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成長こそ最大の社会保障

文/幸福実現党・香川県本部副代表 中西りえ

◆政治の目的

人が生まれてくるのは、その心を磨き、魂を成長させるためです。そこに自助努力の意味があります。人は永遠の生命をもち輪廻転生している存在だからです。

しかし、昔は誰もが人生の根底にもっていたその原点を、今、日本人は忘れつつあります。それは、国の指導者に信仰心という精神的主柱が消えてしまったからでしょう。

神仏の願われる世界を地上に現すのが本来の政(まつりごと)であり、本当の民主主義の原点であったはずです。

そして、それが名代としての政治家の仕事であるならば、そこに、私利私欲も党利党略もあってはならないのです。

ところが、その確固たる幹が失われたために枝葉末節に走り、何が「正義」なのかわからなくなっているのが今の政治ではないでしょうか。

当然、「経済」や「教育」にも影響し、昨年の「安倍談話」や今年の「日韓合意」の八方美人ぶりからもうかがえるように、釈然としない「外交」にも露呈しています。

◆増税とバラマキの繰り返し

1989年竹下内閣によって消費税が導入されてから25年、日本は、増税とあらゆる保障金の分配を繰り返しては、財政赤字を増やし続けてきました。

消費増税の目的は財政赤字を減らすことであったにもかかわらず、現在、財政赤字は、実に当初の10倍である1000兆円超へと膨れ上がっています。

これは、おかしいと思わなければいけません。明らかに政府の経済政策の誤りであるにもかかわらず、来年にはさらに消費税10%へと安倍内閣2度目の増税が行われようとしています。

先般の参議院予算委員会で麻生財務大臣は、この消費増税に際しての国民一人あたりの負担額は年間2万7千円となることを修正発表しました。4人家族なら10万円以上の負担です。増税に伴い軽減税率が導入されようとしていますが、わずか一日10円~20円という試算です。

さらなる増税に先駆けて上振れ分などとして、参院選前の低所得高齢者への3万円支給や、商品券のバラマキ施策には甚だ矛盾を感じずにはいられません。

国家の発展のための経済政策であるべきが、精神的主柱なき、政治家の私利私欲、党利党略からの増税とバラマキの繰り返しは、人間本来の魂修行を妨げるという大きな罪を犯しているのではないでしょうか。

◆自滅という国難

ここ数日、わが国は、奇しくも北朝鮮によるミサイル実験の発射に備えて防衛の体制がとられている真っ只中にあり、まさに危機に直面しています。

自分の国は自分で守る防衛の考え方は主権国家として当然のことですが、今の政治家や有識者たちが気付いていない「本当の国難」は、その精神的主柱である幹が枯れるという「自滅」の方向にあることだと思います。

極論にはなりますが、人間が「永遠の生命」であるならば、この世の命より魂のほうがはるかに重いからです。

今、日本は、安倍総理による企業への賃上げや設備投資、携帯料金値下げ要求など、政府による民間への介入が明らかに頻度を増しており、国家社会主義ぶりは誰の目にもわかるほどになりました。

先般、小惑星探査機「はやぶさ2」の部品を手掛けた愛媛県の精密部品製造会社が、大型設備投資を行った直後、民事再生(負債額30億円)を松山地裁に申請したという記事を目にしました。

経営判断は経営者がするものです。中途半端な財政出動で成長ヴィジョンを示せていないにもかかわらず、安易な政府の介入は逆に国益を失うことになります。

実は、これまでも当たり前のように私たちは飼いならされていますが、例えば、医療、教育、農業などの分野においても既に政府の規制だらけのなかで伸び方、生き筋がわからなくなって問題が山積しているわけです。

さらに、この度施行された「マイナンバー制度」に象徴されるように、このままいけば管理社会はとどまることを知らず、個人のプライバシーや財産にまで政府は介入し、共産主義や全体国家への恐怖さえ連想させる統制的社会へと加速をはじめているのが安倍政権の現状です。

◆成長こそ最大の社会保障

私たちは、目先の利益にまどわされ、本来成長するべき魂を腐らせる人が殖えていくのを黙って見ていられないのです。

日本は、本来素晴らしい国です。資源はなくても「人財」という智慧の宝物があります。人が関わったぶん、新しい未来が拓けていく無限の可能性があるのです。

私たち幸福実現党は、本当の国難に立ち向かい、個人や企業が個性や創造性を発揮し、発展・繁栄していく「自由」を守りたいのです。

「自由」こそが「さらなる繁栄へ」の鍵であると確信します。
その意味において、現政権の謳う「増税による社会保障」は、終わりなき増税社会、統制国家への道であり、真逆の方向です。

増税ではなく、経済的にも精神的にも『成長こそ最大の社会保障』です。

これからの国家モデルは国民全員がそれぞれの段階から「自らを高め、成長する力」を導き出せる精神性、宗教性を背骨とした発展繁栄でなくてはならないと考えます。

全ての人の幸福実現のために、日本は変わらなくてはなりません。

今こそ、「新しい選択」で一緒に豊かな未来を創っていこうではありませんか。

中西利恵

執筆者:中西利恵

香川県本部副代表

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