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バブル崩壊に向かう中国と日本の対応(1)

http://hrp-newsfile.jp/2014/1861/

文/幸福実現党・京都府本部副代表 植松満雄

今、中国共産党政府の経済の舵取りが危ぶまれており、長谷川慶太郎氏や三橋貴明氏らの評論家は、かねてより中国経済のバブル崩壊を指摘しています。

もはや、中国経済での産業の空洞化は誰の目にも明らかとなってきており、中国共産党政府という国家の明日に希望はないことを指摘するとともに、日本が取るべき対応について3回に分けて述べて参ります。

◆中国経済――「政府主導」の投資

中国経済は、銀行やシャドーバンキングからの借金が6割から7割を占めており異常な状態にあります。

これまで中国経済は、外国企業が工場を建て(投資)、農村から集めた安い労働力で、海外に輸出して外貨を稼いできました。

ところが、ここ最近、にわかに豊かになった「資本家」(最近ではアリババに代表されるようなNY証券取引所やナスダックに上場した一株成金たち)が多数輩出されています。

そういう人々(主に中国共産党政府要人)が「カネがカネを生む」やり方で再投資を仕掛け、資本を回転させ、GDPを膨張させています。

こうした中国のような経済成長構造を「投資主導型」といい、中国経済の実に6割にまで及んでいます。

80年代後半の日本によく似た現象としてあった「バブル経済」の時代でも3割まででした。それも日本は「民間主導」であって、中国共産党政府の生み出したものとは全く違うものと言えます。

◆中国のバブル型「投資主導型経済」

中国での「投資主導(バブル)型経済」の主役は、なんと日本の都道府県に当たる「地方政府」が旗振り役です。

それも、「地方政府」が将来性や需要を見て投資をしたのではなく、あくまで共産党幹部が「自分の利益」のために投資したものです。

そして、投資をすればするほど、GDPが増えるので、道路や橋、鉄道、などのインフラ整備、金額が上がるマンションを建設し、各地方都市に「ニュータウン」が乱立していきました。

こうした不動産開発投資がGDPの15%を占め、2009年以降4年間で110兆元(1700兆円)以上にのぼっています。

それでも、中国政府は2008年の北京オリンピック開催によって、外資を誘致させることに成功しました。

これによって、2008年以降は明らかに、日本のGDPを意識した過剰投資が功を奏し、日本の倍のGDPをなっています。

◆日本のバブル

そもそもGDPは、「消費」と「投資」と「輸出」の金額の合計で計られます。

この20年間、日本の経済は「失われた20年」と呼ばれ、長い間、足踏みが続いてきました。

日本では85年のプラザ合意以降、1ドル240円が1年で160円、2年で120円まで円高ドル安が意図的に進められました。

そのため、過剰な円買いドル売りとなったため、国内において資金の供給過剰を生み、土地や株式への投資が進んだのです。これがバブル経済を生み出しました。

この事態を見ていた官僚やサヨク系の学者らが、「不労所得はよくない」「土地転がし」「一株成金」と、資本主義社会を否定するような発言や国民が豊かになることを許さないような政策を実施しました。

そして政府(特に日銀と大蔵省)が一斉に「バブル潰し」を行いました。その時に失った損失は、ざっと3000兆円(土地の値下がりと株式暴落、債券暴騰、等)です。

実は、1990年代、既に日本は、(失敗はしましたが)世界経済のリーダー的な仕事をしていたとも言えます。

では中国経済の「バブル状況」はどうして生み出されたのか、次回説明いたします。

植松満雄

執筆者:植松満雄

京都府本部副代表

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