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行き過ぎた円安に原発再稼動で歯止めを

文/HS政経塾1期卒塾生 伊藤のぞみ

◆6年ぶりの1ドル=110円台

円安・ドル高が進んでいます。1日の外国為替市場では、一時、6年ぶりの1ドル=110円台まで円安、ドル高が進んでいます。

2日の終値は108円91銭を回復していますが、アナリストのなかには、15年末にかけて、1ドル=120円台まで円安・ドル高が進むと予測をする人もいます。(http://mxt.nikkei.com/?4_27499_506071_33)(日経新聞10月2日3面)

◆円安・ドル高の原因

円安・ドル高の原因には、以前のHRPニュースにある通り、日米の金融政策の差にあります。
http://hrp-newsfile.jp/2014/1736/

アメリカの中央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)は10月末に量的金融緩和を終了すると発表しています。それに対し、日銀の黒田総裁は、物価目標の達成が難しいようであれば、追加緩和を行う、と明言しています。

そんななか、9月26日に総務省が発表した物価上昇率(消費税増税の影響を除いた消費者物価上昇率)が1.1%にとどまると発表があり、追加緩和の予測が広がりました。

さらに、円安ドル高が急激に進んでいる背景には、ヘッジファンドの動きがあります。

ヘッジファンドはFRBの量的金融緩和の終了で米国債の利回りが上昇すると年初に立てた予測が外れたため、円安・ドル高で運用益を出そうとしています。そのため、積極的に円売り、ドル買いを積み上げつつ、利益確定のための売りが入るために、円・ドル相場は上下を繰り返しつつ円安・ドル高が進んでいます。

◆行き過ぎた円安は貿易収支にマイナスの影響を与える

円安は、海外から日本に資金が流れて株高につながり、輸出企業の売り上げを増やしますが、行き過ぎれば、貿易収支にマイナスの影響を与えます。

原発が止まるなか、燃料の輸入は続けなければなりません。そのなかで、円安が進めば、輸入代金はかさんでいきます。

8月にかぎっては、電力需要が少なく、燃料の輸入量が減ったので、9485億円と貿易赤字は若干縮小しました。しかし、今年1月には過去最大の貿易赤字2兆7900億円を記録しており、上半期の貿易赤字も過去最大の7.6兆円の赤字となっています。

輸出企業と考えられている製造業も、輸入で原料費が上がれば、円安メリットも相殺されてしまうことから、急激に進む円安には警戒も必要です。

◆円安の急進を緩和するためにも原発の再稼動を

日本経済の回復は、まだ本格的な軌道に乗っていないため、金融緩和は続ける必要があります。

ただし、貿易赤字は実需の面から円安・ドル高を進める要因にもなるため、貿易収支を改善する努力
が必要です。

13年の燃料輸入額は27兆円となっており、10年と比較して10兆円も増加しています。貿易収支を改善するために、原発の再稼動を進めるべきです。

さらに、消費税増税で苦しい家計の負担を減らすためにも、原発の再稼動を進めるべきです。

燃料費がかさんだことにより、家庭向けの電気代は1ヶ月分で19.4%上昇。企業向け料金では28.4%増加しています。

また、原発の代わりに導入を進めてきた再生エネルギーも家計を圧迫しています。

9月30日、経済産業省は再生エネルギー買取制度による負担が現在の225円から将来的には935円になると推計を発表しました。(「再生エネ優遇見直し必至 経産省、家計負担1割増も」http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF30H03_Q4A930C1MM0000/

そして、外交政策の面からも原発の再稼動は必要です。

9月5日、インドとオーストラリアと原子力協定を結びました。安部首相はインドとの原子力協定を結ぼうと交渉加速を合意していることから、国内の原発再稼動に責任を持って取り組むべきでしょう。

日立製作所は核廃棄物の無害化を10万年から300年にまで短縮する技術を研究しています。

原子力技術で最先端をいっている日本であるからこそ、これから原発を導入しようとしている国々に対して、多くの責任を果たすことができます。

◆まとめ

改めますと、輸入代金が増えることにより、ドルの需要が増えればドル高の原因となり、円安が進めば、輸入代金はさらにかさみます。

貿易赤字を減らし、急激な円安を緩和するために、ひとつの手段として原発の再稼動を提言します。

※円安・ドル高を是正するために最終的な手段としては、財務省が溜め込んだドルを売り、円を買うという方法もありますが、これはアメリカとの関係をよく見極めながら行う必要があります。

伊藤 のぞみ

執筆者:伊藤 のぞみ

HS政経塾1期卒塾生

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