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ラグビー日本代表の快挙に感じたこと

文/幸福実現党・政務調査会チーフ 小鮒将人

◆過去7大会1勝のみ→今大会、すでに2勝!

現在、イギリスで開催されているラグビーワールドカップでの日本チームの快挙が伝えられています。

特筆すべきは、過去優勝経験をもち、強豪として知られている南アフリカチームに34対32という歴史的な勝利を挙げたことでしょう。

試合そのものも、互角に戦い、最後の土壇場で逆転のトライを挙げたことで、世界のラグビー界でも大きな驚きを持って見られています。

さらにサモアにも勝利し、過去の7大会で通算1勝だったのが、10月9日現在、すでに2勝を重ねています。今後の成績によっては、グループリーグ突破の可能性もでてきました。健闘を祈りたいところです。

◆「外国人選手」に対する疑問

さて、こうした快挙の裏で、ネット上では「日本代表」の有り方に疑問が投げかけられています。それは、ラグビーの代表選手の出場条件についてです。

現在、ラグビーの国際ルールでは、以下の3つの条件のうち、1つでもクリアしていれば、外国籍の選手でも帰化することなく、日本代表として出場することができます。

1、本人の出生地が日本である
2、両親または、祖父母のうち、1人以上が日本生まれ
3、本人が3年以上継続して日本に在住している

今大会、登録できる選手は31人になりますが、外国人選手がどのくらいいるかというと、

・日本国民として帰化した選手が5人
・外国籍をもったまま上記「3」が適用され登録された選手が6人

合計11人です。

言うまでもなく、これらの条件は他の出場国にも適用されるのですが、出場国20か国の中で、「外国人選手」(帰化+外国籍のまま出場)の占める人数は、以下の通りです。

13人:サモア
12人:トンガ、ウェールズ
11人:日本、スコットランド
10人:フランス
9人:オーストラリア、イタリア、アメリカ

上記の数字を見る限り、日本チームは、国際的に特に突出した状況ではないことが分かります。

サッカーや、野球など、国際試合に出場する選手は、その国の国籍を取得していることが条件となっています。過去にも、他国籍の選手がサッカーワールドカップに出場するために、日本国籍を急遽取得したケースもありました。

しかしながら、特にラグビーについては、国籍にとらわれることなく、その国に一定期間住んでいたという記録があれば、自由に出場国を選択することができるのです。

こうした制度について「やはり日本国籍の選手だけにするべきではないか」等、違和感を持った方も少なからずいらっしゃるようです。

◆日本の看板を背負った勇気に感謝

しかし私は、そのような声に対し、疑問を持つものです。

ラグビー日本代表チームは、過去7回のワールドカップで1勝しかできなかった「弱小チーム」でした。

少なくとも、そうしたチームに加入し、「何とか日本の勝利の為に頑張ろう!」、とひと肌脱いでくれた外国人の選手たちへの敬意を忘れてはいけないのではないでしょうか。

私も、南アフリカ戦を後に観たのですが、スクラムなどでも全く押されていなかったところなど、堂々とした戦いぶりでした。外国人選手なしに、今回の快挙はあり得ませんでした。

「外国人選手」たちは、元々愛国心を強く持ち、自分自身が生まれ育った祖国のユニフォームで戦いたかった気持ちもあったはずです。

しかし、それを越えるだけの「日本に対する強い愛情」があったがゆえに、「日の丸」を背負って出場するという決断ができたのではないでしょうか。これは、自分の人生を左右する大きな決断になったはずです。

逆に私が「外国人」の立場になった時、他の国のユニフォームを着て出場することができるか、を考えると、簡単に決まるものではないと感じました。

従って、日本人選手同様に、外国人選手に対してもまた、私としては最大限の賛辞を送るつもりです。

◆日本、世界のさらなる繁栄のために

さて、今後、このような局面が様々な場面で見られることになります。

日本にとって、スポーツのみならず、経済などでも更なる外資との協調、外国人労働者の受け入れが大きな課題になってきます。

幸福実現党は、特に中国・北朝鮮の覇権主義の危険性など、国際政治の部分で国防の大切さを訴えてきました。

また、外国人参政権なども国家の安全保障に関わる問題とも言え、慎重な対応が必要であることは言うまでもありません。

こうした国防上の備えを第一に進めつつ、日本のさらなる繁栄のためにも外国人との関係について、改めて考える時がきているのではないでしょうか。

すでに日本は、世界の経済大国です。自国だけではなく、世界のリーダーとして、自由の価値を広めつつ、さらなる繁栄に向けたメッセージを発信する義務があります。

スポーツと経済を安易に結びつけるべきものではないかもしれませんが、今後の日本の繁栄の条件について触れさせて頂きました。

こぶな 将人

執筆者:こぶな 将人

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