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国際リニアコライダー計画――東北の復興と国際化を目指すチャンス!

文/幸福実現党岩手県本部副代表 石川幹子
 
東北岩手に世界の架け橋となる国際リニアコライダー計画が進められ決定されれば2020年に完成予定です。

◆国際リニアコライダー(ILC)計画とは

深さ約100メートルの地下に全長約30キロメートルの直線状の加速機を作り、電子とその反粒子である陽電子を超高速エネルギーで正面衝突させ宇宙の始まりから1兆分の1秒後の状態を人為的に再現しようとするものです。

宇宙の真空の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫ることが出来ると言われております。

大型加速器としては、スイスのジュネーブにある欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器の27キロメートルが現在最大ですが、計画されている国際リニアコライダーは、完成すると全長約30キロメートルとなり、世界最大となります。

この計画の建設完成は、2020年代半ばを目途とされております。

立地評価会議は、2013年8月に国内候補地として岩手県(岩手県北上山地の南部、奥州市近郊に建設予定)に一本化されましたが国はまだ誘致を判断していません。しかしながらアメリカのシカゴ近郊やCERNがあるスイス、ロシア、ドイツなども誘致に向けて積極的にアピールしています。

国際リニアコライダーの建設費は約8千億円、経済波及効果は、4.3兆円、建設段階から運用までに至る30年間で、全国ベースで約25万人分の雇用機会が創出されるとされており、東北大震災からの復興を目指す東北、岩手、宮城にとって大きな起爆剤となります。

◆人口の増加と第三の開国を進めることで少子高齢化や財政赤字を解消

国際リニアコライダーが誘致されると世界から科学者、技術者、関連企業そして、その家族などが移り住み、約1万人の外国人が移住する事になると言われており、岩手県南部に突如として、一つの国際都市が出現する事になるでしょう。

さらにその生活基盤を支えるために、飲食店、スーパー、衣料品店など物販店も数多く立ち並び、さらに子供達の学校なども整備されていくことと思います。その様相はまさにインターナショナルなものになるでしょう。

またこの新しい街と空港を結ぶアクセスなどの整備も考えられ、近隣の花巻空港の国際化を含めて、新たなインフラ整備が必要とされます。

◆東日本大震災から立ち上がった姿を国際社会に示す絶好の好機

東日本大震災からの復興に全力で取り組む東北の地に、ILCが実現すれば、東北の復興の加速と東北地方全体への大きな波及効果が期待されます。また国際的な科学拠点として世界に対し日本が大きく貢献する事となります。

昨年の5月には、高い技術力と高精度の精密部品を製造する岩手県奥州市にある千田精密工業が、国際リニアコライダーの技術開発を進める高エネルギー加速器研究機構(KEK,茨木県つくば市)から、実績が認められ実験機の心臓部となる装置「電磁ホーン」2台の製造を依頼され今後の活躍の期待と参入に意欲をみせる企業が立ち上がっている状況です。

これまで基礎研究がもたらした技術は、世界の経済と文化を飛躍的に変え、国際リニアコライダーの技術も科学と産業の両方に応用を生み出すとされています。医療、生命科学から新機能の材料、部品の創出、情報、通信、計量、計測、環境、エネルギー分野まで多岐にわたると考えられています。

2020年の東京オリンピック開催と同時に地方でも国際化を目指す大チャンスです。そして、最先端科学が進む事で日本経済の復活への起爆剤になり今後、世界のリーダーとなる日本が、国際社会の平和と安全、繁栄していくためにも限りない可能性と創造性を秘めた科学技術の発展が大事です。

岩手にILCが実現したなら、つくば市にある筑波研究学園都市構想が可能になるでしょう。海外からの移住者が増加することで商業施設、公共施設、外国人学校、病院など生活空間が変わります。交通網はリニア新幹線の開通、ハブ空港の建設により国際化が加速する事でしょう。

東北に拓かれた未来構想、未来科学の実現に向け取り組んで参ります。

参考文献 ILC PROJECT 国際リニアコライダー計画

石川幹子

執筆者:石川幹子

岩手県本部副代表

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