていましたが、これは「不景気の時に必要なのは減税だ」という当たり前の主張です。

幸福実現党は、こうした経済の常識を踏まえ、立党以来、消費税の増税に反対し、14年の衆院選では消費税5%への減税を訴えました。

その後、8%への増税が不景気をもたらしたことが世に知られ、最近の週刊誌(『週刊ポスト4月8日号』)では5%減税論が出てきています。

同誌では、以下の識者が増税に警鐘を鳴らしていました。

・8%への増税で20兆円のGDPが消失した(高橋洋一・嘉悦大学教授)

・軽減税率を織り込んでも10%への増税で家計の負担が一世帯あたり年間46000円増える(永濱利廣・第一生命経済研究所主席エコノミスト)

・「本田参与は財務省に遠慮して税率7%と言っているが、政策失敗は明白なのだから増税前の税率5%まで戻すのが筋」(長谷川幸洋・東京新聞論説副主幹)

安倍首相は「この道しかない」といって、14年の衆院選に突入しましたが、本当は「消費税5%への減税」という「別の道」があるのです。

(※当時も、早稲田大の若田部昌澄教授やプリンストン大のクルーグマン教授などが5%への減税を薦めたのに、減税論は顧みられませんでした)

◆日本経済「再生」のための選挙を

今、必要なのは、増税凍結で景気腰折れの不安をなくし、減税で消費を活性化させることです。

増税延期が決まってから8か月間の日経平均株価(終値)を見ると、17099円(14年12月15日)から20808円(15年8月10日)にまで伸びています。

これは選挙前の追加緩和の効果も入っていますが、消費税を巡る政策判断が市場に与える効果は大きいのです。

次回の選挙を単なる自公政権の延命選挙にすべきではありません。

増税延期ではなく、消費税5%への減税を実現し、日本経済を再生させるための選挙とすべきです。

幸福実現党が訴える「5%への減税」こそが、日本経済を救います。

遠藤 明成

執筆者:遠藤 明成

HS政経塾

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